7代目サニー生産終了!つーかまだ作ってたんかいな、そんなかつての愛車。
日産が7代目サニーの生産を終了することを発表しました。
というよりまだ作ってたんですかこの車! 26年前のモデルですよコレ。
目次
7代目サニー生産終了
生産終了するのはメキシコでのお話。1990年に発売された7代目サニーは1994年に販売終了して8代目に切り替わりましたが、メキシコでの販売はそれから20年以上脈々と続けられてきました。生産もメキシコ工場での現地生産です。
わずか5年だった7代目サニー
7代目サニーってたった5年足らずしか生産されなかったのですね。1990年と言えばまだバブル景気のさなか。7代目は「歴代モデルの中で高品質を追及した」(Wikipedia)と呼ばれる造りになっていました。
1991年からのバブル崩壊期に入り、各社大幅なコストダウンが要求される形になったので、93年には早くも8代目を発表、94年にフルモデルチェンジとなりました。7代目は94年の時点でメキシコ以外のすべての国での販売が終了しました。
以後ずっと続いた「日産・ツル」
メキシコでは当時から「TSURU」(ツル)の名前で販売され、以後ずっと生産・販売が続けられています。数回のアップデートによって、フロントグリルやヘッドライトが微妙に変わりましたが、基本的には当時のままです。
インテリアにも時代を感じますね。エアコン操作なんかは80年代のデザインですが、オーディオはアップデートされてMP3が聞けるようになっています。
メキシコでの生産終了は2017年5月。27年に及ぶ「7代目サニー」の歴史に幕を下ろします。
ついに消えるサニーの系譜
「サニー」は日産車の中でもビッグネームの一つです。かつてはトヨタ・カローラと熾烈な販売台数を繰り広げたこともありました。メキシコで生産され続けた7代目に留まらず、サニーは9代目まで作られました。
9代目サニーは2004年に国内向けの販売が終了。日本での「日産・サニー」38年の歴史に幕を下ろしました。9代目の海外向けも2006年に生産が終了して、以後はメキシコでの7代目だけが生き残り続けます。
2017年5月にメキシコでの生産が終わることで、実に50年に及ぶ「サニー/ツル」の歴史が終焉します。
変わりゆく「庶民の足」
国内に関して言えば、セダンという車体形状自体が2000年頃から急速に売れなくなっています。80~90年代の「庶民の足」はサニーやカローラのような中小型(Cセグメント)セダンでしたが、2000年以降はフィットやヴィッツのようなBセグメントコンパクトカーに移り、さらにここ数年は軽自動車の販売割合がどんどん増えてきています。もはやセダンはメルセデスベンツ・Eクラスのような高級車か、オジサン/老人向けの廉価セダンだけになりました。
「車と言えばセダン」が当たり前だった90年代から、車内空間を売りにしたフィットの大ヒットで実用コンパクトハッチバックにシフト、さらには長い不景気で「走ればなんでもいい」「税金はできるだけ払いたくない」という人が軽にシフトしていきましたね。
ちなみに中国は日本から20年遅れて未だに「車と言えばセダン」なので、圧倒的にセダンばかりが売れています。日本ではハッチバックしかないヴィッツやデミオも中国ではセダンの形で売られています。
メキシコで売り続けられた理由
メキシコで生産が続けられたのは、もちろん開発費をかけずに作り続けることによるコスト削減があるでしょう。ですが日本ではそれはできません。日本人が飽きっぽいから……ではなくて、排出ガス規制や燃費規制、衝突安全性能、歩行者保護性能などなど10年も経てば色んな規制でそのままでは販売し続けられなくなります。ただでさえデザインや装備、性能、減税/免税などで競争力が下がっている中で多額のコストを掛けて規制に対応させるのはメリットがありません。「売れる車」に開発費や工場などの経営資源を集中しないと生き残れないわけです。
サニー(ツル)がメキシコで生産・販売され続けたのは、日本のように規制が厳しくならなかったこと、そして競争力が低下しても売り続ける価値がある、つまりずっと売れ続けていたからでしょう。日本とメキシコの収入の差や嗜好の違いが影響しているのでしょうね。
わが家の愛車だった7代目サニー
今回生産終了が発表された7代目サニーには特別な思い入れがあります。かつての我が家の愛車だったからです。と言っても父親のですが。
かつての子供時代、サニーに乗って色々なところに連れて行ってもらいました。当時はまだ車に詳しくなかったのでどんな車かはよく知りませんでしたが、「前輪駆動である」ということだけ知っていたのを覚えています。とは言っても前輪駆動だと何が違うのかは分かっていませんでしたが。今ならむしろ後輪駆動に乗りたいです。
サニーを降りてからすでに10年以上経ちますが、今でも写真を見ると当時のことを思い出しますね。車はただの移動手段ではなく、日常や旅、その当時の時間を共有するものだと感じさせられます。
現在の車とどれくらい違う?
9代目で途絶えたサニーの後継モデルは、ラティオ(旧ティーダラティオ)が担っています。セダンなんて全然売れないので、カローラアクシオ同様に老人かせいぜい商用車としてしか売れていませんけどね。今のラティオと、7代目サニー(=ツル)を比較してみましょう。7代目サニーは、販売中のツルに合わせて1.6L・MTモデルを選びました。
ツルの価格は81万円~ですか。当時の「スーパーサルーンe」に比べると装備はかなり削られているので直接比較はできませんが、長年のコストカットの成果が見て取れます。直列4気筒1600ccとなると現在の国産車でも結構高いですからね。そして1.6Lにして1トン切ってます!軽い!ただ衝突安全性能は現代の車とは比較にならないほど低いでしょうね。
ラティオの方は昨今の廉価車らしく3気筒エンジンです。パワーだけでなく乗り心地もツルに劣っているんじゃないでしょうかね。これで155万円ですか。いやーお高い。
それにしてもラティオって超絶ダサいですよね。オジサン臭いとかカッコ悪いとかではなく、なんか気持ち悪いんですよ。出来の悪い中国車を見ているような気分になります。
まとめ
歴史ある車が消えてしまうのは悲しい事なのかもしれませんが、このサニーに関してはさすがに単一モデルの期間が長すぎて「もういい加減楽にしてやれよ」という気にすらさせられます。
生産終了まではまだ半年ほどありますが、「長きにわたりお疲れさま」と声を掛けたいですね。