ジュリエッタオーナーによるアルファロメオMiTo試乗レビュー!インテリアは意外にも微妙
2017/02/08
我が家のジュリエッタのメンテナンスついでに、アルファロメオ・MiToを試乗してきました。「ベイビーアルファ」とも呼ばれるアルファロメオ最小のコンパクトハッチバックのデザインはどうなのでしょうか?
ディーラーでiPhoneを落として割ってしまったなんてことはありませんのでご心配なく。
※ 追記MiToの生産か終了が決まったという話がありましたが、誤報だったようでマイナーチェンジの発表もされました。
MiToの走りのレビューもご覧くださいね。
アルファロメオ・MiToってどんな車?
MiToは、イタリアの自動車メーカー・アルファロメオの3ドアコンパクトハッチバックです。Bセグメントに属し、アルファロメオのラインナップでは最小サイズです。ミラノでデザインされて(Milano)トリノで生産される(Torino)ことから「MiTo」と名付けられました。
現在MiToは中級グレードの「コンペティツィオーネ」のみになっており、最低価格は324万円です。ジュリエッタの最廉価グレード「スプリント」が318万円~なので格上のジュリエッタよりもスタート価格が高くなっています。MiToの「コンペティツィオーネ」はレザーシート標準装備な一方、ジュリエッタにレザーシートを付けるには360万円~の「スポルティーバ」に15万円程度のオプション費用がかかるので装備を含めれば妥当な価格設定なのでしょうね。
ただ、装備が充実しているとは言ってもMiToはBセグメントです。3ドアのBセグメントだと、アウディ・A1が1.0Lターボで249万円~、1.4Lターボ+気筒休止で329万円~で用意されているので、さすがにスタート価格が高すぎるなぁという印象です(参考:アウディ・A1試乗レビュー)。実用車ならフォルクスワーゲン・ポロが229万円~です(フォルクスワーゲン・ポロ試乗記)。
もっとも、アルファロメオを買う人は指名買いでしょうから問題ないのかもしれませんが。流麗なイタリアンデザインと「細かいことは気にすんな!」とばかりのぶっ飛んだ走りが魅力です。
エクステリア
イタリアらしい細部にまでこだわった情熱的なデザインです。随所に先立って限定発売されたスーパーカー「8Cコンペティツィオーネ」とよく似たデザインが見られます。
特に2灯式円形LEDテールランプはそっくりです。
MiToは8Cのデザイン言語の中で作られたコンパクトハッチバックというわけですね。
MiToがあくまで8Cのコンパクト版でデザインされているのに対し、ジュリエッタは別のデザインとして完成されているので、見比べると結構違います。とはいえぱっと見はよく似ていますね。現行唯一のグレード「コンペティツィオーネ」はヘッドライトがダークグレー仕上げになっています。
ルーフラインは(実測では高いもの)低く見えるようにデザインされており、それでいてリアに力強さのある美しくも色っぽいデザインだと思います。
でもルーフラインの割り切りというかクーペっぽさではアウディ・A1の方が思い切っていますね。リアがMiTo以上に狭くなりますが。
アウディは流麗というよりマジメでしっかりした印象のデザインですね。いかにもドイツらしい。
インテリア
日本車やドイツ車に比べたらおしゃれさがありますが、質感やデザイン完成度はジュリエッタ程ではありませんでした。普段ジュリエッタのインテリアに見慣れているので差を感じてしまいます。エアコンルーバーはプラスチック感が強いですし、全体の色合いも統一されていません。
エアコン
内装でジュリエッタとの差を最も感じたのはエアコン操作パネルです。
MiToは全体にごちゃごちゃした印象。ディスプレイはそんなに悪くありませんが、ボタン類はプラスチックそうろうで濃いグレー。配置もよくあるデザインです。温度調整ダイアルはかなり小さい上にクリック感が小さく、操作フィールはあまりよくありませんでした。
一方ジュリエッタは3連ダイアルです。温度・風量表示はダイアル内部やパネル側などそれぞれ然るべき場所にあります。ダイアルの表面はつやのある黒、周囲は落ち着いたシルバーと手間とお金がかかったデザインになっていますね。ダイアルの操作フィールも絶妙に丁度いい固さです。
この3連デザインは魂動デザイン採用車にも使われています。ジュリエッタの発表は2010年3月、最初の魂動デザイン採用車「CX-5」の発表は2011年9月なので、パクったのかは微妙ですね。3連であること以外の配置はかなり異なります。
メーター
メーターはジュリエッタとほとんど同じだと思っていましたが、実際に見ると結構違いました。
配置はMiToとジュリエッタで同一です。左右にタコメーターとスピードメーターを置き、中央上部に燃料系と水温計、中央下部にインフォメーションディスプレイです。
ですが、細部の作り込みは明らかにジュリエッタの方が上質でした。ジュリエッタはタコメーターとスピードメーターが独立したデザイン、各メーターの針が中央を突き抜けているなど質を高めているのに対して、MiToは細部に少し安っぽさを感じてしまいます。決して悪いデザインではないんですが、ジュリエッタに見慣れているせいかMiToのメーターパーツはプラスチック感が強いように思えました。針の塗装の質なんかはかなり差があります。
一方でMiToの方がスポーティにも見えました。スポーティなMiToと高級感のジュリエッタということなのでしょう。
インフォメーションディスプレイの表示品質にも差がありました。MiToが147(ジュリエッタの前のCセグメントハッチバック)と似たような濃いめの赤でドット感が強かったのに対し、ジュリエッタはややオレンジに近く鮮明な表示になっています。いや、これは印象の問題で実際は同じかもしれません。
まとめ
どうしても格上のジュリエッタに見慣れているせいで、MiToの内装は所々チープさを感じてしまいました。高級感よりもスポーティさを優先した造りは走りとも一致しているので、そういう意味では良くできたデザインなのでしょう。
ジュリエッタとMiToを並べるのもおもしろいかなぁと思ったんですが、同系統で上下関係にある車だとどうしても品質に差を感じてしまうのであまり良く無さそうですね……。
MiToの走りのレビューもご覧くださいね。