「車格」とは?目的や使われ方は?セグメントとの違いは?徹底解説します

     2017/02/11

車格とは一体何でしょうか? どうやって分類していて、どんな意味や目的があるのでしょうか?

車格を知ると、色んな車種が用意される理由が分かってきますよ。

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車格とは

車格とは、乗用車を分類する際に判断されるものの一つで、車種やモデルを階級分けしたものが「車格」です。上位階級の車は「車格が高い」、逆に低級の車は「車格が低い」と言われます。

まずは車格についての基本事項を整理しておきましょう。

絶対的な評価指標は無い

車格には絶対的な評価指標がありません。「排気量が大きいから車格が高い」「価格が高いから車格が高い」などといった明確な基準はありません。

大型セダンと軽実用車のように誰が見ても明らかな場合は問題ありませんが、人によって車格の上下の判断が分かれる場合が良くあります。

評価基準になるもの

「車格」の評価基準になるものは色々あります。

  • サイズ、特に全長
  • 価格
  • メーカー
  • エンジン排気量・出力・性能
  • 車種イメージ

これらが総合的に判断されて車格の上下が決まります。どれを優先するかにはある程度の規則性がありますが、絶対的ではありません。

同一メーカー内であれば比較的判断はしやすいです。例えばトヨタ(子会社のダイハツ含む)の代表車種の車格は以下の通り。

左から右に行くにしたがって、サイズも価格も性能(エンジンサイズ)も上がっていきますね。

車格の分類はクラス分けのようなもの

車格はクラス分けのような階級分けなので、「AとBは車格が同じ」ということもよく起きます。ただし分類はかなり曖昧で、「AとBは車格がほぼ同じだが、Bの方がやや車格が高い」といった微妙な表現をされることもあります。

実用車の場合、大まかに6~10階級ほどに分類された上で、場合によってより細かく分類されます。

車格 と セグメント の違い

車格と同じように使われる言葉として、「セグメント」があります。セグメントは車格の分類ルールの一つです。明確な基準の無い「車格」を車体の全長によって明確に区分したのがセグメントです。自動車の格付け全般が「車格」で、それをヨーロッパ人が全長で明確に区分けしたのが「セグメント」というわけです。ただし車種の多様化によって全長だけですべてを分類することはできなくなり、全長を基本とはしながらも価格や車種イメージなどによって総合的に分類されるようになりました。

セグメントは元々ヨーロッパでの車種分類で、「欧州セグメント」とも呼ばれています。車格が低い(車体が小さい)方からからAセグメント、Bセグメント……と続き、最上位はFセグメントです。

セグメント分類の例

車格のうちでも、分類が明確で日本車にも適用しやすいセグメントでの例を見てみましょう。分類が分かりやすいので、トヨタとドイツプレミアム3ブランドを載せました

トヨタ メルセデスベンツ BMW アウディ
Aセグメント ミラ (スマート)
Bセグメント ヴィッツ (MINI) A1
Cセグメント カローラ Aクラス 1シリーズ A3
Dセグメント マークX Cクラス 3シリーズ A4
Eセグメント クラウン Eクラス 5シリーズ A6
Fセグメント (レクサス・LS) Sクラス 7シリーズ A8

ドイツ3ブランドは日本車と違って、基本的に数字やアルファベットといった明確な序列を設けていることが特徴的ですね。車体サイズ・エンジン・内装品質など、上のクラスの方が上位になるよう、はっきりと差が付けられています。

3ブランドはいずれもC~Fセグメントをラインナップしています。それに加えて、メルセデスベンツではAセグメントの「スマート」、BMWではB~Cセグメントの「MINI」をグループの別ブランドとして展開しています。アウディでは最小サイズにBセグメントのA1が設定されています。

セグメントの分類について詳しくはこちら↓

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車格の決め方

車格の上下は基本的に車種全体で判断されます。その車種を構成する各種グレードのスペックや価格から総合的に判断します。

主に以下の基準に従って車格の上下が決められます(重要度順)。

  1. 全長
  2. ブランド
  3. 駆動方式
  4. エンジンサイズ
  5. 価格帯

中でも全長の優先順位が最も高く、車格はほぼ全長によって決められていると言っても良い状況です。ただし上の基準はセダンとハッチバックに対してのものです。スポーツカーやSUV、クロスカントリー車などの車体形状では「車格」自体が無かったり基準が異なったりします。

車格の決め方については、こちらの記事に詳しくまとめました↓

「車格」の目的

車格とは、車を格付けしたものです。一体なんのためにそんな基準が設けられたのでしょうか?

車を利用する人は老若男女様々です。収入も違えば車の利用目的も異なります。あらゆる人に適合するようにするためには、高価で高性能な車から、安価で実用重視の車まで色々な車種を用意する必要があります。各種メーカーから色んなサイズ・価格の車が用意されるようになると、便宜上車を格付けして区分する必要がでてきました。今でいう「ヴィッツクラス」や「クラウンクラス」といった感じにしたわけです。

さらに歴史的経緯もあります。自動車黎明期は、車を所有することそのものがステータスでした。それが徐々に庶民にも普及するようになると、「車を所有している」だけでなく「より上級の車を所有している」ことがステータスとなりました。低価格な車はコンパクトで小排気量の実用重視。大きく重い車ほど高価だったので大きい車の方が格上となりました。

時代が下り車の形状は多様化していきましたが、自動車元来の形状であるセダンを中心に「車格」という基準が残りました。

車格が使われる状況は主に3つあります。

車種同士を比較する場合

異なるメーカー間で車種を比較する場合や、新投入されるモデルを過去の似たモデルと比較する場合に車格がよく使われます。似たような車同士で比較した方が意味があるからです。

例えば「フィットよりもクラウンの方が内装の質が高い」とか「ワゴンRよりもスカイラインの方が加速に優れる」などと言っても何の価値もありません。なぜならクラウンやスカイラインの方が車体・エンジン・価格のすべてで上回っていて(=車格が高い)、当然の結果だからです。「高校生のAくんは小学生のBさんよりも背が高い」と言っているようなものです。そういう比較は想定と逆の場合のみ意味があります。

比較は似たような車でこそ意味があります。「フィットとヴィッツとデミオでどれが走りが良いか」や「アテンザとマークXとスカイラインの内装比較」には十分な価値があります。ここでの似たような車を示す基準が車格です。

比較目的の場合、車格が高い/低いといった曖昧なものよりも「○セグメント」のようなハッキリした基準の方が好まれます。欧州発祥のセグメント区分が日本でも少しずつ使われるようになってきたのは、比較での分かりやすさからでしょう。フィット・ヴィッツ・デミオはすべてBセグメント、アテンザ・マークX・スカイラインはすべてDセグメント。フィット(B)とクラウン(E)の比較、ワゴンR(A)とスカイライン(D)の比較に意味が無いのも一目瞭然ですね。

車格はおおよそ価格と連動しているので、レンタカーの料金体系では車格によって分類されているのがほとんどです。車格が高い車は購入費用も維持費も多くかかるから、レンタル費用も高額だというわけですね。

ヒエラルキー内での車選び

「比較」は車格の実用性の面でしたが、こちらはやや分かりにくい話です。

賛否はともかく、現代社会は基本的にヒエラルキー(階級制)があります。会社などの組織には上下がありますね。組織の中で使われる車を選ぶ場合に「車格」を基準にする場合があります。

例えば会社において、部長職の人がマークXに乗っていたとします。部長より格下の課長が車を選ぶ場合、部長より車格で上回るクラウンを選ぶと「ちょっと生意気じゃないか」となる可能性があります。逆に役職では部長より上である社長がカローラに乗っているようではカッコが付きません。ヒエラルキーに従ってトヨタ車を選べばこんな感じでしょうか。

役職 車種
会長 レクサス・LS
(旧セルシオ)
社長 クラウン
部長 マークX
課長 カローラアクシオ
ヒラ ヴィッツ

実際にこの通りにしている会社がたくさんあるとは思いませんが、そういう組織も存在するということです。特に個人所有ではなく社用車として用意する場合、少なくとも社長向けには車格が高い車を用意することが多いでしょう。

階級が高いけど高価な車は無理!とか、階級が低いけどイイクルマに乗りたい!という場合はどうするか? そういうときは外すんです。好例がプリウス。プリウスは車格的にはCセグメント、カローラと同じクラスですが、ハイブリッド専用車という特殊な事情によって別格扱いされています。社長がプリウスに乗っていても「いやぁ環境も重視しないとね」で済むわけです。階級が低くてイイクルマが欲しければ、欧州メーカーのように車格が低くても高額なクルマを選びましょう。

日本社会全体のヒエラルキーとしては、天皇・皇后用の御料車のセンチュリーロイヤルを頂点に、皇族や総理大臣が利用するセンチュリーが続きます。センチュリーロイヤルは御料車専用車種として4台しか製造されておらず、間違いなく日本車の頂点ですね。

セルシオに乗るチンピラ

組織内でなくても車格を上げたい人たちがいます。それはヤンキーやチンピラと呼ばれる類の人です。お金が無くてもヴィッツやカローラみたいに車格が低く庶民じみたクルマには乗りたくない。だからといってスポーツカーに乗るほどクルマ好きなわけでもない。それで目を付けるのが車格が高い中古車です。クラウンやセルシオでも低年式車や過走行車は安くなります。

古いことを気にしなければこんな安い車もあるわけです。車格は車種によって決まり、新車/中古車や年式には左右されません。お金がなくても車格が高い車には乗れるわけですね。

人生のステップアップ

最後に人生のステップアップとして車格を上げていくというものがあります。前述のヒエラルキーの話と同様に、こちらも所属する組織や集団によって重視される場合とまったく考えられない場合があります。

例えば以下の様に順に乗り継いでいったとしましょう。美しいステップアップですね。乗り換えるたびに車格を上げていくわけです。

  1. スズキ・ワゴンR(Aセグメント,108万円~)
  2. ホンダ・フィット(Bセグメント,130万円~)
  3. フォルクスワーゲン・ゴルフ(Cセグメント,250万円~)
  4. 日産・スカイライン(Dセグメント,414万円~)
  5. アウディ・A6(Eセグメント,628万円~)
  6. メルセデスベンツ・Sクラス(Fセグメント,998万円~)

大事なことはステップダウンは許されないということです。車格を変えずに[フィット → デミオ]の乗り換えなら「走りが気に入らなくてねー」と言い訳できますが、下げるわけにはいきません。言い訳できませんから。誰に言い訳するかって?そんなことは重要じゃないんです。男のプライドが許さない、それだけです

でもどうしても上げられない!なんなら下げなきゃいけない!という場合はどうするか? そういうときも外すんです。好例がミニバン。ミニバンは基本的に「車格」という基準の外です。Cセグメント辺りから上げられなくなった人たちにとって、ウィッシュ(191万円~)やノア/ヴォクシー(225万円~)といった低価格ミニバンはちょうどいいんです。「家族ができちゃってさー」と言い訳できるからですね。「環境がー」と言い訳できるアクア(176万円~)やプリウス(243万円~)も良い逃げ道になります。

車がステータスとして重要なポジションを占めていた頃はこういった考え方をよくされていました。「いつかはクラウン」という言葉(CMに使われたキャッチコピー)が生まれたように、車は人生のステップを示す役割も担っていました。今ではそういった考え方をされることが少なくなり、車選びで車格の上下を考え人は少なくなりました。現代の若者にとっては車格の上下以前に車を持っていること自体が贅沢とすら思われています。

まとめ

車格が一体何のためにあるかを分かっていただけましたか?

車格は便利な一方で、世界中の自動車メーカーは車格に縛られている側面もあります。車格から大きく逸脱した車(大きいのに内装が貧相で安いなど)が作れなかったり、素晴らしい小型車を作ってもその車格内でしか評価されにくいなどです。消費者も車格に縛られることなく、より柔軟な見方、車選びをするように心掛けたいですね。

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