メルセデスベンツC200試乗レビュー!ラグジュアリーDセグセダンの完成形

     2017/04/09

メルセデスベンツ・Cクラスの2Lターボエンジンを搭載したモデル「C200」を試乗してきました。

C180はパワー不足でしたが、C200はどうなのでしょうか? ライバルであるBMW 320iと比べた走りの差は?

Cクラスのディーゼルモデルの試乗レビューはこちら↓

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メルセデスベンツ・Cクラス

Cクラスの立ち位置や他社との比較についてはこちら↓

Cクラスのラインナップ

Cクラスはエンジンの違いによって5種類に分かれています。

C180 C200 C220d C250 C350e
(プラグインハイブリッド)
排気量 1.6Lターボ 2.0Lターボ 2.2Lディーゼル 2.0Lターボ 2.0Lターボ+モーター
出力/トルク
(モーター分)
156ps / 25.5kgm 184ps / 30.6kgm 170ps / 40.8kgm 211ps / 35.7kgm 211ps / 35.7kgm
(+ 82ps / 34.7kgm)
セダン価格 436 万円~ 545 万円~ 570 万円~ 670 万円~ 721 万円~

前回の試乗で最下位モデルの「C180」に試乗しましたが、明らかなパワー不足でした。

今回はよりハイパワーな2.0Lターボエンジンモデル「C200」に試乗しました。

C250との違い

C200とC250は同じ2.0Lターボエンジンですが、エンジン出力が異なります。これは単にECU(エンジン制御コンピューター)の設定の違いによって出力特性を変えているようで、搭載されているエンジン自体は同一のようです。

BMWでも同様にECUの違いで320iと330iに分けています。エンジンの種類を増やさずに(≒コストを掛けずに)ラインナップに幅を持たせるためには有効な手段なのかもしれませんが、ECUの設定だけで100万円以上の価格差をつけるのはどうも納得がいきませんね。

走り

加速力

明らかなパワー不足だったC180と異なり、C200のパワーは必要十分です。踏めばちゃんと加速しますし、物足りなさはありません。

でも高回転まで回したときの「伸び」はBMW・320iほどではありません。320iの方が高揚感が感じられてスポーツセダンのイメージにマッチしているのに対して、C200は踏んだ分だけスピードが上がる(それ自体は褒められること)だけで、期待を超える加速力があるわけではありません。

最高出力はどちらも合わせたように184馬力。でも最大トルクは30.6kgmと、320i(27.5kgm)より厚いです。最高出力の184ps/5,500rpmが出るときは24.0kgm。C200の方が低速域からガッツリトルクが出るので、高回転まで回したときのトルクの落ち込みが大きく、結果的にC200の方が伸びないと感じてしまうのでしょう。数値的にはC200の方が高性能だということになります。

ともかく、1.5トン級のセダン+2.0Lターボエンジンという組み合わせに求める加速力としてはC200も320iも十分です。特に不満が出るものではないでしょう。

足回り

試乗したC200にはエアサスペンションが装備されていました。ふんわり柔らかく滑らかで、良い意味で宙に浮いてるような路面から独立した感覚でした。同じ柔らかい足回りでも、ふわふわして振動が収まらないトヨタ車と違って収束は早いです。

非エアサスでも十分に乗り心地の良い足回りでしたが、エアサスはさらに上質です。路面から受ける不快な振動をことごとく消し去って、必要最小限のロードインフォメーションだけをドライバーに伝えます。いや若干不足していますね。私はもう少し伝えてほしく感じました。同乗者の快適性という意味ではDセグメントでトップクラスの乗り心地だと思います。

Cクラスは後輪駆動(FR)です。それなりの速度でコーナリングすれば一応FR感はあります。でもいわゆるスポーツセダンの感覚とはまったく違います。加減速においてもコーナリングにおいても、スムーズに走れることに重点を置いていて、「走りを楽しむ」というタイプの車ではありません。そちらを期待するならBMW・3シリーズにすべきでしょう。

快適高級セダンとして十分に完成された足回りになっていました。

トランスミッション

トランスミッションは9速AT(トルコン式)です。以前はディーゼルモデルのみ9速で他は7速でしたが、2017年2月頃からエンジンに関わらず9速ATが装備されるようになりました。

トランスミッションにあまり不満はありません。ただ、マニュアルモードで高回転まで回してから変速すると、変速ショックがやや大きかったことだけは気になりました。AMTDCTならある程度仕方ないのかもしれませんが、トルコン式の9速ならもっと穏やかな変速をしてくれてもいいんじゃないかと思います。でもCクラスを買う人の多くはそんな高回転まで回さないのでしょうね。

走行モードをスポーツ系統にせず、自動変速モードで走っている分にはトランスミッションは完全に黒子に徹しているようで、9速という多段であることも含めて不快なショックや違和感を感じさせることはありませんでした。

トランスミッションのマニュアルモードの使いにくさや、ドライビングポジションについてはこちら↓

静粛性

エンジンパワーに余裕が出てきたこともあって、C180で気になったエンジンのうるささは感じませんでした。エンジン自体は特段静かというわけではありませんが、元々車体の遮音性が高いので車内は十分な静粛性があります。

このクラスの車の方向性は2種類あります。一つはCクラスのように静かな高級感を出す方向。もう一つはBMW 3シリーズのようにエンジン音を聞かせてスポーツを感じさせる方向。足回りだけでなく静粛性設計の面でも、Cクラスは明確にスポーツよりも高級感という方針で作られています。

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ラグジュアリーDセグの完成形

総合的にメルセデスベンツ・C200は、ラグジュアリーDセグメントの完成形に達していると感じました。

必要十分なパワーを持ち、プレミアムDセグメント随一の安定した足回りと乗り心地、トルコン式ATの(現時点での)究極たる9速ATといったメカニズム面、先進性と高級感を兼ね備えた内装デザインはラグジュアリー(豪華さ)を感じさせるのに十分です。価格はC200で525万円~と同クラスのドイツプレミアムブランド(ベンツ・BMW・アウディ)と差はなく、競争力に問題はありません。単純なエンジン性能で言えばもっと上もありますが、車の性格や価格とのバランスが取れる最適なラインはC200でしょう。

ただし不満点がないわけではありません。中身の作りは完全にスポーツよりもラグジュアリーなのに、内外装はスポーツに寄っています。先々代(2000~2007年)まではラグジュアリー志向のデザインだったんですが、先代からスポーティなデザインになってきました。その割に中身は完全にラグジュアリー志向のまま。走行モードこそ「Sport」「Sport+」が用意されてスポーツ走行ができそうに見えますが、そもそもエンジン特性や足回りがスポーツに向いていません。このデザインにするならもっとスポーツな面を見せて欲しいものです。

微妙に気になった所としては、リアシートの座面の前後長が短いです。ボディサイズに起因する小ささなら仕方ありませんが、フロントシートまでの距離は十分あり、空間的な要因ではなさそうです。

直接競合するのはレクサス

Cクラスと同じくラグジュアリー志向で完成されているのがレクサスですが、やや毛色が違います。

レクサスはディーラーの対応や内装の質感の高さを含めて、高級・高品質な車に乗っていることを強く感じさせてきます。一方ベンツは上質とカッコ良さを半々ぐらいに振っています。走りは高級側に倒しすぎている感がありますが、内外装デザインにはスポーツを感じます。レクサスのようにあっちこっちにレザーを多用して「どうだ高級車だろ!」という感じはなく、シンプルさやミニマリズムを忘れていません。

電子制御だったりメーターパネルデザインだったりに先進性を感じさせているのはレクサスと同じです。世界のブランドの中でメルセデスベンツと直接競合するのはレクサスで、逆もまた然りでしょう。

アウディは内装の美しさ(≠カッコ良さ)や縦置きFF、外観の(良い意味での)おとなしさ、それに評価の高い4WDシステム「クアトロ」があります。ベンツと似た部分がありつつも独自の方向を向いています。

BMWは走りの楽しさを前面に出していて、路面から断絶されるような高級感とは一線を画しています。

ボルボは先進安全装備でメルセデスベンツと競争していますが、車造りの方向は異なります。ボルボには押しつけがましいほどの高級感というのはなくて、むしろスカンジナビアデザインとも呼ばれる一風変わったオシャレデザインや衝突安全性能の高さを訴求しています。

純粋に「高級車に乗りたい」「ラグジュアリーを感じる車に乗りたい」というのであれば、メルセデスベンツとレクサスが良い選択肢となるでしょう。

 

スペック比較

ドイツプレミアム3ブランドと、レクサスのDセグメント車を比較してみましょう。

車種 メルセデスベンツ
Cクラス
BMW
3シリーズ
アウディ
A4
レクサス
IS
グレード C200アバンギャルド 320i スポーツ 2.0TFSI IS300h
全長 4,690 mm 4,645 mm 4,735 mm 4,680 mm
全幅 1,810 mm 1,800 mm 1,840 mm 1,810 mm
全高 1,435 mm 1,440 mm 1,430 mm
ホイールベース 2,840 mm 2,810 mm 2,825 mm 2,800 mm
車重 1,540 kg 1,580 kg 1,540 kg 1,680 kg
駆動方式 FR FF FR
トランスミッション 9AT 8AT 7AT CVT
エンジン形式 直列4気筒
排気量 2.0L ガソリンターボ 2.5L ガソリン
+モーター
最高出力
(+モーター)
184 ps 190 ps 178 ps
(+143 ps)
最大トルク
(+モーター)
30.6 kgm 27.5 kgm 32.6 kgm 22.5 kgm
(+30.6 kgm)
フロント
サスペンション
マルチリンク ストラット ダブルウィッシュボーン
リア
サスペンション
マルチリンク ダブルウィッシュボーン マルチリンク
燃費 14.2 km/L
(7.0 L/100km)
16.0 km/L
(6.3 L/100km)
18.4 km/L
(5.4 L/100km)
23.2 km/L
(4.3 L/100km)
燃料 ハイオク レギュラー
年間燃料費
(10,000km)
レギュラー127.5円
ハイオク144.5円
10.2 万円 9.0 万円 7.9 万円 5.5 万円
価格 525 万円~ 532 万円~ 518 万円~ 515 万円~

単純にスペック上の性能だけを見れば、レクサスのコストパフォーマンスの高さが光りますね。モーターも含めたシステム全体の出力はトップです。しかし、ハイブリッドは出足の良さや街乗りでの燃費が魅力なのであって、高速走行や定速巡航は苦手です。巡航ではバッテリーやモーターが無駄な荷物になるので、走行性能や燃費はむしろ悪化します。長距離移動主体の使い方ならハイブリッドを選ぶべきではありません。(レクサス・ISには一応ダウンサイジングターボモデルもあります)

まとめ

乗り心地の良さでラグジュアリーなDセグメントの完成形を見ました。遮音性と乗り心地が車両のレベルに合っていて、プレミアムDセグメント系では最もラグジュアリーを表現できている車だと思います。そういった点で評価すればとても素晴らしい車でしょう。

ただし内外装デザインからスポーツを期待してはいけません。スポーツセダンとしての走りが欲しければ大人しくBMWにすべきです。

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