メルセデスベンツCクラス試乗レビュー!1.6LターボのC180ではさすがに非力過ぎか?

     2017/04/09

メルセデスベンツ・Cクラスを試乗してきました。最もベーシックな「C180」、1.6Lターボエンジンを搭載しているモデルです。

ベンツのベーシックなDセグメントセダンはどんな走りなのでしょうか? 3シリーズやA4と比べてどうでしょうか?

Cクラスのディーゼルモデルの試乗レビューはこちら↓

メルセデスベンツCクラスってどんな車?

CクラスはメルセデスベンツのDセグメント車です。アルファベットの関係が分かりにくいですね。セグメントはA, B, C, D, E, Fの順ですが、ベンツはA, C, E, Sの順です。

メルセデスベンツ
Aセグメント
(ヴィッツ未満)
(スマート・フォーフォー)
Bセグメント
(ヴィッツクラス)
Cセグメント
(アクセラクラス)
Aクラス
Dセグメント
(スカイラインクラス)
Cクラス
(Compact, Comfort)
Eセグメント
(クラウンクラス)
Eクラス
(Executive)
Fセグメント
(セルシオクラス)
Sクラス
(Special)

BMWは[(数字)シリーズ]、アウディは[A(数字)]なのでまだいいんですが、ベンツは[(アルファベット)クラス]。アルファベット同士なので分かりにくいですね。

A, C, E, Sの4車種の他にも派生車種がいくつかあります。例えばAクラスをベースでは、車高を高くして車内を広くしたBクラス、SUV風に仕立てたGLAクラス、クーペ風スタイルにしたCLAクラスなどが設定されています。

メルセデスベンツブランドではCセグメント以上しかありませんが、メルセデスベンツ系列の「スマート」ブランドでAセグメント車を出しています。スマート・フォーフォーは、ルノーとの共同開発車で、ルノー・トゥインゴとプラットフォームを共有しています。

プレミアムDセグメント

CクラスはDセグメント。マツダ・アテンザトヨタ・マークX日産・スカイラインフォルクスワーゲン・パサートなどと同じクラスです。実用車感が強いCセグメントに比べると、余裕や風格が出てくるクラスです。

高級車ブランドであるBMW・メルセデスベンツ・アウディの3社は「ドイツプレミアム御三家」とも呼ばれていて、それぞれのDセグメント車、3シリーズ・Cクラス・A4は特に「プレミアムDセグメント」と区分することもできます。日本車ではレクサス・ISがプレミアムDセグメントに属します。

Cクラスのグレード構成

Cクラスはエンジン出力によって5グレードに分かれています。ここからさらに装備によっていくつかのグレードに分かれます。Cクラスにはセダンの他にステーションワゴンとクーペ、オープンがありますが、エンジンなどの基本システムは共通しています。

C180 C200 C220d C250 C350e
(プラグインハイブリッド)
排気量 1.6Lターボ 2.0Lターボ 2.2Lディーゼル 2.0Lターボ 2.0Lターボ+モーター
出力/トルク
(モーター分)
156ps / 25.5kgm 184ps / 30.6kgm 170ps / 40.8kgm 211ps / 35.7kgm 211ps / 35.7kgm
(+ 82ps / 34.7kgm)
セダン価格 436 万円~ 545 万円~ 570 万円~ 670 万円~ 721 万円~

下位モデルの「C180」系統は1.6Lターボで436万円~。排気量はAクラスの「A180」(298万円~)と同一ですが、最大トルク・最高出力はA180よりも25%増強されています。

C200・C250・C300(2ドアオープンのみの設定)はいずれも2.0Lターボですが、数字が増えるほどトルク・出力がアップします。最近はこうやって「同一エンジンをECUの設定の違いでグレード分けする」という構成が増えていますね。BMWも同様の手法を用いています。エンジンや補機類の許容出力が上がるならまだしも、単にECUの設定の違いだけだとなんだか癪ですよね。まぁそんな人は買ってくれなくていいというのがベンツやBMWの商売なのでしょう。

今回はCクラスセダンのベースグレード、C180に試乗しました。スペック的にはDセグメントとしては非力かな、という値です。

走り

加速感

A180に比べれば加速感に少し余裕があります。A180比で車重は70kg増し(5%アップ)ですが、出力は34馬力増し(25%アップ)なので当然ですね。でもこれでやっとプレミアムCセグメントとして平均的な性能かな、という感じです。プレミアムDセグメントとしては非力すぎます。そして問題の本質は非力なことよりも、加速時にエンジンを回さないといけないためにエンジンがうるさいことです。

メルセデスベンツ・BMW・アウディの3社から出ているDセグメント車は、談合か!ってほどに似たような排気量の車を似たような値段で出しています。

メルセデスベンツ
Cクラス
BMW
3シリーズ
アウディ
A4
C180
1.6Lターボ
436 万円~
318i(SE除く)
1.5Lターボ
446 万円~
1.4TFSI
1.4Lターボ
447 万円~
C200
2.0Lターボ
545 万円~
320i
2.0Lターボ
532 万円~
2.0TFSI
2.0Lターボ
518 万円~

談合でもなんでもなくて、ヨーロッパでは日本以上に車格が重要視されます。環境基準の厳しさも含め、似たような設計の車になってしまうのでしょう。どれもダウンサイジングターボを搭載していることも特徴的です。

プレミアムDセグメントという車格からイメージされる走りを実現できるのは、どのブランドでも下の列、2.0Lターボ以上が必要です。上の列のエンジン(1.4~1.6Lターボ)では車格こそDセグメントにはなりますが、走りの面ではDセグメントほどの質にはなりません。正直一部のCセグメント車にすら劣るレベルの質感です。

C180も予想されるとおり、Dセグ車としては明らかに非力でした。踏んだらスルスルと静かに加速してくれることを期待したのですが、小さいエンジンが頑張って重い車体を動かす感じでした。いくらダウンサイジングの潮流があるとはいえ、500万円クラスの車でこの走りはなんとも残念です。これでは無理してDセグメント車を買った感が出てしまって、Cセグメントの中位グレード辺りの方がよっぽど上質な走りをしてくれます。

走行モードは「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」「エコ」と4段階用意されていて、アクセルペダルの反応やエンジン出力の出方、変速タイミング、パワステの制御が変化します。スポーツ+では確かにアクセルの反応が良くなりますし、自動シフトではかなりギアを引っ張ります。スポーツは単純にスポーツ+とコンフォートモードの中間と言った感じでした。

もちろん排気量が変わるわけではないので、モードを変えて加速が良くなってもエンジンがうるさいことに変わりはありません。C180はとにかく出力不足がすべてです。

3シリーズとA4は2.0Lターボしか乗ったことがないので、加速力を比較するならC200に試乗する必要がありますね。C200もいずれ乗ってみることにします。

足回り

印象の良かったAセグメント以上にしっとりとした上質な足回りです。穏やかで不快なショックを感じない一方で、トヨタ車のようなふわふわとした揺れもありません。足回りに関してはしっかりと上級車らしい出来になっています。(スポーツ走行ではない)通常の走行時の乗り心地では、3シリーズA4を上回っていました。

Cクラスでも、上位グレードになるとオプションでエアサスペンションが装着できますが、C180は通常のバネです。バネでもかなり乗り心地が良いので、エアサスの方も気になりますね。エアサスの場合は走行モードによって乗り心地を変えることもできるので、そちらも試してみたいです。

トランスミッション

AクラスDCTですが、Cクラスはトルコン式ATです。発進・変速共にかなりスムーズですね。変速段数が多い(7速)こともあって、エンジン回転数の変化も穏やかです。

変速段数は2017年2月頃から9速に変更されるそうです。トルコン式ATを含め、ATは多段化が著しいですね。自動変速モードで運転している分には多い方が燃費的にも走り的にもいいんですが、自分で変速したい場合はやや使いにくい(1段変えても回転数や発生トルクの変化が小さい)かもしれません。

セレクトレバーがステアリング横にある関係で、通常のシフトノブの位置ではギア選択ができません。ギア選択はパドルシフトでのみ操作できます。ギア選択自体はパドルシフトのみでほとんど問題は無いのですが、微妙なのはオートとマニュアルの切り替えです。一度パドルを押せばマニュアルに切り替わる一方、オートへの切り替えは2通りあります。

オート → マニュアル パドルを操作
マニュアル → オート パドルを操作せずに一定条件経過するか、
「+」側のパドルを長押し

何が問題かというと、しばらくパドルを操作しないと勝手にオートモードに戻ってしまうということです。つまり、マニュアルモードの固定ができません。「しばらく操作しない」の条件ははっきりしておらず、変速すべきタイミングでも操作をしないようなら自動でオートに戻すとのこと。そしてオートモードへの移行は停車時でも起きるとのこと。マニュアルで走りたいのに、気づいたらオートになっていて勝手に変速しているなんてことが起きます。長い下り坂でギアを落としてエンジンブレーキを効かせようなんてとき、勝手にギアを上げたりするんでしょうかね?

なのでメルセデスベンツの車は、基本的に自動変速で走行しなさい、ということに感じます。マニュアルモードを使うのはあくまで一時的で、普段はオートで安楽に走りなさいということなのかもしれません。まぁ元々AT車というのは元々マニュアル変速するものではないので、これでいいのかもしれませんが、おそらくスポーティを標榜するBMWなどはこういう設計にしないでしょうね。

アバルト・595(AT車)

アルファロメオ・4Cやアバルト・595のように、「A/M」スイッチで明示的に切り替えができる方が親切なように感じます。「A」でパドルシフトを操作した場合は一時的なマニュアルモード、「M」の場合はパドル操作に関わらずマニュアルモード。まぁこの辺りの考え方の違いを受け入れられるかも、メルセデスベンツが合うかの指標のひとつなのだと思います。

ドライビングポジション

シート調整スイッチ(左ハンドル車のもの)

最下位グレードの「C180(無印)」を除く前グレードでシート調整が電動です。調整範囲が広く、セダンらしい低めのポジションにも設定できます。シート調整スイッチがシートをそのまま模した形状になっているのが面白いんですが、こんな面白スイッチがドア内張に堂々と鎮座しているのはあまりカッコ良くありませんでした。

ステアリングのチルト・テレスコピックも最下位グレード以外では電動調整です。シートのメモリー機能と連動しているので、所有者以外(妻など)が運転する場合には調整が楽ですね。ステアリング位置はかなり手前まで引けるようになっているので、高速道路での長距離巡航でも比較的楽な姿勢を取りやすくなっています。

ペダルに関してはやや不満が残りました。アクセルとブレーキのペダルの位置関係が悪く、ブレーキを踏むために足を引く必要があります。ブレーキペダルがアクセルに対して手前過ぎるんですね。ACC(アダプティブクルーズコントロール)を使う際にはアクセルもブレーキを踏まずに走行(先行車追従)できますが、いざという時のためにブレーキを踏めるようにしておくのがセオリーです。その割にはブレーキ手前に足を置いておくのが難しいペダル配置に感じました。

そして左足を置くフットレストは横幅が小さすぎます。普通に端に置くだけで靴の一部が右にはみ出します。Cセグメント車ならこれくらい我慢しろという感じですが、楽な長距離巡航を期待するDセグメントでこれはいただけません。おそらく左ハンドル車ではもっと余裕のある設計なのでしょう。セレクトレバーの配置も含め、右ハンドル国を軽視している感じがしますね。まぁ欧州メーカーは全体的にそうなんですが、BMW3シリーズ、アウディA4と比べてもちょっと印象が悪かったですね。

機能性

AクラスやEクラスなどの他のメルセデスベンツ車と共通するところですが、サイドブレーキ(電磁式)を引いた状態でもアクセルを踏めば発進できます。ただ、サイドブレーキは元々安全のための装置でもあるので、アクセルだけで走れてしまうのはどうかな、という感じもします。

停止中にブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキがロック状態になってペダルを離しても停止したままになります。信号待ちや渋滞中は足が楽でいいですね。これもメルセデスベンツ車共通の装備だそうです。

まとめ

C180ではダメです。足回りは素晴らしい出来ですが、エンジンがうるさすぎですね。いただけない。やはりC200に乗ってみないとCクラスを正しく評価はできないのでしょうね。

ということでC200にも乗ってきました↓

ライバルたるBMWやアウディのDセグメント車試乗レビューはこちら↓

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