マツダスピードロードスターは出ない!? 山本主査が新型のハイパフォーマンス仕様に言及
オーストラリアの自動車ニュースサイトMortoringによると、新型ロードスター(4代目;ND)の開発主査である山本修弘さんが、ロードスターの高性能版について言及したそうです。
※ ロードスタークーペについて追記しました。
山本主査の発言:高性能版とクーペ版について
イギリスでモータスポーツイベント「グッドウッドフェスティバル」が開催中です。今年はマツダがホストを務めているこのイベントで、山本主査がインタビューに応えたそうです。
もし2000cc版のロードスターよりも高性能なものに乗りたいというのなら、私は別の車に乗ることを勧めます。(山本主査へのインタビューより和訳)
つまり、日本国外で販売される2000cc仕様以上に高性能なロードスターを開発する予定が無い、とも読み取れますね。
さらにクーペ仕様のロードスターに関しても否定しています。
クーペになってしまってはMX-5(ロードスターの海外名)ではない。(山本主査へのインタビューより和訳)
過去に2代目ロードスターで「ロードスタークーペ」が販売されましたが、3代目で高性能な電動ハードトップを開発し、4代目でも電動ハードトップ版の登場が見込まれている以上、開けることのできない完全なクーペは登場させないのでしょうね。
ちなみにロードスタークーペは「屋根が開かない屋根が開く車」という意味なので、「黒い白鳥」みたいな自己矛盾した命名でもありました。
「マツダスピード」の立ち位置
マツダがこれまで「マツダスピード」という仕様をいくつかの車種に設定してきました。
- マツダスピードファミリア(9代目BJ型):エンジンチューン (2001年)
- マツダスピードロードスター(2代目NB型):足回り・排気系変更、エアロパーツ装着 (2001年)
- マツダスピードアテンザ(初代GG型):通常版が2.0~2.3L自然吸気に対して、2.3L直噴ターボを搭載 (2005年)
- マツダスピードアクセラ(初代BK型):通常版が1.5~2.3L自然吸気に対して、2.3L直噴ターボを搭載 (2006年)
- マツダスピードアクセラ(2代目BL型):通常版が1.5~2.0L自然吸気に対して、2.3L直噴ターボを搭載 (2010年)
なお海外での名称はMPS(マツダ・パフォーマンス・シリーズ)です。ファミリアは「Mazda Protegé MP3」、ロードスターは国内向けだったため、この記事はアテンザとアクセラのマツダスピード仕様の流れを指しているものと思われます。
アテンザ,アクセラでは2.3Lターボという専用のエンジンが与えられ、250馬力以上というFFにあるまじきハイパワーが与えられたぶっ飛んだ仕様でした。アクセラはハッチバックなので「ホットハッチ」とも呼ばれましたね。
2代目アクセラに試乗したことがありますが、あまりのハイパワーにトルクステア(ハンドルを切っていないのに車が曲がろうとする現象)が出まくりで、平坦な直線路なのにものすごい恐怖を覚えました。RX-7(FD)に乗った時以上の恐怖でしたよ。
2代目アテンザではマツダスピード版は登場しませんでしたが、アクセラは3代目となった現行でもマツダスピード仕様の発売が噂されています。
マツダスピード ロードスターの可能性
過去のマツダスピードの流れからすると、エンジン仕様に変更の無かったNBロードスターのマツダスピード版はやや異質で、現在の「マツダスピード」は専用ハイパワーエンジンを与えられることとほぼ同義になっています。
ライトウェイトスポーツであるロードスターにハイパワーエンジンを、というのは要求としてややずれているように感じます。モアパワーが盛んに言われる北米はともかく1.5Lで十分面白い車に2.0Lを超えるようなエンジンが必要なのかは疑問です。
専用エンジン搭載という点では、過去には2代目ロードスターで「ロードスターターボ」が出たことはありました。350台の限定ではあったものの、歴代ロードスターで唯一の過給器付きエンジンを搭載しました。
特別仕様車として一定の存在感は示した(専用塗色,専用エアロパーツ装着でもあった)ものの、3代目ロードスターでは同じような企画はありませんでした。もちろん3代目が2Lエンジンでパワーに余裕があったこともありますが、ライトウェイトスポーツのロードスターの性格上、ハイパワー仕様は大きな人気が得られないのでしょうね。