フィアット版ロードスター「124スパイダー」が撮影された!早速比較してみた

     2015/09/29

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マツダ・ロードスターとプラットフォームを共有する兄弟車「フィアット・124スパイダー」のテスト車両が撮影されました。

どんな車なのかおさらいして、新型ロードスターと早速比較してみましょ-!

※9/29追記。完全な姿が撮影されました!

フィアット・124スパイダーとは

今年5月、マツダから新型ロードスター(4代目)が発売されました。

この新型ロードスター、マツダからだけではなく、自動車メーカー・フィアットグループからもプラットフォームを共有した兄弟車として発売されることが発表されています。

当初はアルファロメオから発売する予定だった

当初はフィアットグループの一員、アルファロメオからの発売を明言していました。けれど2014年末になってアルファロメオからは出なさそうという噂だけが出てきましたが、ハッキリしたことは何も発表されていませんでした。

フィアットグループとしては、アルファロメオを現在よりもより高級志向に振ったプレミアムブランドとして確立することを目指していて、比較的安価なスポーツカーであるロードスターベースの新型スポーツカーはブランドイメージにそぐわないと判断したようです。実際、アルファロメオから発売される新型セダン「ジュリア」が、フェラーリ製エンジンを積んだプレミアムスポーツバージョンだけを発表したのは既報の通り。 → アルファロメオが新型セダン「ジュリア」を発表!フェラーリ製V6を搭載

アルファロメオの方はSUVのテスト車両が撮影されましたね → アルファロメオのSUVが撮られた!ベース車両と比較。ライバルは?

そこで、アルファロメオブランドではなく、大衆向けブランドであるフィアットから発売しようという流れになったわけです。

公式発表はされていないものの、フィアットが「124 Spider」の商標を取得していることから、車名は「124 Spider (124スパイダー)」となることが確実視されています。ちなみに「スパイダー」は「ロードスター」と同じく2座オープンカーの意味で、イタリアでよく使われる名称です。

撮影された写真

さて、今回撮影された写真を見ていきましょう。ドア形状やサイドミラー、幌は手が入れられておらず、新型ロードスターベースのテストカーであることは間違いありません。

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マツダ・ロードスターとの比較

順にベース車両であるマツダ・ロードスターと比較していきましょう。

外形デザイン

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まず全体に見て分かるのが、基本はそのままということです。フロントやリアには手が入れられていますが、マツダのノウハウと工夫が詰まりに詰まった幌をはじめ、キャビン周りはそのままになっています。

もちろんテスト車両なので、この車両が変更を受けなかっただけかもしれませんが、車両開発コストを考えると、以下に分けられると思います。

  • フロント・リアデザイン、ボンネット、フェンダー、インテリア、シート、そしておそらくエンジン・電装系・サスペンション設計はフィアットオリジナル
  • シャシー、ドア、Aピラー、車室形状、幌システム全体はロードスターと共用

フロントマスク

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見るからに違うデザイン、といった感じですね。ヘッドライト周りはロードスターショップ「D-TECHNIQUE」が出していたコンプリートカー「TD-1001R」に似た印象を感じました。

TD-1001R

TD-1001R

ほっぺの位置にポジションライトのような丸形ライトがあるのも気になるところですね。ロードスターではヒゲのように斜めラインになっていますが、同じフィアットの小型車「500」に共通するイメージを感じます。

フィアット・500

フィアット・500

リアデザイン

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マツダ・ロードスター

マツダ・ロードスター

 

リアデザインもロードスターからだいぶ変わりそうです。この写真だけでも確実に言えることが4点。

  • マフラーが両側1本ずつの2本出し。ロードスターは右側から2本出し。
  • ハイマウントストップランプがトランク上部からトランク後端に移動。
  • ブレーキランプの位置がロードスターより外側寄りになる。
  • ナンバープレートの位置がバンパー下部からバンパー中央部に上がる(デザイン上、下部に置く場所が無さそう)。

あとは不確実ながら、

  • ロードスターは後端がかなり絞り込まれたデザインなのに対し、フィアットはあまり絞らず幅広に見えるデザイン。
  • トランクの開口形状が異なる。ナンバープレートまでトランクリッドに含まれるかも。

テスト車両はロードスターをベースに改造して作っているわけですから、変更する必要のない場所をわざわざ変更してテストするとは思えません。なので、マフラーやハイマウントストップランプは確実に変更してくるでしょうね。

パワートレイン

124スパイダーに搭載されるエンジンが何になるのかはまだ分かりませんが、フィアットグループ内のテクノロジー的にも、求められるパワー的にも、ロードスターとの差別化的にも、ダウンサイジングターボが載る可能性がかなり高いと思います。

現状のフィアットグループのラインナップから推測すると、アルファロメオのミトとジュリエッタに採用されている1.4L 直列4気筒 ガソリンターボエンジン「マルチエア」が妥当ではないでしょうか。本当にそうなったら元ロードスター(NB)乗り・現ジュリエッタ乗りとしては大興奮ですよ!


通常のDOHCエンジンではエンジンの回転に沿ったカム操作で吸気バルブと排気バルブが動きますね。マルチエアエンジンでは、排気バルブのみがカムで動き、吸気バルブは油圧でコンピューター制御されます。つまり遅閉じだろうが半開けだろうが(吸気に関しては)VTECどころではない完全な自由制御ができるわけです。

超高圧縮比でパワーと燃費を稼ぐスカイアクティブエンジンに対抗するにはちょうどいいエンジンでしょう。

では新型ロードスターのエンジンと、「マルチエア」が搭載されているジュリエッタのエンジンを比較してみましょう。

マツダ・ロードスター
(国内仕様)
アルファロメオ・ジュリエッタ
形式 直4 DOHC 16V 直噴 直4 マルチエア 16バルブ
過給器 インタークーラー付ターボ
排気量 1496 cc 1368 cc
ボア 74.5 mm 72.0 mm
ストローク 85.8 mm 84.0 mm
ボアストローク比 1.152 1.167
圧縮比 13.0 9.8
最高出力 131 PS / 7,000 rpm 170 PS / 5,500 rpm
最大トルク 15.3 kgm / 4800 rpm 25.5 kgm / 2,500 rpm

排気量はやや小さくなりますが、ターボで過給する分トルクもパワーもだいぶ増えますね。ロードスターに搭載するなら、ここから高回転に振ったチューニングにしてくるでしょう。

ちなみにこの1.4Lターボのジュリエッタ、車重1,400kgではあるものの、上り坂で2代目ロードスター(1.6L NA 125馬力, 1050kg)を軽々置いていけました。これが1,000kg前後のロードスターの車体に搭載されたら……性格はロードスターとはかなり異なりますが、これはこれで面白いんじゃないか!?というのが元ロードスター乗り・現ジュリエッタ乗りの結論です。

発売時期

2016年初頭に発表されて、2016年夏頃に発売されるのではないでしょうか。

マツダ・ロードスターがいる以上、日本に入ってくるかは微妙ですが、発表されるのを楽しみに待ちましょう!

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