新型インプレッサ2.0L試乗レビュー!加速感・4WD・車内空間の評価は?

     2017/02/27

インプレッサの2.0Lモデルに試乗しました。

今回乗ったのは4WD車だったのでそちらもレビューします。雪上レビューではありませんけどね。

インプレッサ1.6Lの試乗レビューはこちら↓

スバル・インプレッサ

インプレッサはスバルのCセグメント車です。ボディ形状は2種類あって、セダンが「インプレッサG4」、ハッチバックが「インプレッサスポーツ」です。

インプレッサスポーツ

インプレッサG4

スバルは(OEM車を除けば)Cセグメント以上の車とSUV、スポーツカーしか作っていません。インプレッサはスバルのラインナップで最も安く、(BRZを除けば)最も小さなモデルです。

国産Cセグメント車ではトヨタ・プリウスが最も売れていますが、車種イメージや購買層が重複する直接のライバルはマツダ・アクセラでしょう。アクセラもインプレッサと同様にハッチバックとセダンが設定されています。

スバルの4WD(AWD)

スバル車の特徴と言えば、水平対向エンジンの採用高性能な4WDでしょう。スバルはこの組み合わせを「シンメトリカルAWD」(左右対称の4WD)と称しています。ちなみにスバルでは4WDではなくAWD(All Wheel Drive)と呼んでいますが、単に名前を変えているだけで意味は同じです。

ヴィッツだろうが軽自動車だろうが、FFベースの車に「フルタイム4WD」が設定されている車はたくさんあります。しかし、それらの大多数は「スタンバイ式4WD」(生活四駆)です。普段は前輪駆動で走行し、前輪がスリップしたときだけ後輪に駆動力を配分します。雪道で動けなくなる(スタック)リスクを減らせるので保険にはなりますが、走行中の雪上走破性能はFF車と大差ありません。

一方スバルの4WDは異なります。ドライ路面や非スリップ時でも前後輪両方に駆動力が配分されてる、完全な4WDです。スバルの4WD車は世界的に特に高く評価されていて、特に積雪量の多い地域では4WD性能のためにスバル車を買う人が多くいます。

大型SUVやクロスカントリー車で本気4WDの車はありますが、インプレッサのような乗用車で高レベルの4WDを搭載するメーカーは、スバル「シンメトリカルAWD」とアウディ「クワトロ」くらいしかありません。デザインやエンジン性能が多少気にくわなくてもスバルの4WDというだけで一定の価値があるということです。

走り

トランスミッションサスペンションは1.6Lの方で詳しくレビューしています。

今回はインプレッサスポーツの2.0Lと4WDについてのレビューです。

加速感

1.6Lよりはマシです。でも足りません。排気量は25%増し、馬力34%増し。1.6Lで足りないなぁと思っていた加速感は、2.0Lにすれば排気量の数値的に解決するように感じていました。でも実際に2.0Lに乗ってみると、解決するほどの加速感はありませんでした。[1.6L → 2.0L]を期待して乗ってみたら[1.6L → 1.8L]だったという感じです。

とはいえ車重ほぼ同等(FF同士で20kg差、今回は4WDなのでさらに+50kg)で排気量が増えるのでマシなのは確かです。改善度合いが小さかったとはいっても、価格差を含めて1.6Lよりマシです。不満なのは同じですが、不満レベルは小さくなります。

どちらにしろCVTのせいで加速時のフィーリングは全くもってダメなので、パワーが増えたところで結局加速はダメです。せめてもう少しエンジンパワーがあるかトルコンATなら擁護のしようもありますが、パワー不足+CVTでは買いたくも勧めたくもなりません。

4WD

スバルの4WDはいわゆる「本気4WD」です。滑ったときだけ後輪を動かす「生活四駆」とは違って、ドライ路面でも後輪に駆動力がかかります。

この効果は絶大です。ドライ路面で単にハンドルを切りながら発進するだけでも違いを感じました。曲がろうとする方向にぐいっと向きが変わります。FFともFRとも異なる車の動きをします。

まるでベクタリングコントロール(左右駆動差を付けて回頭性を上げる)が装備されているかのような動きにも感じましたが、インプレッサで「アクティブ・トルク・ベクタリング」が装備されるのは最上位の「2.0i-S EyeSight」のみ。試乗したのは下の「2.0i-L EyeSight」なので装備されていません。ちなみにライバルのマツダ・アクセラにも似た機能があります↓

感覚としては「曲がりたがらないFF」「過剰に曲がりたがるFR/MR」「強制的に曲がっていく4WD」という感じでした。後輪の駆動力があることでコーナー内側に車体がぐぐぐっと入り込みます。でも後輪駆動車のように回り込む動きではないので不思議な感じがしました。

車内空間

1.6Lのレビューに詳しく書いたように、スバル車は完全にアメリカ向けの車作りをしています。車内空間についてもその傾向が感じられました。

まず前席周りがすべて大きめです。シート幅も大きいですし、足元も横方向に広め。頭上空間も結構大きくとってあります。(平均的には)アメリカ人は体が大きいですからね。大きく広くないと売れません。

ライバルのアクセラとは全長はほぼ同一、全幅はアクセラの方が大きいのですが、運転席はアクセラの方が狭く感じました。でも「広いからインプレッサの方が良いのか」とはならないでください。ミニバンじゃないので。インプレッサの前席は私(165cm・60kg)には過剰な広さに感じました。シートが大きすぎてフィット感があまり無いんです。多くの日本人の体型には広すぎて合わないでしょうね。

逆に言えば日本人でも体の大きな人はスバル車を見てみると良いと思います。他のメーカーの同サイズ車では狭くても、スバル車なら合うかもしれません。

ドライビングポジション

シートが大きすぎる、足元が広すぎるということを置いておけば、ドライビングポジションは悪くありません。シート位置はボディサイズに合っていますし、ステアリング調整範囲も広めです。

マツダ車ほど完璧ではありませんが、十分に走りやすいドライビングポジションを確保できるでしょうね。

その他デザイン

メーターはカッコ良くありません。微妙です。

なぜかナビ画面の上にインフォメーションディスプレイがあります。こんなに近くては分ける意味ないのでは? ナビ画面に出すかメーター内に出た方が嬉しいです。センターメーターのような出し方は親会社にならったんでしょうか?

エアコン表示も上の画面です。操作スイッチは下の方にあるのに表示が上なのは使いにくいでしょうね。

そのエアコンスイッチは流行りの三連ダイヤルなんですが、質感はあまりよくありません。周囲のギザギザの触り心地が良くなく、ギザ十(周囲がギザギザの十円玉)みたいな感じです。

一番いただけなかったのはココ。パワーウインドウのスイッチです。リアの操作スイッチが「カチッカチッ」と安っぽい音・質感なんですよ。かなり残念です。

まとめ

1.6Lよりはマシでしたが、期待していたほどの差はありませんでした。それでも差額を払ってでも2.0Lモデルにした方が良いと思います。

4WDがドライ路面の市街地走行でもこんなに実感できるとは思いませんでした。これは雪上でも試したくなりますね。

単にスバルの4WDが欲しいなら1.6L・4WDで我慢してもいいかもしれませんが、基本的には2.0Lをオススメします。4WDが不要ならアクセラの方が日本の人・道には合っています。「日本人が作ったアメ車」が欲しいならスバル車なんでしょうが、アメ車が欲しいわけじゃなければ他のメーカーの車もちゃんと比較した方がいいでしょうね。

インプレッサ1.6Lの試乗レビューはこちら↓ スバルが日本軽視になる理由と根拠も書いています。

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