ロードスターRF日本発売!スペック・グレード・価格を幌版と比較

     2017/03/13

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ついにロードスターRFが国内向けに正式発表・予約開始されました!

最大の特徴は、後部の残るタルガトップ型の電動ハードトップ、そして国内未発売だった2.0Lエンジンの搭載です。

スペック(特に車重)や価格、グレード構成をチェックしてみましょう。

ロードスターRF

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ロードスターRFはロードスターの電動ハードトップ仕様です。

通常のロードスターは手動開閉式のソフトトップですが、ロードスターRFではルーフが硬質の素材(おそらくFRPか強化プラスチックの類)でできていて、開閉は電動です。ロードスターRFにはもう一つ特徴があって、屋根を開けた状態でもルーフ後方が残るタルガトップと呼ばれる形状になります。

タルガトップになったのは幌車を先に開発したから

タルガトップなので、屋根を開けてもシート後部(Cピラーと呼ばれる部分)は残ります。閉じた時のデザイン上の美しさのためにタルガトップ型を採用したのだと思いましたが、そうではないようです。

マツダの技術者の解説によれば、現行ロードスター(ND型)ではまずソフトトップ車を先に開発。ソフトトップ車としての完璧を目指したので、電動ハードトップ化の余地は考慮しなかったとのこと。そしてソフトトップ版ロードスターが完成してから、電動ハードトップ版の開発に着手。結果的にスペースの制約からフルオープン型の電動ハードトップを収納することはできず、やむを得ずタルガトップ型を採用することになったというのが実情だそうです。

「リトラクタブルハードトップ」の美しい動きを追究して - マツダ公式ブログ

リアウインドウは開閉可能

フルオープンこそ叶わなかったものの、リアウインドウを解放することができるので、他のタルガトップ採用車よりは解放感が得られると思います。

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他のタルガトップ型では、ホンダ・S660は申し訳程度の小さなリアウインドウが開くだけ。エンジンが後部にあるのでエンジン音が入るようになりますが、解放感への寄与は限定的です。

ロータス・エリーゼではリアウインドウは固定式なので、完全に「頭の上だけが開く」という状態になります。

私は元ロードスター乗りなのでよく分かる所ですが、オープンカーの解放感の要因は頭上の風の流れよりも、後方からの程よい風の巻き込みによるところが大きいです。もちろん頭上が開かなければ視覚的解放感は得られませんが、シート後部が開いていることが空気の流れによる解放感を与えてくれます。

スペック

「ロードスターRF」と「ロードスター」の違いは、幌だけではありません。スペックを見てみましょう。

車種 ロードスターRF ロードスター
ボディ形状 オープン
電動ハードトップ
(タルガトップ型)
オープン
手動ソフトトップ
(フルオープン型)
駆動方式 FR
全長 3,915 mm
全幅 1,735 mm
全高 1,245 mm 1,235 mm
ホイールベース 2,310 mm
車重 1,100 kg 990~1,020 kg
駆動方式 FR
トランスミッション 6MT
エンジン形式 直列4気筒
排気量 2.0L 自然吸気 1.5L 自然吸気
過給機 なし
最高出力 158ps / 6,000rpm 131ps / 7,000rpm
最大トルク 20.4kgm / 4,600rpm 15.3kgm / 4,800rpm
フロントサス ダブルウィッシュボーン式
リアサス マルチリンク式
燃費 15.6 km/L
6.4 L/100km
17.2 km/L
5.8 L/100km
価格 324 万円~ 249 万円~

※ いずれも6MTモデルの値。

エンジンパワー&トルク

最高出力は1.5Lから 27馬力増し の 158馬力 です。先代の3代目ロードスター(NC型)が170ps/7,000rpmだったので、高回転域の伸びが抑えられた分最高出力が下がっているようですね。

一方最大トルクは 20.4kgm。NCでは 19.3kgm だったので、パワーよりもトルクを重視した設計になっているようです。最大トルク発生回転数もNC型の 5,000rpm から 4,600rpm になったので、低回転からトルクが厚く、扱いやすいエンジンになっていることでしょう。

車重:+45kg

車両重量はソフトトップの 990~1,040kg(6ATは1,050~1,060kg)に対して、RFは一律1,100kg(6ATは1,130kg)です。

ソフトトップ車ではSを最軽量モデルとするために、リアスタビライザーやトンネルブレースバーを削っていましたが、RFではどちらも標準装備です。同じシャシーでより大きなパワーを受け止めるわけですし、2Lエンジンにはカチッとした走りの方が好まれるでしょうから、この装備は当然だと思います。

さらに、ソフトトップ車の6MTではオプションの「i-ELOOP+i-stop」(エネルギー回生とアイドリングストップ)がRFでは標準装備です。これの装備で車重が20kg増えます。

ロードスターの「S Special Package (i-ELOOP+i-stop搭載)」と、ロードスターRFの車重差は、70kgです。1.5Lと2.0Lを併売しているイギリスで見ると、排気量による重量差は25kg。つまりソフトトップとRFの重量差は 45kgということですね。

先代NCでは電動ハードトップ化の重量差は37kgだったので、それよりやや大きいですね。ただ、カタログ表記は10kg単位なので、正確な数値ではないことに注意してください。

先代NC型の最終モデルの車重と比較してみましょう。

排気量
車重(6MT)
車重(6AT)
4代目ND型 3代目NC型
手動ソフトトップ 1.5L
990~1,040 kg
1,030~1,060 kg
2.0L
1,110~1,120 kg
電動ハードトップ
(ND:RF,NC:RHT)
2.0L
1,100 kg
1,130 kg
2.0L
1,160 kg
1,170 kg

※ NC最終モデルではATはRHTのみ。

同じ2Lエンジンながら、車重をNCのソフトトップと同程度にしているのは優秀ですね。ハードトップだと重心が高くなるのでこれだけで運動性能が高いとは言えませんが、電動ハードトップを装備したオープンカーとしては十分に軽い部類に入るのかと思います。(電動ハードトップのコペンは660cc・5MTで850kg。電動ソフトトップのBMW・Z4は2Lターボで1,500kg)

価格:RFになると +45万円

ロードスターとロードスターRFの価格は以下の通り。グレード構成やグレード名については後述します。

S VS RS
 - SP LP
ロードスターRF 6MT 324.0 万円~ 357.5 万円~ 373.7 万円~
6AT 326.2 万円~ 359.6 万円~
ロードスター 6MT 249.5 万円~ 270.0 万円~ 303.5 万円~ 319.7 万円~
6AT 280.8 万円~ 314.3 万円~

※ SP:Special Package、LP:Leather Package。

スタート価格はソフトトップロードスターより74万円高い 324万円 です。価格予想では「S相当が299万円、S-SP相当が320万円」としていたので、私的にはビンゴです。

装備内容は後ほど紹介しますが、RFの「S」はほぼ「S Special Package」レベルです。軽量ベースグレードの「S」が無かったので、スタート価格は300万円を切れなかったのでしょう。

装備も含めて眺めると、ソフトトップとRFの価格差は約45万円。内訳はエンジンが2.0Lになるのに約10万円ソフトトップがRFになるのに約35万円といったところです。

ちなみに、ソフトトップながら1.4Lターボエンジンを搭載したロードスター、もといアバルト・124スパイダーはもっともっと高いです。

グレード構成&装備差

まず、RFのグレード構成を見ると、ソフトトップロードスターのグレード構成の謎が解けます。

ロードスター伝統のグレード構成

RFのグレードは「S」「VS」「RS」。この3つは2008年以降のロードスターでずっと使われているグレード構成ですし、ラグジュアリー志向の「VS」、スポーツ志向の「RS」という2つのトップグレードは1998年の2代目NB型登場の頃から脈々と受け継がれてきました。

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ソフトトップロードスター登場時のグレード構成は「S」「S Special Package」「S Leather Package」。てっきり新しいグレード名称にしてしまったのかと思ったら、すべて「S」だったんですね。見落としていました。(普通気づいてるものなんですかね?)

その後スポーツ志向トップグレード「RS」が追加されました。「VS」が無いのはまだ用意されてなかっただけだったんですね。RFではストレートにS,VS,RSの3グレード構成になりました。ソフトトップに「VS」が搭乗するのも時間の問題かもしれませんね。

グレード間の差

グレード間の装備差を見てみましょう。ロードスターとRFのグレードの詳細はこちら↓

S VS RS
車重 6MT 1,100 kg 1,100 kg 1,100 kg
6AT 1,130 kg 1,130 kg  -
価格 6MT 324.0 万円~ 357.5 万円~ 373.7 万円~
6AT 326.2 万円~ 359.6 万円~
安全装備 サイドエアバッグ
死角警報
車線逸脱警報
舵角対応ヘッドライト
自動ハイビーム
走行装備 ビルシュタイン(車高調)
快適装備 シートヒーター
内外装 RECAROシート
オーディオ 6スピーカー BOSE 9スピーカー

複雑なソフトトップの表に比べるとシンプルですね。RFの「S」は、ほぼソフトトップの「S Special Package」と同等です。ソフトトップの「S」や「NR-A」で外されている各種快適装備・豪華装備が一通り標準装備になっています。スタート価格がRFの国内予想価格より20万円ほど高かったのは、装備最小限の低価格グレードが用意されなかったからかもしれませんね(と言い訳しておきます)。

ソフトトップの方は「S」と「S Special Package」の価格差が20万円しかありませんでしたが、RFの「S」と「VS」は価格差33万円です。走行に関わる装備に差がなく、単に快適・豪華系の装備での価格差としては結構高いです。快適装備が無くても過ごせる人は、「S」にした方が良さそうです。

ちなみに快適装備をどうするかの判断基準は単純です。(詳しくはこっちでガッツリ書いています

「ロードスターの前の車 or ロードスターと同時所有する車 にその装備があるか」

装備最小限グレードが無い理由

RFにはメッキ加飾やフルオートエアコン、マツダコネクトなどを排除して装備を最小限にしたグレードがありません。おそらくそれを作ればスタート価格は300万円をギリギリ切れたことでしょう。装備最小限グレードが無いのは、客層がある程度高くても買ってくれる人に限られるからだと思います。

同じデザインで軽快に走れる手動ソフトトップのロードスターが(装備差を考慮しても)45万円安く買えるのに、あえて高い方のロードスターを購入するということは、予算に余裕がある2.0Lやハードトップに強いこだわりがあるかのどちらかです。どちらだとしても、スタート価格が多少高くても指名買いしてくれるでしょう。ホンダ・S660やトヨタ・86とガチで戦わないといけない標準ロードスターに比べれば、しっかり利益を確保したいモデルだとも言えます。

まとめ

一言でまとめるとこういうことです。

45kgアップ・45万円アップ で 2.0LエンジンのRFになります。

同一エンジンだった先代NC型と違って、RFはエンジンすらも異なります。標準ロードスターとは色んな意味でまったく違う面白さを見せてくれることでしょう。登場が楽しみですね!

マツダが作ったイタリア車の方はこちら↓

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