ラグビーW杯仕様のナンバープレート登場!これは悪意ありすぎるだろ
2019年にラグビーワールドカップが日本で開催されることを記念して、ラグビーワールドカップ仕様のナンバープレートが交付が始まりました。
それにしてもこの仕様には悪意を感じずにはいられません。
目次
ラグビーワールドカップの開催
「ラグビーワールドカップ」は4年ごとに開催されるラグビーの世界大会です。
その第9回大会となる2019年には、日本で開催されることが決まっています。日本だけでなく、アジア初開催となるラグビーワールドカップを盛り上げるべく企画されたのが今回のナンバープレートです。
図柄入りナンバープレート
今回交付が始まったナンバープレートの一つはこんなデザイン。
ロゴマークが大々的にナンバープレート内に描かれています。こんな風に図柄が入ったナンバープレートが交付されるのは史上初めてのことです。
このロゴマークを見ただけでは「ラグビーワールドカップ」だと分かりません(右上に小さく書かれているだけ)が、アレなんだろう?と興味を持ってもらうことが重要です。インターネットがあるこの時代なら、「ナンバープレート ロゴ」とかで検索すればすぐに答えが出てくるでしょう。それで「へ~ラグビーのワールドカップって日本でやるんだ」ってなれば十分な宣伝効果があります。
恥ずかしながら私はラグビーワールドカップの日本開催をこのニュースで知りました。こういうものがキッカケで熟知されることになるなら、無機質なナンバープレートも周知に役立つわけですね。いいじゃないですか。ナンバーの判読に支障のない範囲でなら、こういうことはどんどんやればいいと思いますし、おそらく実際に今後は増えていくことでしょう。
ツッコミたいのはそこではありません。
事業用と軽自動車のナンバー
今回のナンバープレートには2種類あって、交付料金とは別に「1,000円以上の寄付」をするかどうかで絵柄が異なります。寄付があれば[大型ロゴオーバーレイ+右上の小さなロゴ]、寄付なしなら[右上の小さなロゴ]となります。自家用の登録自動車(普通車)ならこんな感じ。
問題はここからです。
軽自動車も白色ナンバー
事業用登録自動車と、自家用軽自動車の場合はこんな風になります。
なんで元と色が変わってるんだよ! 「ロゴを入れて宣伝しよう」が目的じゃないのかよ!
事業用は緑枠があるだけマシですが、特に酷いのが軽自動車。登録車と判別不能です。ナンバーの数字にも明確に判別する方法がないので、ナンバープレートでは軽自動車なのか登録車なのか見分けられないということですね。
色が同じだとマズいこと
そもそもナンバープレートに色が付いているのは、車両の分類を明確にするためです。ナンバープレートを見て車両区分が分からないのは明らかにおかしいですよ。
現実問題、明らかに問題が出るところは高速道路でしょう。有人料金所では、ナンバープレートだけで軽自動車か判別できないのは困るでしょう。
「大きさで軽だと分かるだろ」と思っている人は視野が狭いです。軽自動車に大きなエンジンを積んで登録変更、みたいな珍しいパターンを除いたとしても、スマートKやセブン160のように、ぱっと見では軽なのか登録車なのか判断が難しい車も存在します。「今はほとんどETC」とは言っても、有料道路にはETC非対応のところもまだまだ存在します。
ナンバープレートの色に込められた悪意
軽自動車のナンバーが白くなるとなれば、「軽自動車っぽくなくていいね!」と思う人は多いでしょう。そしてすでに購入済みの車でも、交付料を払えば白いナンバープレートに変更できます。つまりすでに車に乗っている人からお金を集められるということです。
これが軽が普通に黄色ければ、ラグビーに興味がない多くの人は見向きもしないでしょう。
お金が取れる!
どこに悪意があるのかって? 交付にはお金がかかるということですよ。
図柄入りナンバープレートにかかる「寄付金」とは別に、どちらのナンバープレートでも「交付料金」がかかります。地方によって異なりますが、8,000円程度です。
そしておそらくほとんどの人は寄付金は払いません。軽に乗っているのに、ここで1,000円払う人がたくさんいるとは思えません。
なぜ図柄なしタイプがあるのか
単純にラグビーワールドカップを振興したいだけなら、1,000円以上の寄付金を必須にして図柄入りナンバープレートだけにすれば良かったんですよ。
なのにそうしなかったのは、軽に白いナンバーを付けたいだけの人に8,000円払わせるためですね。図柄なしのロゴのみのタイプならあまり目立たないので、2019年の大会が終わってからもそのままであまり恥ずかしくないでしょう。寄付金を払ってまで付けたいかと言われるとそうでもない人でも、「交付料だけで白にできますよ」と言われれば白ナンバーにしたがる人は多いと思います。
スズキ・ソリオとかトヨタ・ルーミー/タンクーみたいな軽をそのまま大きくしたような車が売れるのも、「安い方がいいけど軽自動車はイヤ」という客層がいるからですね。それでも仕方なく軽にした人にしてみれば、ほんの少しの負担(しかも一時的)でナンバープレートだけでも登録車と同じにできるなら喜んで飛びつくでしょう。
まとめ
軽自動車に乗る人のささやかな見栄を悪用してお金を集めようというのはなかなか酷い策だと思いますが、おそらくある程度普及することでしょう。もちろん多くが図柄なしタイプだと思います。
やり方は汚いなぁと思いますが、ともかくラグビーワールドカップの周知は進むでしょう。
もし今後もこういったナンバープレート(軽に白を付けられる)が継続的に投入されれば、「軽自動車は黄色」ということが有名無実化してしまうかもしれませんね……。