新車の意外なデメリット&中古車にありがちな間違ったイメージ

     2016/10/19

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新車の意外なデメリットがあるんです。そしてそれはあなたの中古車のイメージを壊すかもしれません。

中古車ってどうよ?

中古車って何がいいんでしょう? どんなイメージですか?

中古車にありがちなイメージ
  • お金が無い人が買う
  • どこの誰か分からない他人が乗った車
  • すぐに故障しそう,故障したら結局お金がかかる

これらは合っていることもありますが、買い方次第で避けられます。

新車は買うクルマを選べない!?

中古車で最も重要なポイントは買うクルマそのものを自分で選べることです。

これはある意味新車にも無い重要なメリットです。どういうことか?

 

新車はどうやって買いますか?

  1. ディーラーに行く
  2. 展示車を見る、試乗する、カタログを見る
  3. 営業と相談しながらグレード・オプションを決める、見積もりをもらう
  4. (価格交渉をして)価格と内容に納得したらサインして注文する
  5. クルマが家に届く

この人は家に届くクルマを一度でも見たでしょうか? そのクルマそのものはもちろん見ていませんよね。新車は「このカタログに載っているこのクルマと同じものをください」という買い方です。つまり、新車は自分の手元に届くクルマを買う前に見ることすらできないということです。(輸入車のディーラー在庫を買うという手はありますが、それは別途書きます。)

一流の工業製品なんだからまったく同じものが来るじゃないか、と思いますか? 色やグレードやオプションの組み合わせは無数にありますし、クルマ自体も1台1台が完全にまったく同じ性能・質感・完成度であるとは限りません。

その点中古車なら実際にそのクルマそのものを確認することができます。どんな色でどんなオプションがついていて、どこに良いところ/問題があって高く/安くなっているのか。大抵の中古車屋は購入前提なら試乗もさせてくれるでしょう。そのクルマの状態を直に体感できます。(もちろん目利きは必要です。)

中古車の魅力は価格だけじゃない

中古車の最大のメリットはたぶん価格でしょう。ですが、「買うクルマそのものを選べる」というメリットを活かすことで中古車がとっても魅力的に見えてくるはずです。

余程の金持ちでない限り、同じモノを手に入れるなら安いことに越したことはないはずです。予算だってあるでしょう。そして趣味や嗜好,重視するポイントは人それぞれです。それを前提にこんな事例を考えてみましょう。予算や嗜好が異なる人はそれぞれ読み替えてください。

例:Aさんの欲しいクルマ
  • 2ドアのクルマに乗っていたけど、子供ができたことを機に4ドアのクルマに乗り替えたい。
  • 遠くの実家に帰省するので長距離が楽な方がいい。
  • 通勤には使わない。年5,000km程度。
  • 子供が車内を汚すのが心配。
  • 予算は総額200万円以内。

「200万円も出せば条件に合う新車が買えるじゃないか。中古車なら予算100万円とかだろう」と思う方も多いでしょう。ですが、ちゃんと比較してみると200万円であえて中古車を買う価値がちゃんとあるんです。

長距離を乗るならまず軽自動車は無いでしょう。それでもコンパクトカー(ヴィッツなど),ハッチバック(VWゴルフやマツダアクセラなど),中型セダン,ステーションワゴン,SUVなどなど、色々ありそうです。

総額200万円で新車を考えてみる

200万円の新車といえばどんなクルマが買えるでしょうか?

まずは諸経費を考えます。200万円で買えるクルマでは車両本体価格以外にザックリ約30万円の諸経費がかかります。とすると、車両本体+オプションで170万円のクルマを考えることになります。(新車値引きはとりあえず置いておきます。)

2015年現在、車体価格170万円以内で条件に合うの主なクルマを挙げてみましょう。

コンパクトカー
トヨタ・ヴィッツ 1.3F
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5人乗り
1329cc
CVT
145万円~
ホンダ・フィット 13G
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5人乗り
1317cc
CVT
130万円~
マツダ・デミオ 13C
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5人乗り
1298cc
AT
135万円~
ハッチバック
スバル・インプレッサスポーツ 1.6 i
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5人乗り
1599cc
CVT
159万円~
ステーションワゴン
トヨタ・カローラフィールダー
1.5 X ビジネスパッケージ
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5人乗り
1496cc
MT
161万円~
小型ミニバン
トヨタ・シエンタ 1.5 X
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7人乗り
1496cc
CVT
167万円~

軽自動車を除くと、総額200万円はコンパクトカーの価格帯です。ハッチバック,ステーションワゴン,ミニバンは、ここに挙げた車種以外は総額200万円を超えてしまいます。

コンパクトカー

子供が小さいうちは、リアシートを倒して車内でオムツ替えをしたり、トランクにベビーカーを載せたりと、車内には余裕が欲しいところ。コンパクトカーではベビーカーだけをトランクに積むのにすら工夫が必要でしょうし、車内空間にもあまり余裕があるとは言えません。セダンタイプを除外したのもそのためです。車内空間を我慢すれば新車のコンパクトカーに乗れるでしょう。

ここに挙げたコンパクトカー3車種はいずれも1.3Lモデルです。買い物や少し郊外を走るくらいならいいですが、高速道路や高規格国道を長時間(2時間以上)走るとなると、せめて1.5Lはないと結構疲れます。これは飛ばすかどうかではなく、上り坂で踏み足さないと流れに乗って走れないことがかなりのストレスになるためです。私も1.3Lのコンパクトカーで東名を4時間ほど走ったことがありますが、当時両親が乗っていた1.5L車とは随分違うなぁと思いました。

もし1.3L車を買うことがあれば、ディーラーの周りだけではなく、高規格国道か高速道路を試乗させてもらうといいと思います。こちらが買うつもりで話をしていれば、営業さんも快く応じてくれると思いますよ。

ハッチバック,ステーションワゴン,小型ミニバン

他の3車種はベースグレードでなんとか170万円以下になっています。ですが、カローラフィールダーは社用車向けのマニュアル車で、オートマチック車だと170万円をオーバーしてしまいます。

シエンタはせっかくのスライドドア車なのですが、170万円以下のベースグレードはパワースライドドアではありません。昔のバンのように手動です。むしろ力のいらない普通のドアの方が楽かもしれません。勢いよく閉めるときに子供が手を挟まないか若干心配ですし。7人乗りですが、車体は小さくトランク部がほぼ無いので、普段は3列シートが無い方がいいでしょう。3列目は折りたたみではなく取り外し式なので、特にマンションだとシートを持ってエレベーターに乗り部屋まで運ぶことを強いられます。置いておく場所も必要ですしね。

あとはインプレッサしか残っていませんね。ベースグレードなので装備や内装の質感は見劣りしますが、ATですし、シエンタのような不便なところはなさそうです。でも残された予算は9万円なので、ナビを付けることすらできないかもしれません……。

結論:何かを我慢する

今回の条件だと、200万円も用意したのに、新車を買おうとすると何かを我慢することになるようです。つまり、せっかくピカピカの新しいクルマを手に入れるのに初めから何か不満がある状態で乗り始めることになってしまうんです。

まとめ

ここまでで、状況が見えてきました。

  • 不満を承知で新車を買う。
  • 予算を増やす。
  • 中古車を視野に入れる。

中古車を想定すると、200万円でももっと世界が広がります。考えてみてください。本当に新車である必要はありますか?

  • 子供が乗るから車内はすぐに汚されてしまいそう。
  • 帰省を含め年5,000kmと少なめ。新車の良さを味わう時間はあまり多くない。
  • 「新車を買った」ということよりも、便利で快適なクルマであることのが重要かもしれない。

長くなってきたので、ここから先は別記事にします。重要なことは優先順位目利きです。

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