スープラ後継はBMWエンジンのハイブリッドになるのか?徹底分析。
2017/01/27
トヨタ・スープラの後継車と噂される車について、興味深い話が入ってきました。BMWのエンジンにトヨタのハイブリッドシステムを組み合わせるのだそうです。
その噂の信憑性に迫りました。
Z4/スープラ後継のスパイショットはこちら↓
目次
トヨタ・スープラの後継車
かつての「スープラ」
スープラはトヨタがかつて作っていたスポーツカーです。
元々は1978年に発売されたセリカXX(ダブルエックス)の輸出名が「スープラ」でした。その1986年に後3代目にモデルチェンジした際に、日本での車名も「スープラ」に統一されました。
セリカXXを含めると4代目となる、A80型スープラが2002年に販売終了して以降、スープラの名は途絶えてしまっています。
2002年と言えば、日産・スカイラインGT-R(BNR34型)や日産・シルビア(S15)、マツダ・RX-7(FD3S)と言った名だたる国産スポーツカーが販売終了した年でもありますね。厳しくなった排出ガス規制に適合せず、規制に対応させるほどには売れないスポーツカーは見切られた形となりました。
噂の「次期スープラ」
2014年にトヨタは「FT-1 コンセプト」というスポーツカーを発表しました。車格からするとスープラ後継と呼ぶに相応しい車です。
その後、BMWと共同開発して、BMWのスポーツカー/オープンカーの「Z4」と兄弟車として登場するとの噂が出ています。
資本関係のないヨーロッパの自動車メーカーとの兄弟車では、マツダ・ロードスター(現行ND型)とフィアット・124スパイダーと同じ関係ですね。
スープラはハイブリッドになるのか?
2014年の噂の時点から言われていたことが、スープラはハイブリッドで登場するのではという話です。
イギリスのメディア「Auto EXPRESS」(http://www.autoexpress.co.uk/)が独自情報として、スープラがBMWのエンジンにトヨタのハイブリッドシステムを組み合わせて登場すると報じています。
本当にそんな形で登場するのでしょうか?
世界のスポーツカーの流れ
世界の名だたるスポーツカーメーカーさえも、昨今の燃費重視の流れに抗うことはできず、各社ハイブリッドやEV(電気自動車)でのスポーツカーを、発売したりコンセプトカーを発表したりしています。ハイブリッドならホンダ・NSXやフェラーリ・ラ フェラーリなど、EVではBMW・i8が有名ですね。
その潮流にハイブリッド技術の本家たるトヨタが乗ってくるのは自然なことでしょう。話は通ります。
トヨタにとってハイブリッド技術は現在の「核」
現在のトヨタの販売台数に占めるハイブリッド車の割合はおよそ4割です。
ホンダやスズキのマイルドハイブリッド(エンジンメインで、モーターはアシストするだけ)ならまだしも、エンジンとモーターが対等なトヨタ式ハイブリッドの制御は技術の粋を集めたものです。エンジン・モーターの制御はもちろん、トランスミッション、バッテリーの充放電割合、走行中のエンジン再始動/停止タイミングなどのバランス調整がうまくできていないと、あのスムーズさは実現できません。
車に「ハイブリッド」というパーツを付けたらハイブリッドカーになるわけではありません。
フラッグシップスポーツカーとしてのスープラ
トヨタは現状スポーツカーを86しか持っていません。スープラがレクサスではなくトヨタから登場するとすれば、メーカーを代表するフラッグシップスポーツカーになります。
今回の噂では、エンジンはBMWのものを使うとしています。すでに次期Z4のシャシー開発はBMWが担当しているとの話がありますから、(少なくともユーザーにとっては)ほぼBMWの車になってしまいます。
半分他社が開発したマシンをフラッグシップスポーツカーにするでしょうか? それに、他社のエンジンと組み合わせたハイブリッドシステムが、フラッグシップに相応しいほどのスムーズさを実現できるとは思えません。
ユーザーがトヨタに期待するもの
ユーザーがトヨタに期待するものは何でしょうか?
安全性。技術。燃費。壊れない。品質。そこに「スポーティな走り」はあまり出てこないと思います。つまり足回りは他社製でも品質がトヨタレベルならそれで良いのではないでしょうか。もっと言えば、評判のいいメーカーの足回りならトヨタ製よりも歓迎されるかもしれません。
現実的なのは、シャシーのみの共有
新しい車を開発する上で、他車と部品を共有してコストを抑えようとするのは現在では当然のことになっています。大きな販売数を期待できないスポーツカーでは、単一メーカーではなく、他のメーカーとも共有することで合計の販売数を稼ぎ、開発コストを回収しようとすることになります。
ただ、多くの自動車メーカーにとって肝であるエンジンまで共有しては、自社色を出せなくなってしまいます。メーカーのイメージリーダーの役割もあるスポーツカーが他社製エンジンを積んでいてはカッコがつきません。それも世界最大の自動車メーカーが、です。
トヨタにとってのハイブリッド技術の立ち位置も含めて分析すると、スープラ後継はエンジンも含めたトヨタ製ハイブリッドシステムを搭載するのではないでしょうか。
ロードスターと124スパイダーでも、エンジンはそれぞれマツダ製とフィアット製が載っています。別メーカーのパワートレインを載せるのは(簡単ではなくとも)無理なことではないのでしょう。
シャシー開発をBMWを担うのは適切でしょう。トヨタの足よりは絶対良いと思います。
まとめ
そもそもトヨタが「トヨタ」ブランドでスープラクラスのスポーツカーを出すこと自体がやや疑わしい気もしますが、出るとしたらトヨタらしく、トヨタ・ハイブリッドシステムは完全搭載するでしょうね。
2017に発表されるとの話も出ています。続報に期待しましょう。
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