レクサスRCレビュー!初の2ドアクーペの実力:デザインはISと大差なし
2015/07/25
レクサス初の2ドアクーペ「RC」に試乗してきました。
試乗したのは2.5Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド「RC300h」です。他に3.5Lのガソリンエンジン車もあります。用意されていたのが「F SPORT」という装備を増強したグレードでした。
今回はデザインのレビューです。どうぞ!
レクサス・RCってどんな車?
レクサス・RCは2014年に発売された(日本の)レクサス初のクーペモデルです。
過去にはSC(ソアラ)やIS(アルテッツァ)にクーペカブリオレモデルがありましたが、純粋なクーペモデルは初です。(日本国外ではソアラのクーペがSCとして出ていた)
サイズ的には欧州Dセグメントで、ライバルはBMW・4シリーズ(3シリーズのクーペ版)あたりですね。
エクステリア
フロントマスクはレクサス共通のスピンドルグリル。他のレクサス車に比べると下側の台形が大きめかつ強調されています。基本的には1年早く発売されたセダン「IS」(旧アルテッツァ)とほぼ同じ顔です。
ISと大きく異なるのはヘッドライト周り。よりアグレッシブで凝った造形になっています。正直少しやりすぎかと。ISの時点でも十分ですが、ごちゃごちゃし過ぎです。
リアもかなりセダン的なデザイン。トランクの開き方や内部までISとほぼ同一。テールランプはISと違って常識的なデザインですね。
正面や真後ろから見ると、レクサスにセダンのイメージが強いことと相まってクーペにはまったく見えません。せっかくクーペなんだから……とも思いましたが、レクサスのクーペを買う層はアウディ・TT、シボレー・コルベット、ジャガー・Fタイプなどのようなクーペ然としたスタイルより、「高級セダンのようで実はクーペ」の方がいいんでしょうね。(コストを掛けて専用車体を与えるほど売れそうにないという事情もあるのでしょうが)
レクサスのIS-RCは、BMWの3シリーズ-4シリーズの関係と基本的には同じですね。車格や基本デザインを変えずに2ドアクーペスタイルに。ヨーロッパでは同じ車格なら4ドアセダンより2ドアクーペのが高級とされる価値観があるので、ISより半クラス上という位置づけです。ちなみにISの上のセダンはGS(クラウン)です。
エクステリアデザインからは純粋な「スポーツ」はあまり感じられず、「高級セダンのクーペ版」という実態を(良いか悪いかはさておき)そのまま示したデザインです。
インテリア
インテリアの完成度は非常に高いです。総じて質感は高いですし、デザイン性も良好。何より運転席に座った際の囲まれ感がとても心地よいです。
中央にはFRであることを考慮しても随分と大仰なセンタートンネルが鎮座しています。それでいて、1,840mmの車幅が効いているのか狭さをまったく感じさせません。インパネスイッチ類の配置には使いやすくするためのこだわりが感じられ、「高級車に乗っているんだなぁ」と感じさせてくれます。ただあくまで「高級車」であって「スポーツカー」ではありません。インテリアの作りはセダンのISと大きくは違いません。若干着座位置が低く感じるかなぁ程度の差(たぶんセンタートンネルが高いせい)です。
謎の移動をするメーター
試乗した「F SPORT」のメーターはかなり特殊です。メーターパネル全面が8インチの液晶ディスプレイになっていて、円形アナログメーターさえも液晶表示です。とここまではそんなに珍しくないんでしょうが、面白いのはこのアナログメーターが移動すること。
アナログメーターの周囲には物理的な円形リングが存在していて、ぱっと見普通のアナログメーターに見えるような装飾になっているんですが、この装飾が電動で移動します。同時に液晶表示も移動していくので、まるで物理的なアナログメーターが横に移動していくように見えます。これは面白いです。とっても。意味があるのかはさておき面白いです。
アナログメーターが中央にあるときは両側にガソリン残量や水温といった普通の表示が出ます。右に移動したときは左の広い部分に燃費やらいろんな設定やらが出せるようです。
不満点
よくできた内装も、細かくみれば不満点がありました。
エアコン・オーディオ操作パネル
エアコン・オーディオ操作パネルの表面はいかにもプラスチックで安っぽいです。これだけ内装こだわるんだから、せめてピアノブラック塗装とか、できればアルミヘアライン加工にブラック塗装とか。目立つ所だからもう少し気を遣ってほしいですね。デザインもここはさすがに「トヨタだなぁ」と感じてしまいました。
エアコン吹き出し口
エアコン吹き出し口の風量調整ダイヤルのアイコン、安っぽくありません?
例えばアルファロメオ・ジュリエッタはダイヤル自体に風量が刻まれています。BMWも同じデザインを採用したことがあります。
アイコンを付けるにしても、「○」と「|」とか。これは採用しているプレミアムブランドが多いです。アルファロメオ・ジュリアも採用。
フィアットは「○」と「●」。さすがイタリア普通じゃない。
ステアリング
他のレクサス車もそうですが、もう少しなんとかならなかったのかよというデザインのステアリング。やぼったくてカッコ悪いです。
もうちょっとこうスッキリとスタイリッシュにして欲しいですね。
こんな細かいことにしか不満が無いという辺りには、レクサスの内装の完成度の高さを感じますね。
次回は走りをレビューします。お楽しみに!