[2016年版] 後輪駆動のMT車 販売中の全22車種を一挙紹介！400～800万円クラスは欧州車独占

日本ではほとんど見かけなくなったMT車。そしてかなり珍しくなってしまった後輪駆動。車種の選択肢がかなり狭くなってしまいましたが、これらを併せ持つ車は「車を走らせる楽しさ」をまっすぐ伝えてくれます。

そんな後輪駆動MT車を求めるあなたに、現在日本で販売中の全22車種を一気に紹介します！

今回は400～800万円の6車種を紹介します。他の価格帯はこちら → ～400万円 7車種  800万円～ 6車種  番外編 3車種

400～800万円の後輪駆動MT車

上級セダンや高級スポーツカーが属するこのクラスには6車種が該当します。

BMW・3シリーズ　495万円～

400万円以上のクラス、最初の車はBMW・3シリーズです。BMWはFRにこだわり続けていることで有名で、FFになってしまったSUV＆ミニバンの一部車種を除くほとんどの車種がFR、もしくはFRベースの4WDとなっています。

3シリーズには、セダン/ステーションワゴン、ガソリン/ディーゼル、FR/4WD、排気量、さらに装備によって非常に多くのグレードが用意されています。2016年10月現在では限定モデルを除いても29グレード（数え方にもよる）もあります。このうちMTなのはわずかに2グレード。「320i スポーツ」と「320i Mスポーツ」だけに6MTが用意されています。

3シリーズの走りはまさにスポーツセダンといった雰囲気です。4ドアを求めるなら、これかルノー・トゥインゴしかありません。つまり後輪駆動・MTでは唯一の4ドアセダンです。

フォード・マスタング　540 万円～

出てきましたねアメ車。初代マスタングの発売は1964年なので、50年以上前から販売しています。登場はトヨタ・カローラや日産・フェアレディZよりも古いんですね。ちなみに初代日産・スカイライン（当時はプリンス・スカイライン）はさらに古い1957年発売です。

問題はフォードが日本市場からの撤退を発表していることです。ここに載せた価格は正規輸入されていた2006年発売の6代目のものです。すでに7代目の右ハンドル車も生産されていますが日本への導入はされないでしょう。並行輸入という手は残されますが、購入やアフターサービスの面でのハードルが一気に上がってしまいます。その上、6MT車は限定車としてしか用意されていませんでした。

V型8気筒・5,000ccという巨大なエンジンは、426馬力・53.9kgmという強大な力を発揮します。燃費は4.6Lモデルのカタログ表記でも18MPG (7.7km/L)とか気軽に言ってくれます。ちなみにロータリーエンジンのマツダ・RX-8は18～19MPG (7.7～8.1km/L)です。3.7LのフェアレディZは21MPG (8.9km/L)。パワーを考えるとやっぱりロータリーって燃費悪いのね。

フォードが撤退したことで、後輪駆動MTのアメ車はコルベット1台のみとなってしまいました。

ロータス・エリーゼ　572万円～

アメ車から打って変わって、イギリスの名門・ロータスの代表車「エリーゼ」です。エリーゼは世界的に見てもライトウエイトスポーツカーというジャンルでの代表車種と言えます。エリーゼには後輪駆動（リアミッドシップ）のMTしかありません。なんと素晴らしいことか！

エリーゼは走るために特化したスポーツカーなので、余分なものはそぎ落とされています。内装も500万円台の車とは思えないほど簡素です。

エンジン・トランスミッションはトヨタ製のものを使っているので（少なくともエンジン本体の）信頼性の面では安心です。エリーゼは2グレード構成で、ベースは1.6L自然吸気エンジン、上級グレードは1.8Lスーパーチャージャーを搭載しています。スーパーチャージャーの方は約100万円アップとなります。

特徴はとにかく軽いこと。スーパーチャージャー付きは220馬力もありながら車重はわずか950kg。衝突安全性能が厳しい現代においては驚異的です。

エリーゼは1999年の登場以来、いわゆるフルモデルチェンジを受けておらず、現行モデルはビッグマイナーチェンジを2度受けた「フェイズⅢ」と呼ばれるモデルです。フェイズⅢの登場は2010年なので、現在のデザインになって6年ですね。

純粋に後輪駆動MTスポーツカーの走りを楽しむならこれほど面白い車はありませんが、クッション性のないシートや高級感のない内装、荷物は載らず足も硬いとあって日常で使うにはかなり厳しいものがあります。日常用にBMW・M5（1,566万円～）あたりを持っているような人がセカンドカーに買うか、通勤に使わない人が道楽として買ってしまうかだと思います。現実的にはエリーゼを模倣した感のあるホンダ・S660になるんでしょうね。

BMW・2シリーズ　631万円～

BMWから3シリーズに続いて、2シリーズにも後輪駆動・MTがあります。

「BMW・2シリーズ」という名前には、クーペとミニバンの2つの車体形状が共存しています。一方は旧1シリーズクーペに与えられた新名称「2シリーズ」であり、もう一方は2列シートミニバン「2シリーズ アクティブツアラー」と3列シートミニバン「2シリーズ グランツアラー」です。クーペはFR、ミニバンはFFで構造上の関連性は無く、単に名前だけを共有している状態です。

このうちMTが用意されているのは、2シリーズクーペのトップグレード「M240i」です。BMWではノーマルモデルを「BMW M」がチューニングした車に「M3」や「M5」という名前を付けて別モデルとしていますが、M240iはM2ではなく通常の2シリーズに属します。んー分かりにくい！ そして「M2」にはMTがありません。

M240iは伝統の直列6気筒・3Lターボエンジンを搭載した「M240i」の単一グレードで、6MTまたは8ATが組み合わされます。パワーは340馬力、最大トルクはなんと51.0kgmもあります。

ポルシェ・ケイマン　619万円～ ／ ポルシェ・ボクスター　658万円～

ポルシェからはケイマン・ボクスターがここで登場します。ケイマンとボクスターはほぼ同一車種で、クーペが「ケイマン」、オープンボディが「ボクスター」です。ボクスターはケイマンとの差別化のためか、この価格帯にしては珍しく今でもソフトトップを採用しています。でも電動動作なので開閉は楽ちんです。価格はオープンボディのボクスターの方が若干高いです。

ケイマン/ボクスターはリアミッドシップにエンジンを搭載しています。今どき珍しい（というか他にはトゥインゴ/フォーフォーだけ）RRを採用する名車911とは構造が異なります。

走りはもちろんのこと、内外装の質感が非常に高い辺りはさすがのポルシェというところ。「スポーツカーを所有する」ということに対する高い満足感を与えてくれます。エリーゼのように（走りは素晴らしいけど）値段の割に作りがチャチなんてことはありません。

先代までは水平対向6気筒の2.7L/3.4L自然吸気エンジンを採用していましたが、ダウンサイジングの影響を受けて水平対向4気筒の2.0Lターボ/2.5Lターボエンジンになりました。NAポルシェのフィーリングが好きな人にとっては非常に残念ですね。

スペック

車種ごとのスペック一覧です。特徴的なものは強調してあります。

単にパワーやトルクなら大排気量のマスタングが圧倒していますね。販売終了してしまいましたが。

実用性で言えば、後輪駆動MTで唯一の4ドアセダン「3シリーズ」が抜きんでています。

まとめ

フォードが日本市場から撤退したことで、このクラスはすべて欧州車となりましたね。しかもイギリス車のエリーゼ以外は3台ともドイツ車。やはり日本ではドイツ車が強いですね。

次回は上限無しの800万円以上クラスです。もっとたくさんあると思ったのに、MTに限るとこんなにも選択肢少ないんですね。

他の価格帯はこちら → ～400万円 7車種  800万円～ 6車種  番外編 3車種

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