マツダが3列SUV・CX-8を発表!マツダ渾身の「ポストミニバン」が日本登場

   

マツダが3列シートのSUV「CX-8」の詳細を発表しました。ついに日本に登場する「ミニバンの次」はどんな車になるのでしょうか?

マツダ・CX-8ってどんな車?

マツダが今回発表したのは「CX-8」という車です。マツダはSUVに「CX-○」という車種名をつけていて、現在CXシリーズを実に5車種抱えています。

車種 販売地域 概要
CX-3 世界 デミオベースの小型SUV
CX-4 中国 クーペ風小型SUV
CX-5 世界 中型SUV
2代目発売済み
CX-7 中国 中大型SUV
SKYACTIV魂動デザイン未採用)
CX-8 世界? 3列シート・中大型SUV
CX-9 日本以外 3列シート・大型SUV

スカイアクティブも魂動デザインも採用されていない旧型モデルが販売され続けているCX-7は別にしても、CX-3/4/5/9と4車種をラインナップしています。マツダの企業規模からすれば異様なほどSUV車種の比率が高いですね。スカイアクティブ全面採用以降のマツダ車は8車種登場しているので、車種別では半数がSUVということです。

世界的にSUVが人気を集めていますが、元々乗用車を作っていたメーカーでマツダほどにSUVに偏っている所は他にありません。

CX-8の立ち位置

すでにSUVを4車種もラインナップしているのに、さらに「CX-8」という新車種が投入されることが発表されました。これで過半数がSUVという一台SUVメーカーになるということです。

日本でSUV系の車と言えばかつては三菱やスバルが有名でしたが、もはや日本を代表するSUVメーカーといって良いほどのSUV比率になりますね。まぁ実際にはマツダは販売台数がそう多いわけではないので、「マツダ車のうちのSUV率」は高くても、「SUVに占めるマツダの比率」はそんなに高くはありませんが。

新規投入されるCX-8を定義づけるポイントは「3列シート」と「中型SUVサイズ」です。

日本で切望される3列シート車

世界的には乗用車は圧倒的に2列シート車が多いのですが、日本では異様に3列シート車が多いです。理由は様々でしょうが、価格とサイズが同じなら定員や容積が多い方がお得感があるという点と、仲間とワイワイ出かけたい祖父母と一緒に出かけたいといったことから売れているのだと思います。

ミニバンのダサさ

3列シート車で多数を占めるのがミニバンと呼ばれる箱型の車です。

日本におけるミニバンは、元をたどればハイエースなどの大型商用バンを乗用に仕立てたものです。今では乗用車として見慣れてしまいましたが、「走り」や「デザイン」をほっぽりだして、スペース効率だけを重視して作られた重たい箱に、美しさやカッコ良さを感じることはできません。

日本人もやっとミニバンのダサさに気づいたのか、世界の流れに乗るように最近はミニバンからSUVへと人気が移動してきています。

エクストレイル、アウトランダー、エクシーガクロスオーバー7などはSUVながら3列シートなので、3列シート車が欲しいけどミニバンはイヤという人への代案となります。

マツダの3列シートSUV

マツダ・CX-9

マツダのSUVで3列シートなのは、現状は最大サイズのCX-9のみ。CX-9は全長5m超え(アルファードより長く、レクサスLSや日産シーマと同等)、全幅1,969mm(ハマーH3より2cm狭い)という巨大サイズ。「大きいものが正義」という風潮すらある北米ではこういうのが売れますが、道も駐車場も狭い日本でこんな車は売れません。

日本で売っているマツダSUVの最大サイズはCX-5です。CX-5は2列シートの5人乗り。3列シートSUV需要に応えるためには、もう一車種設ける必要が出てきました。

マツダが日本にマッチするような3列シートSUVを用意するとなると、考えられる可能性は以下の3通りありました。

  • 新設計
  • CX-5を拡大
  • CX-9を縮小

すでにラインナップがほぼ完成している状況で、3列シート車を新設計することはないでしょう。CX-9ベースにすると全幅を狭める必要があるので大幅な仕様変更が必要となりますが、CX-5ベースで全長を拡大する方法なら、エンジン周辺や内装の一部をそのまま流用できます。CX-8はCX-5を拡大して3列シート設計にするという方式になりました。

車種 マツダ・CX-5 マツダ・CX-8 マツダ・CX-9
全長 4,545 mm 4,900 mm 5,065 mm
全幅 1,840 mm 1,840 mm 1,969 mm
全高 1,690 mm 1,730 mm 1,716 mm
駆動方式 FF FF FF
エンジン形式 直列4気筒
排気量 2.0L ガソリン
2.5L ガソリン
2.2L ディーゼル
2.2L ディーゼル 2.5L ガソリンターボ
価格 246 万円~ 300 万円前半~ 336 万円~

全長はエルグランドやアルファードに匹敵する4,900mmに拡大する一方で、全幅はCX-5と同じ1,840mmに据え置かれます。単に全長を伸ばすだけでなく全高も40mm高くなっているので、単に3列目を追加するのではなくシート位置や高さを変えて3列利用時の居住性を確保するのでしょうね。

ミニバンの終焉

かなてから予想されていた通り、マツダはミニバンの生産から撤退することも発表されました。

昨年まではプレマシー・MPV・ビアンテの3車種をラインナップしていましたが、いずれもスカイアクティブ魂動デザインが取り込まれることなく生産終了を待つばかりとなっていました。昨年3月にMPVが一足先に生産終了しており、このままミニバンを新規投入することなく、ミニバンという市場から撤退することになったわけです。

日本で一世を風靡したミニバンも人気に陰りが見え始めたことももちろんありますが、自動車メーカーが相手にしているのは世界です。トヨタのように体力と販売力のあるメーカーは日本だけのためにミニバンをいくつもラインナップすることができますが、マツダのような規模のメーカーは世界的に十分な販売台数が見込める車種しか残せません。

マツダの場合は極端にSUVに偏りすぎているきらいがあるものの、基本的に世界販売を前提に販売車種を絞っています。スカイアクティブ全面採用となった初代CX-5以降で見れば、販売国を絞っているのは中国専売のCX-4と日本に入っていないCX-9だけ。他の6車種(デミオ・アクセラ・アテンザ・CX-3・CX-5・ロードスター)は世界中で売られています。

ほぼ日本でしか人気のないミニバンを作り続けたところで、大きな販売台数は見込めませ。むしろSUVの人気の波に乗って3列シートSUVを世界に売っていけば新たな市場が開拓できる可能性すらあります。CX-8を生み出したことで、ポストミニバンの位置に新たな車種を当てることができるわけです。

まとめ

マツダがさらにSUVのラインナップを増やしてきましたね。9車種中5車種がSUVなのはさすがにやり過ぎな感じがしますが、ミニバンからの撤退はしかるべき決断でしょう。日本では3列シート車を持たないと乗り換え需要での機会損失に繋がりますから、仕方なくラインナップを増やしたのかもしれません。

とはいえ、CX-8の中身はほとんどCX-5と同じです。全長とホイールベースが伸びる分乗り味は多少変わってくるでしょうが、デザインも含めてCX-5の延長線上にある車種になるでしょうね。

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