沖縄では輸入車が圧倒的に少ない理由

   

沖縄ではなぜか輸入車が全然いない! ほとんど白いトヨタ車ばっかりだし! その理由を探りました。

輸入車が最も少ない都道府県:沖縄県

最近沖縄県に行ってきました。レンタカーで3日間周遊したのですが、その間輸入車を見た台数はわずか7,8台ほど。普段から周りを走る車の車種をかなり気にしていますし、自分が輸入車に乗っていることもあって見落としは少ないはず。肌感覚としては輸入車の割合は0.1%くらいかな? という感じでした。

沖縄の輸入車の割合

沖縄県は、日本の47都道府県のうちで輸入車の割合が最も少ないです。

順位 都道府県 輸入車率
1位 東京都 15.4 %
2位 神奈川県 9.6 %
3位 大阪府 7.2 %
45位 島根県 2.1 %
46位 青森県 2.0 %
47位 沖縄県 1.4 %

沖縄県の輸入車の割合はたったの1.4%! 断トツの最下位です。

でも100台中1台以上は輸入車がいるんですか。いやそんなにいなかったはず。なぜデータよりさらに少ないの?

平日昼間はレンタカーパラダイス

沖縄は言わずと知れた観光地。しかも鉄道路線がまったくありません(那覇市内にはモノレールがある)。国内や、韓国・中国からの旅行客にはレンタカーが人気です。

特に平日昼間や地方の観光地周辺では、圧倒的にレンタカーの割合が多くなります。パーキングエリアや観光地の駐車場に並ぶ[わ]ナンバー・[れ]ナンバー(レンタカー)の車たち。レンタカーには白い車が多いので、白い車だらけという印象になります。

先ほどのデータの詳細な集計条件は不明ですが、おそらく商用車やレンタカーは含まれていません。レンタカーはほぼ日本車のみなので、街中を走る輸入車の比率はさらに低くなります。

観光客が移動する時間帯や場所と、沖縄の人が車で移動する時間・場所は合わないことが多いでしょう。地元(本州)では通勤時間帯や土日に運転、観光地では平日昼間に運転では、見る車が変わるのは当然とも言えます。

沖縄の人が輸入車を選ばない理由

観光客に取っては実態以上に輸入車が少なく見えるわけですが、そもそも輸入車が少ないことも事実です。走行している車だけでなく、民家やマンション、会社などに停まっている車でも輸入車はかなり稀です。沖縄では輸入車があまり選ばれていないんですね。

沖縄の人が輸入車を選ばないのには、主に2つの理由が考えられます。

潮風によるサビの問題

沖縄県内は沖縄本島といえども小さな島です。島内のどこにいても強い潮風が吹きつけます。

潮風は湿度が高く、塩分を含んでいます。いくら防錆加工をしているといってもサビが発生しやすい環境です。何年も経てばサビが進行して車が傷みます。

イイクルマを買わなくなる

車が早く傷みやすいので、買い換えサイクルが早まります。せっかくイイクルマを買っても、早く乗り換えないといけなくなりますね。使う期間が短ければ、車へかける金額は下がり、安価な車や中古車を買う人が増えます。

一般に日本車より輸入車の方が価格が高いですし、中古車の買い取り相場も下がりやすいです。短い期間での買い換えを前提とすれば、相場の落ちにくい日本車、特にトヨタ車を選ぶ人が増えることになりますね。

日本車と輸入車の品質の違い

いくら世界を相手に販売していると言えども、各国の車には開発している国の事情が色濃く反映されます。長距離移動主体のヨーロッパでは高速巡航に合わせた硬めの足回りやダウンサイジングターボが開発される一方、日本では街乗り重視の柔らかい足回りやハイブリッド車が開発されます。

沖縄ほど顕著では無いにせよ、島国の日本では潮風の吹く地域も多いですし、梅雨があり雨の多い気候です。夏のジメジメした暑さも厳しいです。そんな日本では防錆加工、日射しに強い塗装、高温高湿下でも良く効くエアコンといった技術が発達しました。日本の気候に合うのは、やはり日本車ということです。

[車=移動手段]という考え方

国産車か輸入車という分け方ではなく、単純に走る車の車種を見ていても特徴が見て取れます。

街中を走る車のうち、[わ]ナンバー・[れ]ナンバー(レンタカー)を除いた車種の傾向は、東京や名古屋などの本州都市部とは異なります。スポーツカーやクロスカントリー車などの趣味性の高い車はほとんどなく、セダンやハッチバックなどの実用性重視の車が多くを占めます。

多くの沖縄の人にとって車は単なる移動手段。趣味や見栄や自己表現で車を買う人はあまりいないようです。それを示すように、沖縄県民が所有している乗用車のうち、軽自動車の割合は実に54%。これも全国トップです。平日に走るとアクアやフィットなどのレンタカーが多いんですが、レンタカー以外となると確かに軽が多かった印象ですね。特に地方ではレンタカーか軽かトラックという感じでした。

輸入車ディーラーの数

輸入車の売れない県ですから、輸入車ディーラーの数も限られます。

BMW、フォルクスワーゲン、メルセデスベンツといったメーカーは、沖縄県内に1つだけディーラーを用意しています。プジョー、ボルボも同様です。軽く調べた限りでは、沖縄県内に2以上のディーラーをもつ輸入車ブランドは無いようです。

衝撃なのは、日本での販売台数で4位につけるアウディのディーラーが存在しないことですね。一番近いのは鹿児島県内にあるディーラーとなります。オフィシャルディーラーが島内に無いようでは、買う人はほぼいないでしょうね。確かに3日の滞在ではアウディ車は一台も見ませんでした。

フィアットもディーラーがありませんが、指定サービス工場があるのでアウディよりは購入のハードルが低そうです。フィアット車はフィアット・500を1台だけ見ましたね。

東京は輸入車が多い

ちなみに1位は東京都。でも東京は世帯当たりの乗用車普及率は最低(100世帯当たり46台)です。車を持っている人がそもそも少ない、でも持っている人には輸入車を選ぶ人が多い。それが東京です。

交通の便が良く地価の高い東京では、車が不要だから買わない人が多いです。そんな東京でも車を買う人となると、車好きや金持ちの割合が高くなります。なので、日本車より高かったり、こだわりを持つ人が買う輸入車の割合が相対的に高くなります。

ただし、実際に東京を走る車の15%が輸入車かと言えば、そんなことはありません。東京に会社を持つ企業が国産商用車を保有していることも多いですし、他県から走ってくる車も東京は特に多いです。それに輸入車を所有していても実際に乗る頻度が低い富裕層もいます。

それでも実際に東京を走ると輸入車の割合は全国平均(5.3%)を上回っているように感じます。2位の神奈川県でも、横浜・川崎市内なら同じく輸入車が10%程度いるように感じました。

まとめ

沖縄の環境と県民性が輸入車を売れなくしていたわけですね!

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