スカイラインハイブリッド試乗レビュー!プレミアムとスポーツを語るには物足りない

   

skyline-hybrid-s日産・スカイラインのハイブリッド仕様車を試乗してきました。

「350GT ハイブリッド」という3.5L V6エンジンにモーターを組み合わせたモデルです。もはや死滅しつつある国産FRスポーツセダンということで結構期待していたんですが、ちょっと看板と価格に見合わないなぁという印象でした。

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日産・スカイラインってどんな車?

日産・スカイラインは日産を代表するビックネームです。

現行モデルは13代目となるV37型で、2014年に登場しています。

サイズはDセグメントにあたるので、国内ではトヨタ・マークXやマツダ・アテンザと同じクラスになりますが、他の国産Dセグメントに比べるとスタート価格や内容がプレミアム寄りになっています。実質的にはレクサス・IS、BMW・3シリーズ、アウディ・A4などと同じ「プレミアムDセグメント」に属することになるでしょう。

ちなみに日産の商品企画担当者によると、現行スカイラインのターゲット層は以下のように想定されたそうです。

年齢でいうと40代前半の男性。共働きの奥さんがいて、娘が1人。外資系企業で管理職をしており、非常にタフな環境の第一戦で活躍している人。都心のタワーマンションに住んでいる。

ある程度所得が高く、プライドが高くてこだわりが強そうなイメージですね。たしかにこういう人はマークXやましてプリウスなんかは選ばなさそうですが、スカイラインに行かずにBMWに行くような気もします。

ライバル車との比較

国内での直接のライバルはレクサスのDセグメントセダン「IS」(旧名アルテッツァ)になるでしょう。マークXはスカイラインのパワートレイン・価格より1ランク下で、最上位グレード「350S G's」でやっと比較対象に上がるレベルです。

輸入車を含めればまさしくなライバルはBMW・3シリーズでしょう。どちらも同じくスポーティFRセダンでドライバーズカーを標榜しています。ただ、環境対応の方向がハイブリッドとダウンサイジングターボと分かれているのが面白いところですね。

車種
グレード
日産・スカイライン
350GT ハイブリッド
トヨタ・マークX
350S G’s
レクサス・IS
IS300h
BMW・3シリーズ
330iスポーツ
ボディ形状 Dセグメント 5人乗り 4ドアセダン
全長 4,790 mm 4,795 mm 4,665 mm 4,645 mm
全幅 1,820 mm 1,795 mm 1,810 mm 1,800 mm
全高 1,440 mm 1,420 mm 1,430 mm 1,440 mm
ホイールベース 2,850 mm 2,800 mm 2,810 mm
車重 1,760 kg 1,550 kg 1,670 kg 1,600 kg
駆動方式 FR
トランスミッション 7AT 6AT CVT 8AT
パワートレイン ハイブリッド ガソリンエンジン ハイブリッド ダウンサイジングターボ
エンジン形式 V型6気筒 V型6気筒 直列4気筒 直列4気筒
排気量 3.5L 自然吸気 2.5L 自然吸気 2.0L ターボ
エンジン
最高出力
306ps / 6,800rpm 318ps / 6,400rpm 178ps / 6,000rpm 252ps / 5,200rpm
エンジン
最大トルク
35.7kgm / 5,000rpm 38.7kgm / 4,800rpm 22.5kgm / 4,200-4,800rpm 35.7kgm / 1,450-4,800rpm
モーター
最高出力
68ps 143ps
モーター
最大トルク
29.6kgm 30.6kgm
フロントサス ダブルウィッシュボーン ストラット
(ダブルジョイントスプリング)
リアサス マルチリンク
燃費 18.4 km/L 10.0 km/L 23.2 km/L 未発表
(先代328i:15.2 km/L)
価格 462 万円~ 432 万円~ 500 万円~ 599 万円~

今回試乗したのは3.5Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドです。最近のDセグメントとしてはかなり大きめのパワートレインですね。

マークXは最上位のG'sでやっと3.5Lになります。価格的にも比較対象としては相応しくないでしょう。マークXでいい人は、アテンザ、アコードあたりと比較すべきです。

レクサスISは「250h」がハイブリッド仕様です。モーターが強力なので2.5Lでも十分ですが、500万円クラスで直列4気筒になるのが少し残念ですね。非ハイブリッドとなる「350」はV6 3.5Lになりますが、価格はさらに上がって544万円~です。

最近マイナーチェンジしたばかりのBMWは一応一番下の「320i SE」が427万円~ですが、パワートレイン的に比較対象となるのは330iでしょう。今回のマイナーチェンジで名前だけが328iから330iに変わりました。ダウンサイジングターボなので低回転からトルクフルですが、国内都心部ではハイブリッドほど燃費が良くない上に価格が100万円以上高いです。

価格メリットがあるので、プレミアムDセグFRセダンとしては十分戦えそうに見えます。

エクステリア

skyline-hybrid-sエクステリアは堂々としていてなかなかカッコ良いです。少なくともマークXのようなオジサン臭さはあまり感じません。

現行モデルから日産ではなくインフィニティ(日産の高級ブランド。レクサスの日産版)のエンブレムが装着されています。開発がインフィニティ系列という言い訳は分かりますが、そんなに国産ブランドのエンブレムが恥ずかしいのかよ!と思いますよ。

最近のトヨタ車とかフロントに車種毎のエンブレムがついていたりして、なんだか情けないです。ブランド力の無さを自らアピールしているようなものじゃないですか。

ま、レクサスをプリウスにつけたり、アキュラ(ホンダ版レクサス)をステップワゴンにつけたりとかいう残念なのよりはだいぶマシだとは思いますが。ある程度理由があってメーカーが付けてるやつですし。

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リアも堂々としていて悪くありませんね。Dセグメントらしい伸びやかなラインが美しいです。

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インテリア

インパネ

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残念ながら内装のプレミアム感はあまり高くありません。Dセグメント(しかもプレミアム)なわりにガッカリです。

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BMW・3シリーズ

インパネデザインはBMW・3シリーズ、まして非プレミアムDセグメントのマツダ・アテンザにすら遠く及ばず、フォルクスワーゲン・パサートと戦うレベル。ドアの内張りも苦労が見て取れますが、今一歩という感じです。

エアコン吹き出し口を縦にしてみたり、シフトノブをちょっと変わったデザインにしたりと頑張ろうとした感があるんですが、イマイチ「高級」や「センス」を感じられません。使っている材質がやや安っぽいという側面もあるでしょうが、全体にのっぺりとボタンを配置しただけみたいになってしまっています。

アウディ・A3

アウディ・A3

材質ではなくデザインで質感を与えるのはアウディ・A3なんかがうまいですね。Cセグメントなのにしっかりと高級を感じられます。

インフォテイメントディスプレイ

インパネには画面が縦に2つ並んでいます。画面2つなのは面白いんですが、実用的かは不明。

下画面が鮮やかではっきり読め、周囲と平滑処理されてるのに比べて、上画面は1世代前のカーナビのように低輝度・低彩度・低解像度と3拍子揃った液晶でかなりアンバランスです。下画面が良いだけに上画面の低品質さが余計に目立ってしまいます。

メーター

skyline-hybrid-meter-s最近の車種の例に漏れず、メーター内に液晶ディスプレイを搭載しています。

明るい環境だとこのメーター内液晶が暗くてかなり見えにくいです。ディーラーマンは調整可能と言っていましたが、もしスカイラインを買うなら本当に調整できて見やすいレベルになるのか要検証です。

調整できたとしても、そもそもメーターの明るさに調整機構があること自体がおかしいです。最初っから見やすいようにしておくのが量産車にあるべきクオリティでしょう。最近はiPhoneですらだいたいいつでも見やすいです。

速度計なども含めて完全液晶メーターでも、十分実用に耐えるセッティングになっているレクサスボルボを見習ってほしいです。

シート

シートのホールド性はあまり高くありません。BMW・3シリーズのノーマルシートとは良い勝負なんですが、あっちはMスポーツになるとかなり質の高いスポーツシートに変わるのでこだわる人への選択肢があります。スカイラインにはレザーシートはあってもシート形状は自体は変わりません。スポーツセダンを語るならここはこだわって欲しかった。

パワーシートは座面傾斜調整があります。これは嬉しいですね。シート調整機構がやたら充実しているBMWに対抗するには必要だったんでしょう。ステアリング調整も電動です。一番下の「200GT-t」以外の全グレードで電動のようです。

私が普通に座ると、アームレストが後方過ぎて肘が置けませんでした。欧州ブランドの車ではよくあることですが、国産セダンでは珍しいですね。長距離移動での疲労感に結構影響を与えるので、前後調整できるように改善して欲しいですね。Dセグメントなら長距離移動にもよく使われると思います。

トランク

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トランクはかなり狭いです。ゴルフバッグが横向きに2つ載るかどうかのレベルです。メーカーはゴルフバッグ4つ載る言っていますが、現実的ではない(小さめのバッグしか入らない)でしょう。

ハイブリッド仕様車のためにバッテリーがトランク容積を侵食しているそうですが、そんなことは言い訳ですね。Dセグメントにはもっと広いトランクを期待するのでこれは残念ですね。リアシートも倒せません。

ハイブリッドとはいえDセグセダンなんだから、ここはもっと頑張ってほしいところ。これではレクサス・ISに勝てないでしょう。

レクサス・IS300h

レクサス・IS300h

ISはバッテリーをフロアしたに収納することで、広大なトランク容量を確保しています。リアシートも倒せるのは長尺物を載せるときに重宝します。

リアシートが倒せないのはスカイラインでもハイブリッド仕様だけかと思ったら、非ハイブリッドの2.0Lターボでもシートは倒れないそうです。唯一の「シートアレンジ」は長尺物を載せるためのセンタースルーのみです。スキー板は載ってもスノボの板やキャンプ用テント(畳むと長い棒状になる)は載りません。必ずしも4人乗車というわけではないでしょうから、シートアレンジくらいさせて欲しいですね。

走り

3.5Lハイブリッドはよく走りますが、加速始めが穏やかなのでなんだかアンバランスです。のそっと走り始めて回転数が上がると一気に加速力がついてきます。発進加速が強力なのがモーターの強みなのに、あまり活かせてないようですね。モーターのトルクは29kgmもあるので性能不足では決してないはずなんですが。

最近の車らしく走行モード変更がついているので「スポーツ」モードにしてみましたが、走りの傾向は変わりません。

ATは悪くありません。十分に滑らかです。トヨタ式ハイブリッドのようにCVTになるよりは良いのかもしれませんね。

足回りは、振動が素早く収束するので悪くありません。レクサス程のスムーズさではないので特筆するほどではないのでしょうが、十分な完成度でしょう。

静粛性はそこそこ程度です。Dセグメントとしては十分良好なレベルですが、レクサス(試乗記)があまりに静粛性が高いのでちょっと見劣りしてしまいます。

シートの着座位置はあまり低くなく、Cセグメント(アクセラなど)と同じ程度でした。せっかくスポーツセダンを標榜するならもっと低くして欲しかったところですね。

パドルシフトはステアリングの回転に連動しないタイプです。コーナリング中に操作するのに少し戸惑いましたが、これは慣れでしょうね。メーカーによって違うのは思想が違うからだと思います。

フットレストが縦に短くてつま先が乗りませんでした。足にフットレスト上端が当たってしまうので違和感がありましたね。

まとめ

長い歴史があるスポーツセダンということで結構期待していたんですが、「スポーツ」と「プレミアム」を掲げて400万円台後半で売るのはちょっと厳しいんじゃないかなぁと思いました。

レクサスほどハイブリッドの利点を引き出せているわけでもありませんし、BMWほどのシャシー素性の高さも感じませんでした。内装の質感は他のプレミアムDセグメントに遠く及ばず、トランクの狭さはDセグであることを(悪い意味で)忘れさせます。

無理にプレミアムセグメントにせずに、300万円台半ばでマークXと戦った方がいいんじゃないかなぁと思ってしまいました。

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