BMWのミニバンは日本で売れるのか?アルファードと比較して見えたミニバンの未来

  2015/06/01   

2-02 BMWが「2シリーズ グランツアラー」を発表しました。3列シート・7人乗りのこの車は、BMWにとってX5に続く2車種目の3列シート車です。

日本のミニバンに対抗すべく登場したグランツアラーは、果たして日本メーカーに勝てるのでしょうか?

メルセデスベンツもミニバンである新型Vクラスの日本への投入が発表しました。[BMWに続いてベンツも日本にミニバン「Vクラス」を投入!どっちが売れるか?]で比較しているのでそちらも是非ご覧ください。

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BMWが発表したミニバン

BMWは2シリーズとしてミニバンを発表しました。元々2シリーズは1シリーズからクーペモデルを分離して作ったシリーズです。ですが、2シリーズのうち「アクティブツアラー」は5人乗りMPV(FF)、「グランツアラー」は7人乗りMPV(FF)となっていて、FRである1シリーズと関連性は無くなっています。

今回のグランツアラーの発表内容を見てみましょう。

BMW『2シリーズ グランツアラー』は、先にデビューした『2シリーズ アクティブツアラー』の姉妹車として位置づけられ、最大の特徴は7人乗りであるということだ。

特に日本のミニバンからの流入を狙っており、「日本のミニバンのほとんどはボクシーで、ピープルムーバーというイメージに近いのに対し、グランツアラーはBMWらしい伸びやかなフォルムと躍動的なスタイリングを実現している」とスタイリングの優位性を語る。更に、「運動性能も高く、運転するお父さんも楽しめるのでは。また、奥様が乗っても、エステティック的にも良く見えるだろう。また、快適性や居住性も十分に考えられている」と述べる。足周りは、「アクティブツアラーが採用している“Mサスペンション”ではないので、しなやかな走りを実現している」。

清水氏は、「プレミアムセグメントでこのコンパクトなサイズは魅力だ。そして、スタイリッシュで、なおかつ走りも楽しいという、全部を欲張ったクルマというのがこのクルマだ。まずは全体のパッケージングをまず見てほしい」と仕上がりに自信を見せた。(【BMW 2シリーズ グランツアラー 発表】スタイル、運動性能で日本製ミニバンに対抗より抜粋)

日本のミニバンに対抗する気まんまんですね!

トヨタ・アルファードと比較してみよう

価格帯的には、トヨタ・アルファードや日産・エルグランドなどの高級ミニバンクラスです。スペックを見ていくと方向性の違いが明確ですね。

メーカー BMW トヨタ
モデル 218i グランツアラー
2-01
アルファード S
carlineup_alphard_grade_54_lb
デビュー 2015年 2015年
車両本体 358 万円 358 万円
全長 4,565 mm 4,935 mm
全幅 1,800 mm 1,850 mm
全高 1,645 mm 1,880 mm
ホイールベース 2,780 mm 3,000 mm
車両重量 1,570 kg 1,960 kg
サスペンション ストラット / マルチリンク ストラット / ダブルウィッシュボーン
定員 7人 7人
最小回転半径 5.7 m 5.8 m
エンジン 直列3気筒DOHCターボ1,498cc100kW (136馬力)
/ 4,400rpm220Nm (22.4kgm)
/ 1,250-4,300rpm
直列4気筒DOHC2,493cc134kW (182馬力)
/ 6,000rpm235Nm (24.0kgm)
/ 4,100rpm
燃料・燃費(JC08) ハイオク・16.5 km/L レギュラー・11.6 km/L
駆動方式 FF FF
トランスミッション 6AT CVT
ホイール 16インチアルミ 18インチアルミ
タイヤ 205/60R16 235/50R18
ヘッドライト LED LED

コンセプトの違い

根本的な違いとして、開発コンセプトが違います。「アルファード」が車内サイズが広く、車体も大きく重いのに対し、「2シリーズ グランツアラー」は7人乗りながら運動性能への影響を最小限に留めようとしています。

見た目も明らかに箱形のアルファードに対して、グランツアラーは比較的ハッチバック車に近い様相をしていますね。

2-01carlineup_alphard_grade_54_lb

3列目の扱いの差

アルファードは大型ミニバンなので、3列目もそこそこのサイズが確保されています。

carlineup_alphard_interior_seat_01_pc一方グランツアラーの3列目は簡易シートサイズですね。いざという時には使えますが、長距離とか常用には向きませんね。

2-noroof3列目は基本的に畳んでしまっておくもののようですね。

2-3rd-seat

2-3rd-seat-2

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燃料費を重視するならディーゼル

燃費を重視している人の多くが本当に重視しているのは、「燃費(=1Lあたりの走行距離)」ではなく「燃料費」です。つまり、どれだけ燃料を使うかではなく、燃料にどれだけお金がかかるかです。ハイブリッドは(渋滞の多い日本では)確かに燃費が良いですが、その分車体価格が上がります。この2車種の燃料的コストパフォーマンスを見てみましょう。

アルファード「燃費を重視するならハイブリッドを買え」

アルファードの燃費は決して良いとは言えません。2t近い巨体を動かすわけですから、実用燃費では10km/Lいけないでしょう。

アルファードにはハイブリッドの設定もあるため、燃費を重視するのであれば(100万円ほど価格が上がるものの)ハイブリッドを買いなさいということなのでしょう。11.6km/L が 18.4km/L になります。ただし、年間1万km程度の走行距離だと燃料費の差はせいぜい50万円程なので、単に価格のみを考えるならガソリン車の方が賢明です。

高速走行がメインの場合、低速が得意なハイブリッドではむしろ重量が嵩み燃費が悪化する可能性もあります。箱形の車体では空力も良くないので、燃費は覚悟しておいた方がいいですね。

グランツアラー「燃費を重視するならディーゼルを買え」

グランツアラーのガソリン仕様は最近の欧州車の例に漏れずダウンサイジングコンセプトに則った1.5Lターボエンジンです。2.5L自然吸気エンジンを積むアルファードに比べて、5km/Lもの差があります。

20万円価格差でディーゼルにすると、燃費(JC08)がガソリンの 16.5km/L から 21.3km/L になります。走りの違いを別にすれば、驚異のコストパフォーマンスです。車重の軽さもあって、グランツアラーのディーゼル仕様は、アルファードのハイブリッド仕様よりも低燃費です。

パワートレインごとの燃料費を見てみましょう。

車種 アルファード グランツアラー
パワートレイン レギュラー ハイブリッド ハイオク ディーゼル
車体価格差 +100万円 +20万円
年距離 10,000 km 10,000 km 10,000 km 10,000 km
燃費(JC08) 11.6 km/L 18.4 km/L 16.5 km/L 21.3 km/L
燃料価格 140円 140円 150円 115円
年間燃料費 12 万円 7 万円 9 万円 5 万円
年数 10年 10年 10年 10年
生涯燃料費 121 万円 76 万円 91 万円 54 万円
生涯燃料費差 -45 万円 -37 万円

アルファードでハイブリッド分の差額を埋めるには、年間23,000km以上必要です。大型ミニバンでこれほど乗る人はそう多くはいないでしょう。通勤で毎日乗る人であれば、燃費の良い小型車で通勤すべきですしね。

一方グランツアラーは年間6,000km以上でディーゼルの差額が埋められます。単に燃料費だけを見るのであれば、ディーゼルの方が良さそうですね。

日本でグランツアラーは売れるのか

最大のポイントは、アルファードなどの大型ミニバンが「後部座席のための車」なのに対して、グランツアラーは「運転手のための車」であることです。最近よく使われる言葉で言えば、グランツアラーは3列シート車の中では「ドライバーズカー」であると言えるでしょう。(ただ、グランツアラーは3気筒ターボなので試乗して振動や加速感が許容範囲かは検討しましょう。)

日本で売れに売れたミニバンですが、最近はやや下火になってきています。その理由は2つあるでしょう。

  • 3列目はめったに使わないことに気付いた
  • ミニバンといえども、走行性能と燃費を妥協できなくなってきた

これからの時代でも、「普段は核家族生活でも休日には祖父母を乗せて出かける」などの需要からミニバンはまだまだ売れるでしょう。ですがそのような使い方にフルサイズミニバンは必要ありません。「普段は5人乗りの快適な車がいいけど、たまには3列目が必要になる」という人で、アルファードクラスの車に乗りたい人にとって、グランツアラーは良い受け皿になると思います。

BMWに続いてベンツも日本にミニバン「Vクラス」を投入!どっちが売れるか? にも書いているように、箱形ミニバン全盛の時代から徐々にデザイン+走りの時代に変わっていくと思います。

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