マツダCX-4発表!中国生産のクーペ風SUVは日本に入ってくるのか

   

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北京モーターショーで、マツダが新型SUV「CX-4」を発表しました。

コンセプトカーのマツダ・越(KOERU)のデザインを受け継いだ、クーペ風SUVとして登場しました。

美しいんですが、CX-5とCX-3に挟まれてやや立ち位置不明瞭な感じがします。日本への導入はしばらく厳しいかな?

マツダ・CX-4の立ち位置は?

マツダ・CX-4は、スカイアクティブ全面採用したラインナップの中で4車種目のSUVです。スカイアクティブは現在8車種なので、半分がSUVという状況です。いくらSUVが人気だからって半分は多すぎやしないかい?

世界中でSUVが大人気な今、日本より世界市場を重視するマツダがSUVを投入するのは当然の流れ。今回発表されたCX-4は、すでに日本でも販売されているCX-3とCX-5の間を埋める存在になるようです。

……でもCX-3とCX-5ってそんなにすき間あいてるのだろうか? しかも「4」なのに「5」より全長長かったり……。

マツダ・CX-4のデザイン

CX-4-2-cut

CX-4は例に漏れずマツダの魂動デザインを採用しています。(鼓動じゃなくタマシイの「魂」動です)

CX-5よりCX-3似?

書いていて自分でも分からなくなってしまいますが、今のマツダ車は(ロードスター以外)どれもソックリです。でも実車をじっくり見比べると、車格に合わせて微妙にディテールを変えているのがにくいところ。

CX-4は、CX-3が一番近いようですが、車体が大きくなった分

CX-3

↑CX-3(4275 x 1765 x 1550)

CX-4

↑CX-4(4633 x 1840 x 1530)

CX-5

↑CX-5(4540 x 1840 x 1705)

アクセラ

↑アクセラ(4580 x 1795 x 1455)

4,460

 

CX-4のスペック

CX-4のスペックも併せて公開されています。

マツダ・CX-4
全長 4,633 mm
全幅 1,840 mm
全高 1,535 mm 1,530 mm 1,535 mm
ホイールベース 2,700 mm
最低地上高 197 mm 196 mm 194 mm
駆動方式 FF i-ACTIV-AWD
エンジン 2.0L ガソリン 2.5L ガソリン
トランスミッション 6MT 6AT
サスペン小 ストラット / マルチリンク
タイヤ 225/65R17 225/55R19

全長はCX-5以上、アテンザ未満

全長はCX-3とCX-5の中間かと思いきや、CX-5よりも長くなっています。序列ひっくり返ってますね!

現在のマツダラインナップでは、3列シートの大型SUV・CX-9を筆頭に、セダンとSUVが交互に並んでいることが分かると思います。CX-4がアクセラベース、CX-3がデミオベースと思ってみると、なるほど、という配置です。むしろCX-5が不要にすら思えてきます。

length

CX-4は全長こそ長いですが、全高は低くなっています。比べてみましょう。

CX-3
CX-3-s
CX-4
CX-4-1-cut
CX-5
CX-5-s
アクセラスポーツ
axela-sport-s
全長 4,275 mm 4,633 mm 4,540 mm 4,460 mm
全幅 1,765 mm 1,840 mm 1,840 mm 1,795 mm
全高 1,550 mm 1,530 mm 1,705 mm 1,470 mm
ホイールベース 2,570 mm 2,700 mm 2,700 mm 2,700 mm

まずはホイールベース。CX-4、CX-5、アクセラは全く同じホイールベースです。それもそのはず、同じプラットフォームで設計された車です。一方CX-3は現行デミオと同じ2,570mmです。右3車種はベースが同じなわけですね。

全長で見ると最大はCX-4。でも全高はCX-5が 16cm も高くなっています。実際に見たときの印象は10cmの全長差よりも15cmの全高差の方が効いてくるので、「CX-4はスポーティ、CX-5は大柄」に感じることでしょう。

CX-4が狙っているのはまさにそこです。スポーティSUV。コンセプトカー「越(KOERU)」で示していたのはどうやら「スポーティなCX-5」だったようですね。

立体駐車場にも駐車可能?

ちなみに全高は1,530と、CX-3よりもさらに低くなっています。日本では機械式立体駐車場に入れる1,550mmに納まるかが一つ重要なポイント。CX-4は立駐にも対応するようにも見えますが、ちょっと待ってください。

全幅1,840mmもあったら大抵の機械式立体駐車場には入れないでしょう! だいたい1,800mm以内という制限が多いんです。そして全幅制限が1,800mmより広い駐車場だと、ミニバン用に1,550mm超えのスペースが別途用意されていたりもするものです。

全高1,550mmに抑えたのは日本的には評価すべきポイントかもしれませんが、単に立体駐車場に入れるかという点だけで見ると、その恩恵にあずかれる人は結構少ないように思えます。

エンジン

ガソリンエンジンとしては予想されるとおり、2Lと2.5Lというラインナップでした。アクセラが1.5/2.0L、CX-5が2.2/2.5Lという並びなので、間を取った感じですかね。

意外だったのはディーゼル仕様が発表されなかったことです。発表が中国のモーターショーかつ、中国での販売が先行するとしても(中国ではあまりディーゼルが普及していません)、世界市場に向けて他の仕様も発表することが多いんですが、今回はガソリンのみで発表してきましたね。

でもディーゼル仕様を出さないとは思えないのでいずれ発表されることでしょう。今回の発表には燃費情報も含まれていたので、単に燃費を発表できない(燃費の基準は国ごとに様々です)から発表を控えただけかもしれません。今回発表されたのは実際に発売する仕様のようですからね。

日本での発売はされるのか?

国内でもSUVは人気あるジャンルになってきていますから、CX-4も日本での発売が期待されるところです。しかし、残念ながら日本での発売はまだ厳しいでしょう。少なくともしばらくの間は。

日本にはCX-4は求められていない!?

日本で販売するからにはそれなりに販売が見込めなければいけませんが、CX-4の内容を見るに日本では大きく販売を伸ばすとはあまり思えません。確かにCX-5はたくさん売れましたが、あれは車格と性能に対して価格が安かったことが大きいでしょう。でも仮にCX-4が似たような価格で登場したとしてもCX-5を買う顧客はCX-4にはいかないでしょう。

CX-5の車内は広々としていますが、それでいてミニバンのような所帯持ちのダサさが無かった。そしてセダンのようにオジサン臭くない。CX-4は確かにスタイリッシュでカッコいいんですが、これだけ車高を絞るとCX-5ほどの広々さは無くなってしまいます。全幅そのままに全長が伸びたので取り回しはさらに悪化。

さらに言えば、CX-3が安くない。デミオベースでSUV風に仕立てたのは面白いんですが、デミオがディーゼルでも178万円~なのにCX-3は237万円出さないと買えません。

一番の問題は別のところ

一番の問題点は別にあります。それは中国生産だということです。マツダは異車種混合生産なので「生産ライン」ではありませんが、マツダの規模で同一車種を日本でも作るとは思えません。中国から他の国に出荷することは十分考えられますが、日本に中国から入れてくるとはあまり思えませんね。企業戦略としてはアリなんですが、日本車でも中国で生産されるなら買いたくないという人は結構多いと思います。

CX-3は車体が小さいので日本でも売れていく余地は十分あったのでしょうが(2015年度はデミオの半分近く売れた)、CX-4のサイズでは結構厳しいと思います。

まとめ

私の予想に反して8車種目はプレマシー(Mazda 5)ではなくSUVのCX-4でしたね。これが元々のプラン通りなのか、世界のSUV人気を見てのものなのかは分かりませんが、日本以外でほとんど売れないミニバンをモデルチェンジするよりは遥かに賢い戦略だと私は思いますね。

日本への導入はしばらく無さそうですが、中国以外へは早々に投入されることでしょう。市場がどんな評価を出すのか楽しみですね。

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