今さら聞けない!マツダのスカイアクティブとは一体なに?

  2015/06/12   

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CMで宣伝されたり、新聞広告で見かけるマツダの「SKYACTIV(スカイアクティブ)」。なんかスゴソーだけど、一体なんだろう?

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SKYACTIVという技術

「SKYACTIV TECHNOLOGY」とは、ざっくり言えば「理想を追究するために、車の部品をまるっと新規開発した技術の総称」です。 ちゃんと言えば、「自動車全体の包括的な技術群の総称」です。ちなみに「SKYACTIV」であって「SKYACTIVE」ではありません。商標の関係だと思います。(Blu-rayがBlue-rayじゃないのも商標の関係で一般名詞を避けた)

今までの開発手法の問題点

一般的な自動車開発では、エンジン,トランスミッション,プラットフォームなどの技術が異なる時期に別々に開発されて、その時期で最適(≒最新)の技術を採用していくという方法を取っています。順々に新しい技術を採用できるため効率的なように思いますが、これではできないこともあります。クルマとしての全体最適を考えると、理想的な構成を取りたくても今ある技術の組み合わせや一部分の改良では理想とならないという問題がありました。

例えば、新シャシーに既存のトランスミッションを載せる場合、シャシーの形状をトランスミッションに合わせて湾曲させなければならないといったことが起きます。トランスミッションとシャシーの同時開発であれば、トランスミッションの外形を変更することで理想的なシャシー形状にして剛性と軽量化を実現する、といったことが可能になりました。 マツダのSKYACTIVでは、要素技術を一気に開発することで、車両全体での理想を追究できるようにしています。

スカイアクティブ要素技術

現在すでに搭載されている技術は、以下の4要素・6技術です。

 エンジン SKYACTIV-G (ガソリン) SKYACTIV-G
SKYACTIV-D (ディーゼル) SKYACTIV-D
トランスミッション  SKYACTIV-DRIVE (オートマチック) SKYACTIV-DRIVE
SKYACTIV-MT (マニュアル) SKYACTIV-MT
 ボディ SKYACTIV-BODY SKYACTIV-BODY
 シャシー SKYACTIV-CHASSIS SKYACTIV-CHASSIS

いずれも目玉となるような新技術はありませんが、現在の技術でできることを極限まで追究した出来になっています。例を挙げると、

  • SKYACTIV-G:量産ガソリンエンジンで世界一の高圧縮比14.0。より高トルクで低燃費に。
  • SKYACTIV-DRIVE:高効率となるロックアップ領域を従来の49%から82%に大幅改善。
  • SKYACTIV-BODY:30%の剛性向上と8%の軽量化。

といった、世界最高レベルのユニットに仕上がりました。基本は既存の技術でも、すべてを最高レベルまで昇華させれば実用燃費でハイブリッドカー並みの低燃費を実現できることを証明しました。

搭載車未発売のため表には載せませんでしたが、ロータリーエンジンは「SKYACTIV-R」という名前になることが発表されています。ロータリーエンジン搭載を想定した「RX-VISION」というコンセプトカーも発表されています。

周辺技術

要素技術以外では、Gベクタリングコントロールという新技術も搭載されています。センサー+電子制御によって、人間が感知できないほどの速度・精度で荷重変化を起こすことで、走りを安定させたり回頭性を上げたりしています。

搭載車種

マツダはスカイアクティブ技術を全面採用した車を2015年までに8車種投入するとしていました。2016年のCX-4の発表によって8車種全てが出揃いました。(写真は 魂動デザイン の章に掲載しています)

種類 日本名 海外名 海外展開
SKYACTIV全面採用(採用順)
大型SUV CX-9 日本以外
中型SUV CX-5 世界
中型セダン
ステーションワゴン
アテンザ Mazda 6 世界
小型セダン
ハッチバック
アクセラ Mazda 3 世界
コンパクトカー デミオ Mazda 2 世界
小型SUV CX-3 世界
オープンスポーツ ロードスター MX-5 世界
小型SUV CX-4 中国
SKYACTIV部分採用
大型SUV CX-7 中国専売
生産終了
大型ミニバン MPV Mazda 8 北米以外
プレミアムコンパクト ベリーサ 日本専売
中型ミニバン プレマシー Mazda 5 世界
中型ミニバン ビアンテ Biante 日本+アジア一部
ピックアップトラック BT-50 北米,オーストラリアなど

「部分採用」とは、エンジンやトランスミッションなどの一部のみSKYACTIVを採用した車種のことです。既存車種のマイナーチェンジ時にSKYACTIVのユニットに変更しています。

プレマシーは残るのではと見込んでいましたが、クーペ風SUVのCX-4が発表されたことで「8車種枠」から外れましたね。プレマシーはビアンテと共にフルモデルチェンジを受けることなく生産終了となりました。マツダからミニバンが無くなりましたね。CX-7の生産終了の情報はまだ得られていませんが、生産能力集中のために生産終了となることでしょう。

マツダは主にヨーロッパでの販売に力を入れていたメーカーで、ヨーロッパの自動車メーカーと似た考え方やブランド戦略で車作りをしてきました。現在のマツダは、日本での評価に比べてヨーロッパでの方が高く評価されています。ほぼ日本でしか売れないミニバンや軽を廃止して(軽の生産からは1998年に撤退済み)、世界的な販売が見込めるSUVCセグメント、Dセグメントに集中するのでしょう。

スカイアクティブは第二世代へ

第一世代スカイアクティブを全面採用した8車種が勢揃いしたことで、スカイアクティブは第二世代へと移行していきます。その第一弾として、2017年2月に発売する新型CX-5(2代目)が初公開されました↓

技術面での第二世代への本格移行は2018年からと説明されているように、第二世代スカイアクティブの目玉としてHCCI技術が登場するのではと予想されています。次期アクセラへの搭載などの情報が出てきたことで、いよいよ現実味を帯びてきましたね。

現行アクセラなどに投入されている「G-ベクタリングコントロール」は第2世代技術の一つ(つまり先行投入)だと言われています。これもかなり面白い技術ですよ。

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魂動デザイン

魂動デザイン自体は本来スカイアクティブとは直接関係ありません。ですが、スカイアクティブを全面採用した「新世代商品群」と呼ばれる車種はすべて魂動デザインが採用されていて、新世代商品群の一貫性を象徴するものになっています。 スカイアクティブが「要素技術を一気に新規開発して、うちのラインナップを全部これに置き換えるよ」というものなので、そこに共通した新しいデザインが与えられることでユーザーに「新世代」と「一貫性」をアピールすることができます。

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車格が異なるのでディテールには変化がつけられていますが、どれも同じようなデザインに統一されていますね。 車体サイズに関わらず同じ様なデザインにするのは、BMWやアウディなどの欧州プレミアムブランドに見られる手法ですね。マツダ自体ヨーロッパを向いて商売をしている節がありますし、実質的なライバルはトヨタやホンダというよりBMWやフォルクスワーゲンになってきているので、デザイン戦略としては正しい方向性だと思いますね。

魂動デザインを採用した経緯や特徴については、以下の記事で詳しく解説しています↓

まとめ

SKYACTIVとは、車のいろんな技術をいっぺんにゼロから新規開発することで、今までできなかった理想の追求を実現した技術ということですね。

今後は2周目となる車種展開と、第2世代スカイアクティブへの移行が気になるところです。第1世代SKYACTIVでは新技術というより既存技術の限界に挑戦した感じでしたが、第2世代でHCCI燃焼が実現すれば世界を驚かせる新技術ということになります。

そしてロータリーエンジンの復活なんかも期待してしまいますね!

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