実用化されている完全自動運転!どこで使われているの?

   

Googleが自動運転車を公道で走行させていたり、テスラの運転支援機能を過信して死亡事故が起きたりと、世界を賑わせている自動運転。

まだ一般市民が使えるような自動運転車は登場していませんが、すでに実用化されている自動運転をご紹介しましょう。

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自動運転レベル

実用化例の紹介の前に、自動運転技術の紹介でよく登場する自動運転レベルを解説しておきましょう。日本国内では、アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)が定義した基準がよく使われます。

自動化レベル アクセル
ハンドル
ブレーキ
ドライバーの監視/操作 実用化例
レベル0 すべて人間 必要 衝突警報
レベル1 どれか1つを自動操作 必要 自動ブレーキ
レベル2 複数を自動操作 必要 レーンキープアシスト+ACC
レベル3 すべて自動 緊急時のみ なし
レベル4 すべて自動 不要 なし

※ ACC:アダプティブクルーズコントロール。先行車に追従して加減速する機能。

レベル3以上の実用化はまだ

2017年4月現在、実用化されているのはレベル2までです。テスラの運転支援機能も、日産セレナのプロパイロットも、レベル2です。

レベル3が実現すればドライバーは完全に運転から解放されて、「前を見ていつでも運転できる状態」でいる必要はなくなります。

さらにレベル4になれば緊急時の対応すらも不要になるので、子供や障害者、酔っ払いなどそもそも運転できない人であっても車を動かすことができるようになります。そしてそもそも人間が不要なので、無人走行もできるようになります。無人タクシーや無人バス、無人トラックなどが実用化されることでしょう。

実用化された「レベル4」

まだ実用化されていないはずの「レベル4」ですが、すでに実際に使われているものがあります。それは公道以外の場所です。

公道では様々な法規制、信号、標識、自動運転でない車、歩行者、工事中などなど難しい問題がたくさんありますが、自動運転用に完全に管理された環境であれば問題にはなりません。私有地内なら道路交通法などに縛られることもありませんし、必要なら自動運転用のマーカーを引くことすらできます。

露天掘り

実用化されているのはこんな所。

なんかこう吸いこまれるような漠然とした恐怖を感じますね。石炭や鉄鉱石、石灰石などを掘削する露天掘りです。露天掘りにもいくつか方法がありますが、自動運転が使われるのはシャベルで掘ってダンプカーで運び出す方法の場合です。

パワーショベル(小松製作所の製品名)で掘った土をダンプカーで次々と運び出さないといけません。ダンプカーはひたすらシャベルカーと土を流し落とす先との間を往復します。こういう場所で使われるダンプカーは公道を走る必要がないので、サイズも巨大です。

こういった環境で自動運転が実用化されているわけです。

自動運転の巨大ダンプカー

すでに自動運転が実用化されているようですが、ここでは小松製作所が開発している無人運転専用のダンプカーを紹介します。

これはCGなのでサイズ感がよく分かりませんが、製作されたプロトタイプはタイヤの直径だけで4m程あります。

特徴的なのは運転席が無いことです。乗用車の自動運転は人を運ぶのが目的なので当然座席がありますが、ダンプカーは土を運ぶのが目的なので、運転が自動なら人間が乗れる必要が無いわけですね。完全に無人運転専用です。

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自動運転にするメリット

乗用車の自動運転と言えばこんな感じ。

  • 運転手の負担軽減。移動中に食事や仕事ができる。
  • 交通事故のリスク低減。
  • 渋滞の軽減。

でもダンプカーの自動運転は目的やメリットがやや異なります。

人件費の削減

ダンプカーを人間が運転するのであれば、鉱山開発会社はその分の人件費を払う必要があります。24時間操業の鉱山であれば1台のダンプカーを3~4人の運転手が動かすことになるので、人数分の給料を払わなければいけません。人間には休憩も必要なのでその間はダンプカーを止めないといけません。

自動運転であれば人件費は不要ですし、休憩も必要ありません。ダンプカーを止めるのは燃料補給かメンテナンスのときくらいにできます。

自動運転車の開発には高いコストがかかるので車両価格やメンテナンス費用は高額になるでしょう。でも例えば1台のダンプを24時間運転で10年使うとすれば、概算で10年×3人=運転手の年収30年分の人件費が節約できるわけですね。運転手の人件費を200万円/年としても1台で6,000万円の人件費を削れるというわけです。これはでかい!

大きな鉱山であれば数十台のダンプカーが常時稼動している(シャベルカーで掘った土を次々運び出すには、シャベルカーより多くのダンプカーが必要)こともありますから、数百人規模の人件費削減、金額にして年間数億円も減らせるわけです。

たくさん積める

運転席が無いダンプカーなら、車体のすべてを土を運ぶためだけに使えます。同じボディサイズであればより多くの土が積めるということです。それに積載物の有無に関われず前後の重量配分を均等にできるので、走行時のバランスや走破性にも優れます。

切り返しが不要

前後に走行用のレーダーやカメラを仕込んでおけば、その車には前も後ろもありません。四輪駆動(4WD)+四輪操舵(4WS)にすれば走行能力も前後同等です。

鉱山のダンプカーの仕事は「積み込み場所」と「荷下ろし場所」の往復です。「前後」という概念が無ければ、各地点で向きを変えることなくそのまま引き返せます。

走ってきて土を下ろしたら、来た道をそのまま戻れるわけですね。積み込み場所でも荷下ろし場所でも切り返しのスペースが不要になります。

まとめ

こういう特殊な環境であれば公道よりも実現しやすいということもありますが、特殊環境ならではの大きなメリットがあるということですね。

自動運転車が高額だったとしても、人件費を払うよりも安ければ急激に普及することでしょう。普及するほどにコストは抑えられますから、こういった場所では今後一気に無人運転車が増えていくでしょうね。

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