ヴィッツハイブリッド と アクアの違いは?買うならどっち?

     2017/02/24

トヨタがヴィッツのマイナーチェンジを発表しました。目玉はハイブリッドの設定!

でもトヨタのコンパクトハイブリッドと言えばアクア。ヴィッツハイブリッドとアクアって何が違うんでしょうか?

※追記 アクアとヴィッツハイブリッドで乗り比べをしたら思った以上に差があったので、全体的に修正しました。

マイナーチェンジしたトヨタ・ヴィッツ

2017年1月に、トヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」がマイナーチェンジしました。

ヴィッツはトヨタの主力コンパクトカー。Bセグメントに属します。海外では「ヤリス」という名前で販売されています。初代ヴィッツは1999年発売。大ヒットした初代ホンダ・フィット(2001年~)よりも古くからある車種です。

現行は2010年に発売された3代目。最近は2011年に発売された同クラスのハイブリッド専用車「アクア」に国内販売台数で押されています。2016年通年ではアクアが約17万台の車種別2位なのに対して、ヴィッツは約7万台の10位でした。

ハイブリッドの設定

ヴィッツのマイナーチェンジにおける最大の目玉は、ハイブリッドが設定されたことです。

トヨタのコンパクトハイブリッドと言えばアクアがありますよね。元々アクアはヴィッツのハイブリッド版として開発されました。実際、アクアが販売されていない国ではヴィッツのハイブリッドモデル「ヴィッツハイブリッド」「ヤリスハイブリッド」が販売されています。逆にアクアが販売されている日本・台湾・北米ではヴィッツはガソリン仕様のみになっています。

その方式が今回、国内向けヴィッツにハイブリッドが設定されたことで崩れたわけですね。初めてアクアとヴィッツハイブリッドが併売されるわけです。

ヴィッツハイブリッド と アクア の違い

ハイブリッド専用車のアクアと並べると、こんなラインナップになります。

ヴィッツ アクア
ガソリン 1.0L 21.6 km/L
133 万円~
1.3L 25.0 km/L
148 万円~
ハイブリッド 1.5L+モーター 34.4 km/L
182 万円~
37.0 km/L
189 万円~

※ リアパワーウインドウすら無い内装引っぺがしグレード(L)は除く。

アクアとヴィッツハイブリッドが完全にカブっていますよね。同じBセグメントコンパクトカーで、サイズもほぼ同じ。エンジン・モーター・トランスミッションも同一なので、アクアとヴィッツハイブリッドはほとんど同じ車です。

価格はアクアの方が7万円高いですが、燃費はアクアの方が少し良いです。ただしカタログ燃費(JC08)は正確ではなく、1,080kgを境に有利不利が出る測定方法なので、アクア(1,080kg)の方がヴィッツハイブリッド(1,100kg)よりも良い結果になっただけでしょう。そして差も小さすぎるので燃料費だけで元を取ることはできません。カタログ燃費通りだとしても、10万キロでの燃料費の差額はわずか2.5万円程度(アクアのが安い)です。

装備の違い

アクアとヴィッツハイブリッドの装備差はほとんどありません。同じ「商用グレードを除く最廉価グレード」、アクアの「S」とヴィッツの「HYBRID F」で比較すると、リアスポイラーの有無(アクアのみ標準装備)、スピーカーの数(アクア4、ヴィッツ2)などの細かい違いしかありません。

影響の大きい違いだと、フロントシートのヘッドレストがアクアは上下調整可能な独立式ですが、ヴィッツハイブリッドの「HYBRID F」ではシート一体式です。独立式にするには「スマイルシートセット」という10,800円のセットオプションを追加する必要があります。

どっちが買い?

微妙な装備差(数万円分)とわずかな燃費差(2万円分)だけならどっちを買っても良さそうに見えますが、静粛性が段違いなので圧倒的にアクアをオススメします

他の差でも、基本的にアクアの方をオススメします。実際に乗った感じだと、アクアの方が着座位置が低いことで運転中に安定感を感じやすかったことが理由です。ほとんど同じ車なので実際の安定感(エンジン性能や足回りなど)はほとんど同じですが、感覚的にはアクアの方が運転が楽に感じやすいと思います。実際にアクアの方が全長が50mm長く、全高が45mm低いのでほぼ数値通りの感覚差があります。

静粛性を我慢できるなら、内外装のデザインの好みで決めてしまえば良いと思います。静粛性を我慢できるなら、そもそもヴィッツのガソリンエンジン車を買えばいいだけの話なんですけどね。ヴィッツは普遍的なデザインで悪いところはありませんが、オシャレさは皆無。一方アクアは下位グレード「S」でも青が使われていてオシャレっぽくはありますが、シート低めなくせにセンターメーターなのが残念。ステアリングデザインはどっちもダメですね。

ヴィッツの内装

アクアの内装

まぁどっちも内装が安っぽいのは同じ。トヨタ式ハイブリッドを載せた車を180万円台で売るための犠牲が内装です。

スペック比較

ヴィッツにはハイブリッドの他に1.0Lと1.3Lのガソリンエンジン車が設定されています。マイナーチェンジ前にあった1.5Lの「RS」は廃止になりました。スペックで見るとヴィッツハイブリッドはほとんどアクアと同一ですね。

車種 トヨタ・ヴィッツ
トヨタ・アクア
グレード F (1.0L) F (1.3L) HYBIRD F S
全長 3,945 mm 3,995 mm
全幅 1,695 mm
全高 1,500 mm 1,455 mm
ホイールベース 2,510 mm 2,550 mm
車重 970 kg 1,000kg 1,110 kg 1,080 kg
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
エンジン形式 直列3気筒 直列4気筒
排気量 1.0L ガソリン 1.3L ガソリン 1.5L ガソリン+モーター
最高出力
(+モーター)
69ps / 6,000rpm 99ps / 6,000rpm 74ps / 4,800rpm
(+ 61ps)
最大トルク
(+モーター)
9.4kgm / 4,300rpm 12.3kgm / 4,400rpm 11.3kgm / 3,600-4,400rpm
(+ 17.2kgm)
サスペンション
(フロント / リア)
ストラット / トーションビーム
燃費 21.6 km/L
(4.6 L/100km)
25.0 km/L
(4.0 L/100km)
34.4 km/L
(2.9 L/100km)
37.0 km/L
(2.7 L/100km)
年間燃料費
(10,000km)
5.8 万円 5.0 万円 3.6 万円 3.4 万円
価格 133 万円~ 148 万円~ 182 万円~ 189 万円~

※ リアパワーウインドウすら無い商用向けグレードは除く。

単純な所有コストで言えば、ハイブリッドにメリットはありません。10万キロ燃料費は1.3Lとハイブリッドで14万円の差額。車両価格差は34万円もあるので絶対に元は取れません。

走りに関しては、ハイブリッドは低速域でのトルクが圧倒的です。市街地走行中心の場合は、モーターでの無音発進を含めメリットが大きいです。燃料費ではなくトルク感や静粛性で選ぶならハイブリッドも良い選択になるでしょうね。ただしヴィッツハイブリッドの静粛性はアクアにかなり劣ります。

まとめ

ヴィッツハイブリッドとアクアはあらゆる面でほとんど同じですが、静粛性の差があるのでアクアの方が買いでしょう。差額7万円を払う価値は十分にあります。乗り比べるとヴィッツハイブリッドを選ぶ理由なんて無くなってしまいます↓

そもそもヴィッツにハイブリッドが設定されたのは、日本ではハイブリッド車が圧倒的に売れる現状では、ハイブリッド車のラインナップを増やした方がメリットが大きいからです。アクアよりヴィッツの内外装デザインを好む客に「ヴィッツにハイブリッドがあったらなぁ」と言われないためだけに設定したようなものです。元々海外向けにヴィッツハイブリッドが設定されていたわけですから、日本向けに追加設定するコストは大したことなかったのでしょう。

そもそも単純にアクアなんて作らずに、最初からヴィッツハイブリッド(ちゃんと静粛性高くね!)を売れば良かっただけの話ですよね。でもアクアを作ったのは、日本ではハイブリッド専用車の方が売れるからです。

日本人の「見栄」を刺激するためのアクア。そして単純にラインナップを増やすためにヴィッツハイブリッドが追加されたというわけです。たしかにアクアのハイブリッドシステムは良く出来ていて、売れるのもよく分かります。ただ、何がどう良いのかも分からずに盲目的にハイブリッド車を買うのはどうかと思いますね。プリウスC-HRハイブリッドでも差があったりするので、せめて静かなのを選びましょう。

アクアの試乗レビューはこちら↓

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