SKYACTIV-2から見えてくるロータリーエンジンの未来|次期RX-7はいつ登場するのか?

  2015/06/11   

new-RX-7

マツダが第2世代スカイアクティブ(SKYACTIV-2)を開発していることは[マツダ第2世代スカイアクティブの目玉「HCCI」とはどんな技術か?]で紹介しました。SKYACTIV-2での採用を目指して開発している「HCCI」という技術から、ロータリーエンジンの未来が見え隠れします。

HCCIに関する続報はこちら↓

SPONSORED LINK

HCCI燃焼という技術

マツダは第2世代スカイアクティブで「HCCI燃焼」という技術を採用すべく、技術開発を進めています。HCCI燃焼の詳細についてはこちら↓

かいつまんで説明すると、ガソリンエンジンで通常のプラグ点火ではなく、温度や空燃費、圧縮比をコントロールすることで自己着火させ、理想的な燃焼と超リーンバーンを実現しようという技術です。

HCCI燃焼がロータリーエンジンにどう関係するか

HCCI燃焼の特徴は「燃焼室のあらゆるところで爆発が起きる」ということです。まずは通常のプラグ点火での燃焼の様子を見てみましょう。

燃焼室の形状 ― レシプロエンジンの場合

着火が点火プラグによる1点着火であれば、燃焼室形状の理想は球状です。レシプロエンジンは点火プラグに対してピストンは片側にしか動かないので、半球状に近い円柱だといえます。

レシプロエンジンで点火プラグ側にぶつかるエネルギーを使おうと考えた構造として、「対向ピストンエンジン」というものがあります。これは一つのシリンダーに対して両側にピストンが動作するようになっていて、両側に広がるエネルギーを最大限利用しようとしたものです(参考:対向ピストン・対向シリンダの次世代エンジンEcomotors opoc、中国で製造へ)。そんな技術が出てくるほど、燃焼室での無駄なエネルギーを最大限活用したいわけですね。

燃焼室の形状 ― ロータリーエンジンの場合

ロータリーエンジンでは、燃焼室の形状はもっと悲惨です。爆発する瞬間の燃焼室は平べったい板のよう。これはレシプロエンジンでも近しいものがあるので問題ないかもしれません。

RE-explosion-2

 

燃焼が進むにつれてローターが移動していきますが、燃焼室は球とはほど遠い形状です。三日月柱、とでも言えばいいんでしょうか。細長く無駄なエネルギーが多く発生しますし、点火から燃焼の広がりも一様ではなく徐々に広がっていきます。

 

RE-explosion-1

この燃焼室の形状が燃料の不完全燃焼を招き、ロータリーエンジンの燃費の悪さの一因になっています。

SPONSORED LINK

HCCIで解消するロータリーのデメリット

RE-1

ロータリーエンジン最大のデメリットといえる燃費の問題。その主な原因は燃焼室形状に起因する不完全燃焼によるものです。ロータリーエンジンの構造上、燃焼室の形状は根本的には変えられません(比率を変えることは可能)。

そこで、そもそもプラグで着火せずに燃料自体が自己着火してくれるHCCIが登場するわけです。HCCIなら、燃焼室形状が細長くても、条件さえ揃えば自己着火して綺麗に燃焼してくれます。燃料がちゃんと爆発してエネルギーを発揮してくれれば、ローターがそのエネルギーをちゃんと受け止めてくれます。ロータリーエンジンがレシプロに比べて燃費が悪い最大の原因が解消されるので、燃費はかなり良くなることでしょう。

ロータリーエンジンは復活するのか

RX-7

1967年にマツダが初のロータリーエンジン搭載車「コスモスポーツ」を発売して、2017年で50周年になります。2012年にRX-8の販売を終了してからロータリーの灯は消えたままですが、この時期に合わせて復活させるのは十分あり得る話でしょう。

ただ、HCCI燃焼は世界中の自動車メーカーが研究していても未だ実用化されない夢の技術です。当のマツダでさえ実現するのは2018年になるだろうと言われています。現状の技術と、2007年に発表されたきりの新型ロータリーエンジン「16X」では、現在の環境規制やユーザーの要求を満たす車にするのは難しいでしょう。第一、2016年からSKYACTIV-2を投入していくのであれば、まずそちらに注力するのは企業として当然だと思います。

HCCI燃焼を引っさげてロータリーエンジンが復活。ロータリーエンジン好きとしては夢のあるストーリーですが、それが実現するにはまだまだたくさんのハードルと時間が必要なようですね。

一方で、ハイブリッドカーやEVのレンジエクステンダー(発電機)としてのロータリーエンジンは、動力源としてのロータリーエンジンより実用化の可能性が高いと思います。ロータリーエンジンにとって最も効率の良い条件(回転数)でのみ使えばいいので、より現実的な「復活」手段になりそうですね。

追記 ロータリーエンジンを搭載するとみられるコンセプトカーの出品が発表されました。

HCCIに関する続報はこちら↓

newcars レスポンシブ 本文下

 - 技術
 - , , , , , , ,