C-HRハイブリッドのライバルはマツダCX-3!どっちが買いか比較!
2017/03/09
トヨタ渾身の新型小型SUV「C-HR」と、マツダの小型SUV「CX-3」を比較してみましょう。
まさかの結末に絶句!
C-HRの実車レビューはこちら↓
「C-HRハイブリッド」のライバルは CX-3
C-HRのハイブリッド仕様の直接のライバルとなるのは、マツダ・CX-3でしょう。燃料費の安さ、高トルク重視のスペック、価格帯がかなり似ています。パワートレインは全然違うんですけどね。
ハイブリッド vs. ディーゼル
CX-3はヴェゼルやジュークに比べて車両本体価格がやや高いですが、クリーンディーゼルエンジンを搭載しています。ディーゼルエンジンは低回転域からもりもりトルクがあるので加速力に優れますし、燃料費がハイブリッド車並みに抑えられます。実際に計算してみるとC-HRハイブリッドとの燃料費の差は年間わずか2,000円です。
ディーゼルは騒音や振動がガソリンエンジンより大きいのが欠点ですが、マツダのディーゼルは世界的にも随一の完成度を誇ります。BMWより確実に高品質、ボルボすらも上回るレベルです。
トヨタ式ハイブリッドの完成度の高さは誰もが認めるところ。つまり世界一のハイブリッドシステム vs. 世界一のクリーンディーゼルという構図ですね。面白い。
走りの差・騒音の差
トヨタのハイブリッドはモーターの長所を活用して低回転域でも高トルクですが、トルク感や運転のしやすさといった走行フィーリングはマツダのディーゼルにはわずかに劣ります。後述するようにC-HRは車体がかなり重いので、加速や回頭性といった運動性能はCX-3が上回ります。CX-3と同型式エンジンを搭載するアクセラの試乗記はこちら↓
一方静粛性についてはハイブリッドが確実に上回ります。何せ発進時などはエンジンが停止しますからね。マツダのディーゼルが優秀だとはいえ、ディーゼル特有のガラガラ音が気になる人もいるでしょう。走行フィーリングを重視してCX-3を選ぶか、静粛性を重視してC-HRハイブリッドを選ぶかになりますね。
スタート価格はC-HRハイブリッドの方が27万円も高いです。トヨタ式ハイブリッドにコストが掛かることは分かりますが、ハッキリ言って高すぎです。どうせみんなほぼBセグメントクラスのSUVなんだから、C-HRはアクアと同じ1.5Lハイブリッドで良かったんじゃないでしょうかね。まぁプラットフォームが違ってくるのでそうもいかないわけですけど。C-HRをプリウスベースにした時点で価格はCセグメントクラス。BセグベースのSUVとは価格的に戦えないんですよ。
内装の差
下の記事で詳しく解説していますが、C-HRは内装が微妙です。上位グレードの茶色いのよりはマシですが、下位グレードは「あぁ、トヨタ車らしいなぁ……」と思わせる真っ黒な内装です。どこにでもありそうな感じがします。
一方CX-3はグレードを上げると上質かつオシャレなホワイトレザー内装が選べます。白なので汚れは目立つでしょうが、トヨタ車のような陳腐さはありません。ただ、281万円~と高いです。ベースグレードの内装は(C-HRほどではないにせよ)ほぼ真っ黒。デザインは好み次第という感じです。
CX-3には他にも黒+赤の内装もあるので、選ぶ楽しみはありますね。黒+赤の「XDプロアクティブ」なら259万円~なので、C-HRハイブリッドとほぼ同額になります。
スペック比較
車種 グレード |
トヨタ・C-HR (ハイブリッド仕様車) |
マツダ・CX-3 |
---|---|---|
グレード | S | XD |
全長 | 4,360 mm | 4,275 mm |
全幅 | 1,795 mm | 1,765 mm |
全高 | 1,550 mm | |
ホイールベース | 2,640 mm | 2,570 mm |
車重 | 1,440 kg | 1,270 kg |
駆動方式 | FF | FF/4WD |
トランスミッション | CVT | 6AT/6MT |
エンジン形式 | 直列4気筒 | |
排気量 | 1.8L ガソリン+モーター | 1.5L ディーゼル |
最高出力 | 98ps / 5,200rpm | 105ps / 4,000rpm |
最大トルク | 14.5kgm / 3,600rpm | 27.5kgm / 1,600-2,500rpm |
フロントサス | ストラット | |
リアサス | ダブルウィッシュボーン | トーションビーム |
燃費 | 30.2 km/L (3.3 L/100km) |
23.0 km/L (4.3 L/100km) |
年間燃料費 | 約 4.0 万円 | 約 4.2 万円 |
価格 | 265 万円~ | 238 万円~ |
※ 年間走行距離は10,000km。生涯燃料費の計算機で計算。
サイズはC-HRがやや大きいです。他の小型SUVと比べてもC-HRはやや大きめです。全高はどちらも1,550mmなので、機械式駐車場にもギリギリ駐車できます。
車重はモーターやバッテリーを搭載しているC-HRの方が170kgも重いです。大人2.5人分ですからね。運動性能にはかなり差がつきます。
CX-3はFFと4WDが選べますが、C-HRは[ハイブリッド+FF]か[ダウンサイジングターボ+4WD]のどちらかになります。プリウスに用意されている、モーターによる4WD(E-Four)も選べません。
さらにCX-3ならMTも選べます。マツダは積極的にMTをラインナップしていて、小型SUVでMTを選択できるのは現状CX-3のみとなっています。MTに乗りたいならCX-3で決定です。
どっちが買い?
価格を含めて比べればCX-3に軍配です。いくらハイブリッドの出来が良くても、このクラスの車に265万円は高すぎます。それにCX-3のディーゼルは完成度が非常に高く、ハイブリッド並みの燃費もさることながら、かなり楽しく走れます。小型SUVを選ぶ人なら走りも重要でしょうから、プリウスの退屈かつ楽しみにくい走りは合わないでしょう。退屈だからさらに燃費が上がるんですけどね。
でもそもそもどっちも買いではないと思います。単に小型SUVが欲しいだけなら、C-HRもCX-3も高すぎます。サイズ的には1.5L自然吸気エンジンでも問題無く走れるので、サイズ感で選ぶならジュークやヴェゼルにするべきです。
一方、走りでCX-3が気になるならアクセラをお勧めします。同じエンジンを搭載しながら230万円~とCX-3よりやや安いですし、BセグのデミオベースのCX-3に比べてアクセラはCセグメント。車内が広くなるのはもちろん、ボディ設計に余裕がありますし、足回りもグレードアップ(リアがトーションビームからマルチリンクになる)します。車重こそ重くなる(+90kg)ものの、CX-3の方が勝る部分はほとんどありません。
さらに言えば、サイズを大きくしたくなければデミオだって候補に上げられます。内外装デザインはほぼ同じ、エンジンも同じでサイズ感も近いです。デミオになると車重が100kg以上軽くなって運動性能が上がる上に、価格は50万円以上安いです。デミオの圧倒的商品力! マツダ内だけで見てもCX-3を買う理由ってほとんど見当たらないんですよね……。
まとめ
世界一のハイブリッドシステム vs. 世界一のクリーンディーゼルという面白い構図だったのに、どちらも買いではないという残念な結果になってしまいました。CX-3を出したところで、同じマツダからアクセラとデミオという魅力的な車が顔を出してきてCX-3を選べません。
C-HRハイブリッドは同等クラスでの価格競争力が低すぎるんですよね。ハイブリッド積んでればいいって問題じゃないと思います。この価格だと1クラス上のインプレッサXVとかCX-5辺りとも戦わなきゃいけなくなる。トヨタなのでまぁ売れるんでしょうけど、よくこんな価格で売ろうと思ったもんです。
せっかくCセグメントのプリウスベースなんだから、もうちょいサイズを上げてCX-5と戦えば良かったんですよ。そうすると若者はもっと買わなくなりますけどね。若者を諦めて中型SUVに仕立てるか、ヴィッツ系プラットフォームで1.5Lガソリン/1.5Lハイブリッドの190万円台にするかのどちらかにすれば良かったんですよ。サイズは小型なのにパワートレインが中型クラスだから競争力がない。小さいなら運動性能に期待したいのに、ハイブリッドもターボも異様に重い。これではどっちつかずの中途半端車ですね。
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