マークX試乗レビュー!貴重なV6・FRセダンの走りは楽しめるか?

     2017/01/15

マークXに試乗しました。乗ったのはFR・2.5L・6ATのグレードです。

今や貴重な中型FRセダン、しかもこの価格帯でV6の自然吸気エンジンを搭載。伝統ある車はどんな走りなのでしょうか?

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トヨタ・マークXってどんな車?

マークXはトヨタの中型セダンです。欧州セグメント区分ではDセグメントに属します。マークXの登場は2004年で、現行車は2009年に発売された2代目です。

マークXは昨年マイナーチェンジを受けて内外装デザインがリフレッシュされました。スポーティなデザインにしてきましたが、マークXのイメージを脱却することはできなさそうです。

オジサンセダン & 貴重なFRセダン

マークXは「オジサンセダン」と呼ばれる中高年向けのセダン型乗用車の典型です。セダン人気が低迷する中で、典型的中型セダンと自動車最大手トヨタという保守的な組み合わせを欲しがるのはほぼ中高年層に限られます。トヨタもそれを分かっていて、中高年に受けるデザインやマーケティングをしてきました。

オジサンセダンというイメージがある一方で、今では貴重なFRセダンでもあります。

後輪駆動の車自体が希少となっている現在、400万円以下で4枚以上ドアがある後輪駆動車は、マークX(251万円~)、BMW・1シリーズ(310万円~)、トヨタ・クラウン(381万円~)の3車種のみ。

マークXは「オジサンセダン」と「FRセダン最安」の地位を確立してきました。

マークX生産終了へ

マイナーチェンジされたばかりですが、マークXはすでに生産終了が決まっています。フルモデルチェンジされることなくマークX自体が廃止になるようです↓

デザイン

マークXのデザインについては昨年のマイナーチェンジの記事で詳しく解説しています↓

実際に見てみても印象が変わることはありませんでした。退屈で高級風。それでいてレクサスほどに洗練された高級感はもちろん無し。

WikipediaのマークXのページを見ると、「4ドアセダン型高級車である。」って書いてあるんですが、価格的にも内容的にも、一般的に言われるような「高級車」にはなれていないと思います。同じ250万円でもBセグメントアウディ・A1程に作り込まれていれば高級車を名乗れるとは思いますが、マークXでは厳しいと思います。「高級感」は確かにありますが、

まぁWikipediaに書いてあるだけで、トヨタ自身は「FRスポーツセダン」と言っているんですけどね。でも「スポーツセダン」もふさわしくないと思います。

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走り

試乗したのは2.5L自然吸気エンジンのモデルです。

マークXはV6エンジンオンリーです。最近はハイブリッドダウンサイジングターボの流行もあって、大排気量自然吸気エンジンが減っていますからね。6気筒エンジンはかなり稀になりました。フォルクスワーゲン・パサートアウディ・A4は4気筒しかありませんし、BMW・3シリーズも800万円超えの3Lターボ以外は4気筒です。

そんな状況にあって、マークXは6気筒エンジン最安でもあります。他の安い6気筒エンジン車は、パジェロ、ジープラングラー、FJクルーザーといったSUV車が多く、マークXの次に安いセダンはクラウンロイヤル(381万円~)です。今やクラウンですら4気筒(2.0Lターボ)が載るほどですからね。Dセグメントながら国外向けを含めてV6しか設定がないマークXは、もはや化石のような存在になってしまっています。

加速感

排気量を緩く使うセッティングになっているようで、2.5Lもあるのに踏んでもなかなか加速しません。ハーフアクセルくらいまでは排気量相応に余裕ある走りをしてくれますが、そこから先は全然伸びません。スロットルバルブの最大開度が制限されているかと錯覚するほどです。

モード切替

マークXにはモードが無駄にたくさんあります。ノーマルモード、スポーツ、スノー、エコと4つもある。しかもエコのままスノーにもできます。

ボタンは写真の通り、スポーツとスノーが倒すタイプ、エコが押すタイプです。ボタンの並びに一貫性なんてまるでありません。とりあえず機能を使えるようにスイッチは付けたけど、使いやすいかどうかなんてどうでもいいのでしょうね。メーター上の表示も分かりやすいとは言い難いです。

モードで変更されるのは基本的にアクセルペダルの反応のみです。そして変化はごく僅か。アクセルの反応がダルい傾向はスポーツモードにしても変わりませんでした。ノーマルとスポーツの差がなさ過ぎです。

トランスミッション

とにかく反応が悪い。CVTなのかと本気で疑うほどに、回転数と速度が合いません。なんだこれ。エンジン音は比較的静かなんですが、タコメーターがあるだけに気持ち悪いです。

酷いことにマニュアルモードが使いものになりません。動かしても変速されている感覚まるでありません。表示がおかしいのかと思うほどに上げても下げても回転数がのんびりフラフラするだけ。しかも停止中にマニュアルモードに入れたらなぜか「4」の表示に。意味が分かりません。4速まで入れますよと言う昔のAT車(オーバードライブ機能など)を模しているのでしょうか。だとしたらこんなのはもはや「マニュアル」モードですらありませんね。

意味が分からないので取説を調べてみたら、本当に「4」は「4速まで使いますよ」という意味だそうです。なんだこれ! こんなアホな操作・表示なんて初めて見ましたよ。こういうのが中高年にウケるんでしょうか?

つまり、変速されている感覚がまるで無いのではなく、本当に変速されていなかったということです。「3→4」としたところで、システムが「この車速なら3速だな」と判断すれば変速されることはありません。しかもマニュアルモードのポジションでは「Dポジションにくらべエンジン回転数を高く制御」するらしいので、変速が上がらないのも納得です。あーなんて運転しにくい車だ!

シフトポジションを明示的に選択できない、形だけのマニュアルモード(取説ではSモードと呼んでいる)なのに、グレードによってはステアリングにパドルシフトが取り付けられます。中高年が「なんかカッコいいな」とか言うんでしょうか。あなたが操作したところで、シフトを決めるのは基本的に車の方ですよ。

足回り

足回りはかなり柔らかいセッティングになっています。ふわふわ、と言うほどではありませんが、不快な振動も無ければロードインフォメーションもありません。まるでマシュマロの上に乗っているかのよう。褒めていませんよ? 運転しにくいんですから。

この柔らかさなら街中を走る分には乗り心地は良好でしょう。でも路面の凹凸を吸収した振動が残ってしまうので、特に後席では車酔いしやすいと思います。それに高速巡航するにはさすがに緩すぎるセッティングだと思います。

まぁこれを運転するような年代の人は、柔らかいことを乗り心地が良いと勘違いしている人も多いでしょう。それに、腰や背中を悪くしていて強い衝撃に弱い人も多いでしょうから、「ガタッ」を避けて「ふわふわ」に甘んじるのは、購買層を考えた正しいセッティングだと思います。足回りの面でも、車好きや若者には勧められませんね。

ドライビングポジション

セダンだからか、ドライビングポジションに不満はありませんでした。着座位置やステアリング調整範囲はほとんどの人に問題なく適合するでしょう。

特筆すべきはオルガン式アクセルペダルを採用していることです。タッチも良好でアクセルコントロールがしやすくなっています。ただしそのコントロール性がちゃんと走りに反映されるかは別の話。アクセルワークはしやすいのに、エンジンの反応はダルダルです。

価格

エンジンは2種類、スタート価格は266万円です。

エンジン 内装 FR 4WD
3.5L レッドレザー 350RDS
385 万円
 -
2.5L レッドレザー 250RDS
343 万円
 -
ファブリック
(スポーツ)
250S
321 万円
250S Four
345 万円
ファブリック
(スポーツ)
250G
292 万円
250G Four
316 万円
ファブリック 250G Fパッケージ
266 万円
250G Four Fパッケージ
290 万円

これで260万円超えですか。駆動方式と排気量の数値以外に何も魅力を感じませんでした。ゆるゆるだるだるちんたら系の車です。スポーティーなのはトヨタの人の気持ちだけ。残念ながらスポーツのかけらも感じませんでした。

アクセルペダルもトランスミッションも意のまま感ゼロ。せっかくFRなのに、足がふらふらすぎてFRの利点も見いだせませんでした。アテンザ3シリーズみたいなのを好む人には全く適合しなかったようです。

「排気量が大きければ偉いんだ」とか「高級車にターボは合わん」とか「トヨタのセダンしか考えてない」みたいな超保守的な人だけに適合する車だと分かりました。250万円も出すなら同じトヨタでもプリウスの方がよっぽどイイクルマですよ。

まとめ

アクセルオンもオフも、トランスミッションも、とにかく反応がニブいです。まるで老人と会話しているかのよう。あ、そうかマークXはそういう人に向けた車だった。道理でFRや大排気量自然吸気エンジンといった素養が生かされていないわけですね。

新たな顧客層を開拓することなく「マークXを買う人のためにマークXを作る」という車作りをしてきたようですね。生産終了もやむなしといったところです。

マークX生産終了に関する情報はこちら↓

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