ジュリエッタ2016年モデル発表!デザインは劣化した?
2017/02/08
先日スパイショットを紹介した、アルファロメオの主力Cセグメントハッチバック「ジュリエッタ」のマイナーチェンジが正式発表されました!
フロントグリルが上位車となるDセグメントセダン「ジュリア」と同様のデザインになるなど、外観に小変更が加えられましたが、総じて劣化してしまったように個人的には思います。(筆者がマイナーチェンジ前のジュリエッタのオーナーであることに注意。)
国内向けにもマイナーチェンジが発表されました↓
フロントグリルがジュリアと同じデザインに
外観上最大の変更はフロントグリルデザインでしょう。フロントデザインを順に見ていきましょう。
これがジュリエッタの基本形。最初のモデルです。
フロントグリルデザインが変更され、フォグランプ周りが黒からシルバーメッキになりました。
これが今回発表されたモデルです。フロントグリルデザインが再変更され、フロントバンパー下部のカラーリングがツートーン風になりました。
フロントグリルデザインの変遷
最初のモデルでは「盾」の部分が3方向すべて覆われた▽状でした。三角であることが強調されていますね。水平方向のバーはほぼ直線で前後の抑揚も小さく「キチっとまっすぐ描かれている印象」です。
2013年にマイナーチェンジを受けたモデルでは、「盾」がV字に変更されました。グリルからフロントバンパー、ボンネットにかけてV字から繋がるプレスラインが元々入っていたので、このモデルではそのラインが強調された印象になっています。
水平方向のバーは2010年モデルに比べて僅かにV字方向に曲がりが加えられています。フロントマスク全体に「V」をテーマにした、統一されたデザインが施されています。
2016年モデルのテーマは明確に「ジュリアとの統一感」です。2015年に発表された上位車種「ジュリア」のフロントグリルには水平方向のバーが無くメッシュになっているみ、周りはV字型にシルバーのバーがさりげなく添えられているだけになっています。ジュリエッタ2016年モデルはそれを踏襲しています。
ジュリエッタ2016とジュリアのフロントグリルで微妙に異なるのは2点です。
まず、元々メッシュグリルにデザインされているジュリアはV字の下部の弧が緩やかですが、初期モデルからバンパーデザインの変更を受けていないジュリエッタはV字が鋭角のままになっています。
もうひとつはメッシュのデザインです。ジュリアは菱形(ほぼ正方形)パターンとなるメッシュを採用しています。バンパー下部も同じメッシュデザインが使われています。
一方ジュリエッタにはバンパー下部も含め六角形パターンのメッシュが使われています。
しかもよく見ると、2010年モデル・2013年モデルのバンパー下部に使われていた六角形メッシュともデザインが変えられています。
つまり、クルマの顔たるフロントグリルの基本デザインこそジュリアから継承されているものの、使われるメッシュはジュリエッタ用に再デザインされているということです。イタリア人の(無駄な?)こだわりを感じますね。
ただ、私の個人的感想としてはジュリエッタのフロントバンパーデザインにジュリアのメッシュグリルはいまいち合っていないように感じてしまいます。本気でジュリアに合わせにいくならバンパー形状にも変更が必要だったと思うのですが、コストの問題か残念ながら実現しませんでした。バンパー形状を変更すると衝突安全性試験をやり直さないといけないとかそういう足かせがあるのでしょうかね?
あのバンパー&ボンネットに合う最適なフロントグリルデザインは、やはり2013年モデルで完成をみたのだ!とオーナーは勝手に喜んでおります。
とはいえ、昨年秋頃の噂にあった上のような珍妙なデザインにならなくて良かったなぁと思いますよ。
リアデザイン
リアデザインはエンブレム関係を除けば、2013年モデルからの変化は無さそうです。
ちなみに2010年モデルと2013年モデルのリアデザインは全く同一です。それだけデザインが完成されているのでしょうね。
ちなみに上下の写真をよーく見るとリアアンダースポイラーの形状が違いますが、おそらくこれは変更ではありません。
2010・2013年モデルに付いているのは、上位グレード「クアドリフォリオ・ヴェルデ(略称QV)」用のノーマルタイプです。一方2016年モデルに付いているのは前モデルの純正オプションにあったエアロパーツとほぼ同じデザインです。そのオプションパーツではリアフェンダー下部まで覆われていたので全く同じではありませんが、ほぼ同じデザインを標準装着にしたか、小変更したオプションパーツを装着しているかですね。
最大の問題:エンブレムの変更
結構ショックだったのがエンブレムデザインの変更です。
アルファロメオのロゴマークが変更されることが昨年発表されたので、マイナーチェンジで変更されたのは妥当だと思います。
ですが、残念なのは「Giulietta」のエンブレムです。
2010年・2013年モデルでは凝った書体で「Giulietta」と描かれ、中央のアルファロメオエンブレムの下に鎮座していました。しかもこのエンブレムは1954年発売の初代ジュリエッタのエンブレムデザインをそのまま使っています。「ジュリエッタ」の名は2度復活していて、今のジュリエッタは3代目です。
それが今回、ジュリアと同じ大文字で太ゴシック調のデザインになってしまった上に、トヨタのフツーのクルマのようにリアハッチの右端に申し訳なさそうにいるだけ。
これじゃあ粋じゃない。実に残念です。
まとめ
ブランドの統一感を出すために、フロントマスクだったりエンブレムだったりロゴだったりを揃えていくこと自体はヨーロッパ自動車メーカー(+マツダ)らしいことで否定はしません。
ですが、マツダのようにフルモデルチェンジのタイミングで徐々にデザインを統一させていくなら美しいですが(例外:CX-9)、元々別のデザインとして完成されているものを別のデザインに合わせようとするとどうしても無理が出てしまいます。今のアルファロメオ(というかフィアット)に登場から5,6年のクルマをフルモデルチェンジする余裕があるとは思いませんが、せめてフロントバンパーくらいは変えてもよかったんじゃないかなぁと思います。
そしてせっかくデザインした新「GIULIETTA」ロゴをアピールするなら、アルファロメオエンブレムしたに大きく配置すれば良かったんじゃないかと思ってしまいますね。