トヨタの新型コンパクトSUVのスパイショット!C-HRの市販仕様は大人しくなっちゃった
2016/12/20
トヨタが市販化前提で開発を進めている新型コンパクトSUV「C-HR」。先日フランクフルトモーターショーでコンセプトカーが発表されたばかりですが、早速テスト車両のスパイショットが撮影されました!(Motor Authorityの記事;英語)
市販モデルのデザインはどんなものになるのでしょうか?
追記:実際の市販モデルについてはこちら↓ やはり毒が抜かれていました……。
フロントデザイン
あらま、なんだか大人しいですね。ヘッドライト付近が見えていないのでフロントマスクそのものは分かりませんが、全体のラインはC-HRコンセプトから毒が抜かれてしまった感があります。
カモフラージュで上手く隠れているだけかもしれませんし、試作バンパーなのでディテールは異なるのでしょうが、フロントバンパーの抑揚や無駄とも思えるような造形がなくなってしまっています。
フロントウィンドウもコンセプトカーほど寝ていません。ほとんどクーペみたいだったスタイルが普通のハッチバックになってしまいました。
………これがコンセプトカーを「市販化する」ということなのでしょうね。
サイドライン
サイドラインにはトランク部分以外(競合車に対する)特徴的な点はほとんどありません。
トランク部分の異様な出っ張りはボディ形状を隠すためでしょう。コンセプトカーのリアが奇抜(後述)だったので、市販モデルでも何か変わったことをやるつもりなのでしょう。
ボディラインはほぼ標準的なハッチバックです。ルーフラインは後方にやや低く絞っているので、後方が若干プリウスのようにも見えますね。リアサイドウインドウはかなり小さいです。ホンダ・ヴェゼルはリアドアハンドルを隠して2ドアっぽく見せる手法を使っていますが、C-HRはもっとアグレッシブなデザインのリアドアにするのかもしれません。
C-HRはマツダのコンセプトSUV「越(KOERU)」のようにクーペ風SUVで面白い試みだったんですが、少なくともボディ形状はフツーになってしまうようです。
リアデザイン
C-HRコンセプトで最もぶっ飛んでいたのはリアデザインです。テスト車両ではリアデザインについてはかなり入念にカモフラージュされていて、中身は形状含めほとんど分かりません。
コンセプトカーでは、リアウインドウががっつり寝ていたり、トランク部が手前に飛び出していたり、テールランプが立体的にデザインの一部になっていたりと意欲的でした。やはりリアがC-HRのデザインのハイライトとして作られるのでしょう。
真後ろから撮影されたスパイショットでは、角度は異なるものの、明らかな「フ」状のテールランプになっているのが確認できます。
ライバルのスペック
ライバルは日産・ジューク(2010年6月発売)ホンダ・ヴェゼル(2013年12月発売)、マツダ・CX-3(2015年2月発売)の3車種でしょう。
それぞれ特徴がありますね。
まず、マツダ・CX-3はディーゼルエンジンオンリーです。強大な低回転トルク、燃料費の安さ、燃費の良さがメリットです。一方でディーゼル特有のガラガラ音(マツダはかなり低減している方ですが)、そして価格の高さがデメリットです。一般的なユーザー(年間1万キロ)では、燃料費の安さより車両価格差の方が大きいので、金額だけで見るとガソリンエンジン車に分があります。魂動デザインが好みならいいかもしれません。ベースはコンパクトカーのデミオです。
日産・ジュークは特異なフロントマスクが特徴です。スタート価格の安さも魅力でしょうね。ノートやキューブとプラットフォームを共有しています。登場から5年が経過しているのでそろそろモデルチェンジが見えてくる頃でしょう。フランクフルトモーターショーにはSUVのコンセプトカーを出品していました↓
ホンダ・ヴェゼルはフィットをベースにしたコンパクトSUVです。全高がやや高いので機械式立体駐車場(多くは1,550mmまで)には駐車できません。ジュークもギリギリアウトですが。1.5L自然吸気エンジンながら131馬力と出力はやや高めです(ちなみにマツダ・アクセラの1.5Lエンジンは111馬力)。ヴェゼルには最高27.0km/Lのハイブリッド仕様も用意されているので、燃費と世間体が気になる人はハイブリッド(226万円~)を選びましょう。でも金額だけならガソリンエンジンの方がいいです。
三者三様ですが、すでにある程度売れる見込みが立っている市場に新型車を投入してくるあたりはトヨタらしいですね。CX-3ですら後出し感がありましたが、天下のトヨタはまだテスト中ですよ。
まとめ
思っていた以上にフツーのデザインに落ち着いてしまっているなぁと感じました。でもリアには期待が持てそうですね。
SUVという実用性より遊びに振ったジャンルの車なのですから、過度に実用性ばかりを求めることなく、デザインに遊び心を残した車になって欲しいところですね。トヨタには望むべくもないかもしれませんが……。