ルーミー/タンク/トールを軽と比較。価格・維持費・性能はどれくらい差があるの?

   

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トヨタから発売された新型車「ルーミー」と「タンク」、それにダイハツ「トール」。軽自動車ではありませんが、サイズはかなり小さいですし、開発も軽自動車が専門のダイハツです。

となると気になるのが軽自動車と比較して魅力的なのかということ。価格や維持費、性能などを比較してみました。

ルーミー/タンクのデザイン・スペックの評価や、スズキ・ソリオとの比較はこちら↓

ルーミー/タンクの試乗記はこちら↓

トヨタ・ルーミー/タンク(ダイハツ・トール,スバル・ジャスティ)

トヨタから新型モデル「ルーミー」と「タンク」が発売されました。

販売上のメインはトヨタのようですが、開発元であるダイハツからは「ダイハツ・トール」として販売されますし、トヨタ傘下のスバルにもOEM供給されて「スバル・ジャスティ」として販売されます。名前が4つもある理由や違いはこちら↓

ルーミー/タンク(以下、トール/ジャスティは省略します)は、乱暴に言えば人気のスズキ・ソリオをトヨタがパクってみたという車です。ほぼ同額の後発なのに、スペックでソリオに負けているという残念な車だったりもします。

スズキ・ソリオは、元々は「ワゴンR」を大きくして普通車(登録車)にした「ワゴンR ソリオ」が発祥です。その後晴れて単独車種になりました。別車種にはなっているものの、エンジンは排気量以外軽自動車とほぼ同じ設計ですし、内装のクオリティは軽自動車と大差ありません。軽自動車の「S-エネチャージ」と全く同じ技術なのに、普通車に載せると「ハイブリッド」と名乗ってしまうあたりちょっとイタいです。

造りは軽自動車・税金は普通車という軽自動車と普通車の悪いとこどりみたいな車なんですが、実際に軽と比べてどうなのか調査しました。

車両サイズ

ルーミー/タンクは、車体や排気量こそ普通車ですが、ジャンルは「軽トールワゴン」に当たります。居住性を重視した背の高い箱型の車で、電動リアスライドドアが装備されるのも特徴です。

電動リアスライドドア(片側のみも含む)を装備する、ダイハツ・タント、ホンダ・N-BOX、スズキ・スペーシアと比較してみましょう。

車種名 トヨタ
ルーミー/タンク
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ダイハツ
タント
tanto-1-s
ホンダ
N BOX
n-box-1-cut
スズキ
スペーシア
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現行モデル発売月 2016年 11月 2013年 10月 2011年 12月 2013年 3月
定員 5名 4名
全長 3,700 mm 3,395 mm 3,395 mm 3,395 mm
全幅 1,670 mm 1,475 mm 1,475 mm 1,475 mm
全高 1,735 mm 1,750 mm 1,780 mm 1,735 mm
ホイールベース 2,490 mm 2,455 mm 2,520 mm 2,425 mm
車両重量 1,070 kg 930 kg 950 kg 850 kg
室内長 2,180 mm 2,200 mm 2,180 mm 2,215 mm
室内幅 1,480 mm 1,350 mm 1,350 mm 1,320 mm

とりあえずタントとスペーシアがそっくりすぎですね。現行モデルだけ見ればタントの方が後発ですが、タントはこれで3代目。初代は2003年発売で、その頃からデザインをあまり変えていません。ワゴンRデザインの「パレット」が不発に終わったスズキが、車名を変えて思いっきりタントに似せてきたのが「スペーシア」という流れです。

ホンダ・N-BOXは参入が一番遅れましたが、今では結構な人気車種になっていますね。N-BOXは来年にフルモデルチェンジが予定されていますので、今はモデル末期です。

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さて、サイズですが、トールワゴンらしく車高はどれも1,700mm台というかなりの高さです。もちろん機械式駐車場は使えません。高さが幅よりかなり大きい軽自動車では、強風や急ハンドルでの横転のリスクにも注意してください。

全長はルーミー/タンクが軽自動車より30cm長いです。でもその全長はエンジンルームに使われているのか、カタログ上の室内長は軽自動車とほど同一です。

一方全幅には随分余裕ができます。車体幅が20cm大きくなった分、室内幅は13cmも広くなっています。軽自動車枠という箱に入るギリギリサイズの軽に比べれば、デザイン的にも余裕がありますね。

トールワゴンなので、車両重量は相変わらず「このエンジンなのにこんなに重いのか」ってくらい重いです。これはルーミー/タンクも軽自動車も同じ。

エンジン・装備・価格

少なくとも片側が電動スライドドア自動ブレーキ装備という条件で、最も安いグレードを比較してみましょう。

車種名 トヨタ
ルーミー/タンク
roomy-1-s
ダイハツ
タント
tanto-1-s
ホンダ
N BOX
n-box-1-cut
スズキ
スペーシア
spacia-1-cut
グレード X "S" X SAII G・Lパッケージ X
(自動ブレーキ付き)
駆動方式 FF
トランスミッション CVT
エンジン形式 直列3気筒
排気量 1.0L ガソリン 660cc ガソリン 660cc ガソリン 660cc ガソリン
(+モーター)
最高出力
(ps=馬力)
69ps 52ps 58ps 52ps
最大トルク 9.4kgm 6.1kgm 6.6kgm 6.4kgm
フロントサス ストラット
リアサス トーションビーム トーションビーム 車軸 I.T.L. (車軸)
JC08モード燃費 24.6 km/L
(4.1 L/100km)
28.0 km/L
(3.6 L/100km)
25.6 km/L
(3.9 L/100km)
32.0 km/L
(3.1 L/100km)
電動スライドドア 左側:標準装備
右側:なし
左側:標準装備
右側:オプション
(48,600円)
左側:標準装備
右側:オプション
(54,300円)
左側:標準装備
右側:オプション
(46,440円)
自動ブレーキ 標準装備 標準装備 オプション
(61,960円)
標準装備
自動ブレーキ
作動範囲
(速度差)
スマートアシストⅡ
30km/h 以下
スマートアシストⅡ
30km/h 以下
シティブレーキ
アクティブシステム
30km/h 以下
デュアルカメラ
ブレーキサポート
100km/h 以下
価格
(ルーミーとの差額)
153 万円~ 142 万円~
(-11万円)
(自動ブレーキ含む)
143 万円~
(-10万円)
146 万円~
(-7万円)

※ I.T.L.はスズキ独自の形式で、車軸懸架の一種です。

エンジン性能

排気量の差が顕著に表れたエンジン性能。注目して欲しいのは最大トルクです。普段街中を走っているときに「よく走るか」を表せるのがトルクの値です。

1.0Lエンジンを搭載するルーミー/タンクは、軽自動車の1.5倍のトルクがあります。街中を走るときですら不足を感じる軽自動車に比べれば、かなりまともに走るように感じます。ですが、これでも高速道路にはパワー不足。高速道路も普通に走ろうと思ったら、最低でも1.3Lか1.0Lターボ、できれば1.5Lか1.2Lターボ以上は欲しいところですね。

スペーシアだけは名目上モーター付きのハイブリッド車とも言えますが、モーターが活躍するのは発進時だけです。燃費をほんのちょっと改善する程度だと思っておきましょう。

電動(パワー)スライドドア

ルーミー/タンクの電動スライドドアは、最下位グレードの「X」系列では左側のみで、右側はオプションでも装着できません。両側電動スライドドアにするには、15万円アップの中位グレード以上にする必要があります。

一方軽自動車群は右側電動スライドドアがオプションで、どれも約5万円です。下位グレードを検討していて両側電動スライドドアを装備しようとすると、さらに10万円ほどルーミー/タンクが高くなりますね。もちろんグレードが上がる分、装備内容は豪華になります。

スライドドアいるの?

まぁそもそもの話として、このクラスの車に重いスライドドアを載せること自体が分不相応な気がします。しかも電動ですよ。高級装備に見えて魅力的かもしれませんが、重さで燃費悪化開閉が遅い挟み込みや故障のリスクなどデメリットも色々あります。大型ミニバンならともかく、車幅の狭い車をスライドドアにすることが乗降性に寄与しているかすら疑問です。

子供が開閉でドアパンチするリスクがあるのかもしれませんが、そこはちゃんと躾で対処すべきです。昔はスライドドアなんて無くても子供が乗ってたじゃないですか。言い聞かせてもドアパンチするような子供は、手に持ったおもちゃが隣の車に当たっても気にしないと思うので、親がちゃんと乗せ降ろししてください。スライドドアを自分で開ける方が危険です。

どうしてもスライドドアが必要なのは、普通車が駐車不可能なほど狭い駐車場に停める(ルーミーは選択肢に入らない)とか、ヒンジ式ドアを閉められないほど弱った高齢者を乗せる(だったら乗り降りも介助しなさいな)とかくらいしかないのでは、と思います。

世の奥様方は表面に見えるモノ(便利/高級そうな装備・無駄に多い収納・安い税額やガソリン代)にしか興味が無いんですかね。

自動ブレーキ

ルーミー/タンクやタント、N-BOXの自動ブレーキが結構低速でしか作動しないのに対して、スペーシアだけが時速100キロまで作動可能です。

スペーシア以外はレーダーで前方を見ていますが、スペーシアはステレオカメラを装備しています。作動範囲が広いだけではなく、歩行者もある程度検知可能なこともメリットですね。

スペーシア以外は渋滞時(すでにノロノロ運転)のうっかりを防ぐ程度にしかならないでしょうね。急な先行車の減速に気づくのが遅れたなどは差動範囲外になっている可能性大です。

自動ブレーキ有無での差額は、ルーミー/タンクとタントは64,800円、N-BOXは61,960円、スペーシアは75,600円です。ダイハツ・ホンダのレーダー式に比べると、スズキのステレオカメラ式の方がコストがかかるはずなので、スペーシアの自動ブレーキは割安感がありますね。

各社自動ブレーキの詳しい性能差や違いについてはこちら↓ ルーミー/タンクは軽のタントと同じ「スマートアシストⅡ」です。

車両価格

車両本体の価格差は10万円程度です。ルーミー/タンクが安いというより、軽が高すぎなんです。なんで小さなエンジンが載った大きな箱にこんな高い金額払わなきゃいけないんでしょうね。

車体価格だけなら、サイズにもエンジンにも余裕があるルーミー/タンクの方が魅力的に感じます。

軽自動車が売れるのは、ある意味日本でハイブリッドカーがやたら売れる理由に似ています。クルマ自体にお金を余分に払うのはまだ許せるけど、税金やガソリンにはできる限りお金を出したくないということです。

維持費

維持費はどれくらいの差があるのでしょうか?

ガソリン代と法定維持費(税金と自賠責保険)について比較してみましょう。燃費についてはカタログ燃費を元に、排気量を踏まえた推定実燃費としています。

ルーミー/タンク タント N-BOX スペーシア
年間走行距離 10,000 km
実燃費 19.7 km/L
(5.1 L/100km)
(カタログ燃費の80%)
19.6 km/L
(5.1 L/100km)
(カタログ燃費の70%)
17.9 km/L
(5.6 L/100km)
(カタログ燃費の70%)
22.4 km/L
(4.5 L/100km)
(カタログ燃費の70%)
ガソリン代 60,976 円 61,224 円 66,964 円 53,571 円
自動車税
(年額)
29,500 円 10,800 円
自動車重量税
(1年あたり)
12,300 円 3,300 円
自賠責保険
(1年あたり)
13,920 円 13,185 円
年間維持費
(ルーミーとの差額)
116,696 円 88,509 円
(-28,186 円)
94,249 円
(-22,446 円)
80,856 円
(-35,839 円)

※ ガソリン代はレギュラー120円で計算。

維持費は、軽自動車に比べて年間で2万円~3.5万円の差がつくことが分かりました。もしこの車を10年乗るとすると、車の生涯維持費は20万円~35万円ほどになります。結構大きいですね。

10年10万キロで考えると、車両価格を含めて30~50万円程度の差が付くことになりますね。(走行性能はともかく)高速道路料金は軽の方が安いですし、任意保険の金額も軽自動車の方が多少安いでしょうから、実際の差額はさらに開くと思います。

まとめ

車両本体価格だけで見れば、軽に比べて性能がかなりマシになるルーミー/タンクの方が魅力的ですが、維持費も含めると結構差が大きいですね。数十万円も差が付く割に、排気量は1.0Lとまだまだ不足気味ではありますし、内外装のデザインや品質は正直軽自動車と変わりません。

やはり立ち位置が微妙で、お金を気にするなら妥協して軽自動車か安いパッソにした方がいいでしょうし、走りや品質を求めるならヴィッツやデミオといったコンパクトカー、広さを求めるならシエンタフリードの方が満足度が高いでしょう。

それでもルーミー/タンク/トール/ジャスティがいいなぁと思うのであれば、ちゃんと予習してディーラーの口車に乗せられないようにしましょう。

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