C-HR実車レビュー!やたら広く高級な内装は高そうだけどゴテゴテ。ちょっと凝り過ぎた?

     2017/02/03

トヨタの新型SUV「C-HR」の実車を見てきたので、レビューしたいと思います。見たのはハイブリッド車の上級グレード「G」。オプションもいくつか装着されている車両です。

今回は内装・実用性編! 高級感のある内装でしたが、頑張る方向が少しズレてる……?

実車レビュー エクステリア編はこちら↓

運転席周り

開けた瞬間に感じるのは高級感です。しかもそれが若干の押しつけがましさを伴っています。小型SUVにこういう内装っているんでしょうかね? コンパクトで高級というアウディ・A1とかA3みたいなのを狙っているんでしょうか?

アウディ・A3

でもアウディの内装はすっきりシンプル系です。C-HRの内装はゴテゴテ系なんですよね。

レクサス・IS

国産ゴテゴテ系でもレクサスの内装は整っているというかデザインに信念を感じます。C-HRは「ほれ!この車高級だろ!」と言われているような感覚がありました。

内装色

C-HR G/G-Tの内装

内装デザインをレビューした下の記事でも取り上げたように、上位グレード「G/G-T」の内装は茶色です。

写真で見ると明度の高い茶色に見えますが、実車で見ると写真より暗めの茶色の印象でした。特にダッシュボードはディーラー内の明るさでも焦げ茶色に見えましたね。昼間に外で見ると違って見えるかもしれません。

シートはオプションの本革ブラックが装着されていたので黒ですが、内装のあちこちが茶色いです。肘置き兼物入れのフタも茶色いですね。ドアの内張りがデコボコした硬い素材になっているんですが、これも茶色です。

濃いめの茶色だから比較的マシだとはいえ、これはオジサン向けのカラーリングですね。私は少なくとも「中年」と呼ばれる年齢まではこの色には乗りたくありません。

センターコンソール

センターコンソールは「S/S-T」ではブラック、「G/G-T」ではピアノブラックです。「ピアノブラック」って光沢のある黒、つまり「艶あり黒」を指す言葉じゃないんですかね?

ラメ加工されていて、やったらギラギラしてるんですよ。こんなの嬉しいんですか? ヤン車みたいでむしろカッコ悪いと思うんですけど。これを高級感と呼ぶんですか? そりゃコストは掛かるでしょうけど、こんな嬉しくないところにコストかけなくても。

普通につや消しの黒、表面をサラッとした加工にしておいて、必要に応じて合皮を当てれば十分じゃないですか。こういうことやるからゴテゴテになるんですよ。あれ?この車ってそもそもヴェルファイアみたいに「そういう人」向けの車でしたっけ? こんな内装で「今までトヨタに乗ってこなかった人にうんぬん」みたいに言われてもねぇ。こんなコテコテ内装やってきたのなんて、ここ数年ではトヨタくらいしか思いつかないんですけど。

しかも「G/G-T」ではシフトレバーの前後にあるドリンクホルダーは内部が光るそうです。光った写真がこちら↓

うわー。しかも青。これ嬉しいんでしょうか?

まぁ上位グレードの「G/G-T」は基本中高年向けのグレードですからね。茶色い+ラメ+青色LEDを好む人の感性は理解できません。ディーラーマンによると、購買層は30代とシニア層だそうです。やっぱり! 先日書いた「どうせ若者は買ってくれないから、金のある中高年に売れればいいや」という邪推そのまんまじゃないですか。

ステアリングデザイン

ステアリングはちゃんとカッコいいデザインです。ベースのプリウスのステアリングがダサいので心配しましたが、実際に触ってもなかなか良い質感でした。

プリウス

メーターは2眼+インフォメーションディスプレイです。左にパワー/エコ/チャージの謎メーター、右に車速という配置も含めてオーリスハイブリッドと同じです。

カーナビ

展示車には巨大な9インチモニターが付いていました。デカすぎですね。内装の中でディスプレイが主張しすぎです。画面見ながら運転するわけじゃないんですし、周りとのバランスを考えても7インチの方が適していますね。9インチだと7インチより10万円以上高い26万円というのも驚きです。

ただ、7インチになっても枠自体は同じサイズなので、モニター周りの飛び出し方が目立つのは同じです。ミニバンとかだと後続車からも見えるような巨大な画面を付けている人もいますからねぇ。そういう人にはウケるのかもしれません。

フロントシート

G/G-Tグレードに75,600円のオプション費がかかる本革ブラックシートです。座り心地は国産高級車的なふんわり系です。スポーツ走行に使えるほどのホールド感はありませんが、しっかり支えてくれるシートなので長時間の走行でも疲れにくいでしょう。

G/G-Tの標準シート

G/G-Tグレードの標準シートは茶本革+黒ファブリックのコンビネーションシートです。デザイン的にはコレが一番良いですね。茶色でさえなければなぁ。

S/S-Tのシート

S/S-Tグレードは黒ファブリックです。S/S-Tにはシートのアップグレードが用意されていません。

リアシート

リアシートがこのサイズの車とは思えないほどに広いです。前席を広く取っている状態でも、後席の足下には十分な余裕があります。リアに凝った造形を作った割にリアを広く取れているのは優秀ですね。Cセグメントハッチバックと比較しても、後席居住性の高さは上位に位置するでしょうね。

後席を広く取りながらも、リアシートを倒すとトランクとフラットに繋がります。この辺りはさすがトヨタというところ。

トランク

トランク部は面積こそ結構広いんですが、リアウインドウが大きく傾斜しているので高さはあまりありません。デザインの犠牲になったというところでしょうかね。普通に使う分に不自由するほどの狭さではありませんが、アウトドアやスポーツ、楽器などの大きな荷物を積む人は注意してください。

その他、凝った造形

他にもC-HRは凝った造形がたくさんあります。C-HRはデザインモチーフをダイヤモンドとしていて、ダイヤをかたどったデザインが随所に配されています。

ルームランプの穴までもダイヤになっています。

そして極めつけはコレ。

運転席・助手席の天井が所々凹んでいます。うーんコレ、いるのかなぁ……。「こんな所までダイヤなんですよ!」という話題作りにはなるかもしれませんが、デザインとしての意味が伝わってきません。意味のあるデザインはオシャレですが、意味の無いデザインは無駄です。境目が難しいんですけど。

もう一つ、凝ったポイント。助手席の足下にある物入れ、通称グローブボックスです。

押して開けるタイプになっていて、操作スイッチがフラットになっているんですよ。これも地味にコストがかかるでしょうから、ここまでやったのかという感じですね。

まとめ

内外装ともに、凝り過ぎです。良い意味でも悪い意味でも。やり過ぎな程のこだわりはトヨタには無かったものですね。トヨタが本気でこだわるのはコストカットくらいでしたから。チャレンジ精神は素晴らしいと思います。

ただ、「ここもコストかけたよ!」「ここも高いモノ使ったよ!」「どう?高級感あるでしょ!」みたいなドヤ感が出過ぎています。金かかってるねー!と思わせたかったんでしょうか。それが結果的にゴテゴテ感に繋がってしまったのだと思います。無駄をなくして良い素材を美しく配置するのがあるべき高級感だと私は思います。世界的にデザインの評価が高いiPhoneやMacBookって無駄を徹底的に無くしているじゃないですか。C-HRはそれとは逆を向いていますね。

結局色んな所にコストを掛けすぎたからガンガン高くなっちゃったわけです。たしかに内外装に「高額車感」は出ましたが、同クラスのライバルと比較したときの価格競争力がガタッと落ちました。デザインで指名買いしてくれるからいいや!という考え方もあるでしょうが、それでは若者には売れません

ちなみに、販売数の印象は[ハイブリッド:ターボ = 7:3]だそうです。ハイブリッドが多いのは予想通りでしたが、ターボが3割も売れているんですね。1,470kgという重量車に対して1.2Lターボですからねぇ。4WDという付加価値があるとはいえ、3割も売れているのには驚きです。C-HRのスペック&価格に書いたように、分からない人はハイブリッドを買っておくべきです。

※ 追記:他のディーラーでも聞いてみると、8:2 や 9:1 という回答もありました。地域差もあるでしょうから、全国的には 9:1 くらいになっていることと思います。

C-HR実車レビュー エクステリア編はこちら↓

C-HRとライバルの比較はこちら↓

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