ヴィッツより小さな普通車(軽以外):輸入車 全7車種一覧!
ヴィッツクラスよりも小さい車がいいけど、軽自動車はイヤ! という人のために小さい普通車(正確には登録車)をまとめました。
今回は輸入車 全7車種を見てみましょう! 日本車編はこちら
目次
イタリア車
フィアット・500 / 500C
今回のラインナップ7車種の中で最もオススメしたいのが「フィアット・500」です。
ヴィッツなどの国産コンパクトカーよりも下のクラスは、欧州セグメント区分で言えばAセグメントにあたります。そのAセグメントの中で最も完成度が高く、販売台数もかなり多いのが「フィアット・500」、通称チンク(チンクエチェント;イタリア語で500の意)です。単に小さくて安っぽい車が多いAセグメントの中で秀でたデザイン性と熟成された走りは他の車種と一線を画すレベルになっています。
エンジンは4気筒1.2L自然吸気と、2気筒0.9Lターボ。0.9Lターボの方が高価かつハイパワーですが、2気筒独特の音と振動は好みが分かれるところでしょう。500には天井部分だけが開くキャンバストップ仕様もあり、そちらは「500C」という車名になります。
チンクの欠点は3ドアであることと、車内がやや狭いことです。デザインを優先したためにルーフ後方がなだらかに下がっているので、リアシートの頭上がやや狭くなっています。大人が乗って頭が当たるほどではありませんけどね。むしろ犠牲になっているのはトランク容積でしょうね。リアドア必須の人は500は選べませんが、デザインや走りを我慢するよりリアドアを我慢する方が総合的な満足度は高くなると思います。
フィアット500の詳しい試乗記はこちら↓
- フィアット500&500C試乗記
フィアット・パンダ
フィアット・500 とエンジンやシャシーなどを共有しつつ、実用性を重視して作られた車が「パンダ」です。
500とホイールベース(前後輪軸の距離)が同じで全長も85mm伸びた程度ですが、箱型になったことでリアシートやトランクが広くなり、3ドア4人乗りから5ドア5人乗りになりました。デザインは角丸四角形を多用して統一感があります。
でも残念ながら走りはまったくダメです。音・振動・揺れが酷すぎて、同じエンジンを積む500よりも遥かに劣ります。加速性能以外は正直日本の軽自動車にすら負けているんじゃないかってほどです。後述するup!と共に、欧州車の最下層に位置する車ですね。
アバルト・595 / 595C / 695ビポスト
フィアット・500 の軽量コンパクトなボディをそのままに、アルファロメオ・ミト(Bセグ)やアルファロメオ・ジュリエッタ(Cセグ)に載る1.4Lターボエンジンを搭載した、ホットハッチと呼ばれるジャンルの車です。
1,100kgそこそこの車重に対して145~180馬力のハイパワーエンジンの車が面白くないはずありません。パワーの出方が爆発的な上に足回りが機敏に動くので「暴れるサソリを懸命に抑えて走る」感覚になります。マジで面白いです。
さらに上には「695ビポスト」という猛烈なグレードがあります。車重はさらに削られ、リアシートも無くなり、MTのみの設定。パワーは190馬力に達し、価格は600万円に到達します。とんでもない車ですね。
スペック表
エンジンタイプも含めて一覧にしました。
車種 | フィアット 500 |
フィアット パンダ |
アバルト アバルト595 |
アバルト アバルト695 ビポスト |
||
---|---|---|---|---|---|---|
グレード | 1.2 Pop | TwinAir Pop | Easy | ベースグレード | コンペティツィオーネ | ベースグレード |
ドア数・定員 | 3ドア・4名 | 5ドア・5名 | 3ドア・4名 | 3ドア・2名 | ||
全長 | 3,570 mm | 3,655 mm | 3,660 mm | 3,675 mm | ||
全幅 | 1,625 mm | 1,645 mm | 1,625 mm | 1,640 mm | ||
全高 | 1,515 mm | 1,550 mm | 1,505 mm | 1,480 mm | ||
ホイールベース | 2,300 mm | |||||
車重 | 990 kg | 1,010 kg | 1,070 kg | 1,110 kg | 1,120 kg | 1,060 kg |
駆動方式 | FF | |||||
トランスミッション | 5AMT | 5AMT/5MT | 5MT | |||
エンジン形式 | 直列4気筒 | 直列2気筒 | 直列4気筒 | |||
排気量 | 1.2L ガソリン | 0.9L ガソリンターボ | 1.4L ガソリンターボ | |||
最高出力 | 69 ps | 85 ps | 145 ps | 180 ps | 190 ps | |
最大トルク | 10.4 kgm | 14.8 kgm | 18.4 kgm | 23.5 kgm | 23.4 kgm | |
サスペンション (フロント/リア) |
ストラット / トーションビーム | |||||
燃費 | 19.4 km/L (5.2 L/100km) |
24.0 km/L (4.2 L/100km) |
18.4 km/L (5.4 L/100km) |
13.1 km/L (7.6 L/100km) |
13.5 km/L (7.4 L/100km) |
|
年間燃料費 (10,000km) ハイオク137.8円 |
7.1 万円 | 5.7 万円 | 7.5 万円 | 10.5 万円 | 10.2 万円 | |
価格 | 200 万円~ | 229 万円~ | 214 万円~ | 294 万円~ | 365 万円~ | 599 万円~ |
ドイツ車
フォルクスワーゲン・up!
フォルクスワーゲン最小の車が「up!」です。軽量コンパクトな車に5ドア4人乗りという構成はパンダやトゥインゴと似ていますね。up!はヨーロッパのシティコミューターとしての役割も担っていますが、新興国向けの低価格車としての側面もあります。
内外装は非常に安っぽく、走りの質もかなり低いです。シングルクラッチ式ATのフィーリングが特に悪いこともあって、トゥインゴやパンダよりももう一段低級な車になってしまっています。作るのは世界で最も地味な車造りをするフォルクスワーゲンですから、デザインにもオシャレさや特別感は無し。正直170万円も出してこの車を選ぶ理由が見つかりません。
up!には3ドアもありますがほとんど売れないので受注生産らしく、実質5ドアのみの設定になっています。
スマート・フォーフォー
メルセデスベンツの小型車ブランド、スマートが出すAセグメント実用車が「フォーフォー」です。フォーフォーは ForFour、つまり4人乗りですよということ。
フォーフォーはルノー・トゥインゴとプラットフォームを共有していて、RRという珍しいレイアウトです。そのトゥインゴと比べると価格はやや高いですし、MTの設定も無いので選ばれづらい車になっています。スマートはザ・シティコミューターといった近未来的なデザインも特徴です。
スマート・フォーツー クーペ/カブリオ
同じくスマートの2人乗り超小型車が「フォーツー」(ForTwo)です。全長はわずか2.8mしかなく、軽自動車(全長3.4m以内)よりもかなり短いです。日本の全市販車でも最短全長を誇ります。
スポーツカーでもないのに二人乗りなので需要はかなり限られます。以前は日本の軽自動車規格に合わせた「スマートK」というのも出していましたが、現在は全幅1,665mmと完全に普通車サイズです。
フォーツーにはオープン仕様の「フォーツーカブリオ」もあります。開かない方は正確には「フォーツークーペ」という車名です。
スペック表
車種 | フォルクスワーゲン up! |
スマート スマートフォーフォー |
スマート スマートフォーツークーペ |
|
---|---|---|---|---|
グレード | move up! | パッション | ターボ | ターボ |
ドア数・定員 | 5ドア・4名 | 3ドア・2名 | ||
全長 | 3,545 mm | 3,550 mm | 2,755 mm | |
全幅 | 1,650 mm | 1,665 mm | ||
全高 | 1,495 mm | 1,545 mm | ||
ホイールベース | 2,420 mm | 2,495 mm | 1,875 mm | |
車重 | 920 kg | 1,010 kg | 1,060 kg | 960 kg |
駆動方式 | FF | RR | ||
トランスミッション | 5AT | 6AT | ||
エンジン形式 | 直列3気筒 | |||
排気量 | 1.0L ガソリン | 0.9L ガソリンターボ | ||
最高出力 | 75 ps | 71 ps | 90 ps | |
最大トルク | 9.7 kgm | 9.3 kgm | 13.8 kgm | |
サスペンション (フロント/リア) |
ストラット / トーションビーム | ストラット / 車軸 | ||
燃費 | 25.9 km/L (3.9 L/100km) | 22.3 km/L (4.5 L/100km) |
22.0 km/L (4.5 L/100km) |
23.1 km/L (4.3 L/100km) |
年間燃料費 (10,000km) ハイオク137.8円 |
5.3 万円 | 6.2 万円 | 6.3 万円 | 6.0 万円 |
価格 | 176 万円~ | 216 万円~ | 257 万円~ | 226 万円~ |
フランス車
ルノー・トゥインゴ
ルノーが放つAセグメント小型車がトゥインゴです。実用性はパンダやup!と同等の5ドア4人乗り、走りはパンダやup!を上回り、デザインでは500に匹敵するという非常に面白い車が登場しました。
プラットフォームはスマート・フォーフォーと共有するRRですが、こちらにはMTもあるのがトピックです。
リアシートやシフトレバー周りなどに安っぽさを感じてしまうので質感では500には一歩劣りますが、実用性とデザインと価格を高度にバランスしたという点ではかなり魅力的だと思います。
スペック表
トゥインゴの他に、競合するパンダとup!、それに日本のフィットを入れました。
車種 | ルノー トゥインゴ |
フィアット パンダ |
フォルクスワーゲン up! |
ホンダ フィット |
|
---|---|---|---|---|---|
グレード | ZEN | ZEN | Easy | move up! | 13G |
ドア数・定員 | 5ドア・4名 | 5ドア・5名 | 5ドア・4名 | 5ドア・5名 | |
全長 | 3,620 mm | 3,655 mm | 3,545 mm | 3,955 mm | |
全幅 | 1,650 mm | 1,645 mm | 1,650 mm | 1,695 mm | |
全高 | 1,545 mm | 1,550 mm | 1,495 mm | 1,525 mm | |
ホイールベース | 2,490 mm | 2,300 mm | 2,420 mm | 2,530 mm | |
車重 | 960 kg | 1,000 kg | 1,070 kg | 920 kg | 970 kg |
駆動方式 | RR | FF | |||
トランスミッション | 5MT | 6AT | 5AT | CVT | |
エンジン形式 | 直列3気筒 | 直列2気筒 | 直列3気筒 | 直列4気筒 | |
排気量 | 1.0L ガソリン | 0.9L ガソリンターボ | 1.0L ガソリン | 1.3L ガソリン | |
最高出力 | 71 ps | 90 ps | 85 ps | 75 ps | 100 ps |
最大トルク | 9.3 kgm | 13.8 kgm | 14.8 kgm | 9.7 kgm | 12.1 kgm |
サスペンション (フロント/リア) |
ストラット / 車軸 | ストラット / トーションビーム | ストラット / 車軸 | ||
燃費 | - | 21.7 km/L (4.6 L/100km) |
18.4 km/L (5.4 L/100km) |
25.9 km/L (3.9 L/100km) |
26.0 km/L (3.8 L/100km) |
年間燃料費 (10,000km) ハイオク137.8円 |
- | 6.4 万円 | 7.5 万円 | 5.3 万円 | 4.9 万円 |
価格 | 171 万円~ | 180 万円~ | 214 万円~ | 176 万円~ | 130 万円~ |
まとめ
価格では国産コンパクトカーや軽自動車には一歩劣りますが、日本車にはないデザインやダウンサイジングターボの走りに魅力を感じるなら良い選択肢になると思います。
極端なアバルト595を除けば、オススメは断然フィアット500とルノートゥインゴですね。
日本車編はこちら↓