2代目コペン[ローブ]試乗記。S660が売れる理由がよく分かった

     2015/08/31

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2代目となるダイハツ・コペン[ローブ]に試乗してきました。「軽・オープン・2シーター」という点では納車1年待ちのホンダ・S660と同じですが、乗ってみるとまったく性格が異なることが分かります。

正直誰に向かって作ったクルマなんだか分かりませんでした。(2代目コペンオーナーの方は読まない方がいいと思います。)

それでは試乗記いってみましょー!

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エクステリアは「怖い」


コペンローブのエクステリアデザインは見ての通り正直ひどいです。カッコイイとかダサいとか以前に怖いです。前後ライトのデザインがすべてをダメにしています。


リアなんて目から血が滴ってるように見えてしまいます。もはやコレにしか見えません。

アニメ「さよなら絶望先生」より。元ネタはオロカメン。

丸目が復活した[セロ]は統一感がない

丸目を復活させろとの強い要望を受けて、先代に準じたデザインのコペン[セロ]というのも登場しました。こちらなら随分マシですね。

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「マシ」と言ったのは、二代目コペンの車体がコペンローブに合わせてデザインされているので、顔は丸っこくてかわいい系なのに、サイドのプレスラインやリアに向けてのラインはローブやS660みたいなカッコいい系のデザインになっていて ちぐはぐ です。初代コペンは「丸目でかわいらしく」のデザインが車体全体に渡っているので統一感があるととは対照的です。

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初代はフロントグリルからボンネットにかけてのラインが繋がっていますが、ローブベースのセロでは当然無理。初代はリアのラインもなだらかに下がっていて美しいですよね。

初代コペンが100点なら、コペン ローブは20点、(マイナーすぎるコペン エクスプレイは30点)、コペン セロは60点といったところでしょうか。エクステリアに現行を選ぶ理由は全くありません

インテリアは安っぽくなってしまった

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コペン ローブのインテリア

インテリアはせいぜい「スポーティ軽自動車」のレベルで、大衆向け軽自動車の域を出ていません。初代は3眼メーターや4個の円形ルーバー(初代・2代目ロードスターと同一部品)、エアコン操作が3連ダイアルなのも統一感があります。この時のデザインセンスは一体どこへ行ったのでしょうか?

初代コペンのインテリア

初代コペンのインテリア

ホンダ・S660のインテリアデザインを見てくださいよ! これぞホンダ・スポーツカーというデザイン。とても同じ軽自動車オープンとは思えませんよ。かなりスポーツに振ったデザインは好みが分かれるかもしれませんが、質感と統一感(コンセプトに合っているか)は圧倒的にS660の方がレベルが高いです。というか比べるのが申し訳ないくらい。

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ホンダ・S660のインテリア

S660は乗った瞬間にワクワクさせてくれました。初代コペンも趣味車たるオープンカーとして十分満足させるクオリティを満たしていました。ですが2代目コペン(ローブ)に乗って感じたのは「安価な大衆車に乗ってるなぁ」という情けない感覚だけです。着座位置が低いこと以外はフツーの軽自動車に乗ったときとなんら変わりません。

おしゃれスポーティとして十分な質感でデザインされた初代コペン、スポーツカーインテリアを本気で作ったS660、コストとセンスをそぎ落とした2代目コペン、といった感じですね。

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走り

エクステリアが大嫌いでも試乗しに行ったのは走りを試したかったからです。かわいい系おしゃれオープンカーとして、走りがそれなりでも許された初代コペン(実際は結構ちゃんとしてた)に対して、まがいなりにもカッコイイ系のエクステリアにしたからにはよりスポーティな味付けがされているだろうと期待したからです。

走る以前の話

薄っぺらくてそれはそれは頼りないドアを閉めてエンジンをかけると、滑らかさとはかけ離れたドコドコという音と振動に悩まされます。車体全体がブルブル震えます。振動は決して小刻みではありません。そう、プレイステーションのコントローラー「デュアルショック」の大きい方の重りが回ったときの振動と同じだ!

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シートからもハンドルからも振動が伝わってきます。オープンにしていたからかAピラーも結構揺れていました。不安でいっぱいです。

原因として考えられるのは2点。1つ目はエンジン。初代コペンは直列4気筒エンジンでしたが、軽自動車界では初代コペンを最後に直4エンジンは姿を消しました。2代目コペンはより振動の大きい直列3気筒エンジン。2つ目はダイハツが「D-Frame」と名付けた骨格。たしかに軽としては足回りの剛性が高いように感じましたが、上の方(特にAピラー)弱すぎじゃない? クローズドカーならまだしも、オープンのクルマなんだから上の剛性も気を遣おうよ。

この振動、走り出しても止むことはありませんでした。

加速感は「軽はこんなもんか」レベル

乗車したのは残念ながらCVTでした。周辺を調べてみても試乗車はCVTばかり。コペンはもはやスポーツカーとしては扱われていないのでしょうかね。

走り出しの加速感は上々。これはなかなかイイのでは? とぐわっと踏み込んで回転数を上げてみると、これが全然伸びない。「やっぱ軽はこんなもんか」と悲しい気持ちになります。

初代コペンもそんなに凄くはありませんでしたが、「軽にしては結構走るんだなぁ!」と思う程度には加速してくれました。初代・2代目とも最高出力は軽自動車自主規制いっぱいの64馬力ではあるものの、最大トルクは10.2kgmから9.4kgmに減り(どちらも3,200rpm)、車重は800kg~が850kg~に増加しました。衝突安全とかの時代の流れで仕方ないかな、と思うところでもあるのですが、より新しいホンダ・S660が必要十分な加速感だったことを考えると、ダイハツもっと頑張れよと思ってしまいます。

CVTではSモードというモードや、マニュアルモードもありますが、これらは大した効果を上げてはくれませんでした。普通にトルコンATを積んでくれよと思いますね。燃費がシビアな車種じゃありませんし。

ちなみに試乗中にCVTのモード変更の操作方法を尋ねましたが、同乗したディーラーマンは的外れの答えしかくれませんでした。発売から1年以上になるのにあまりそういう教育はしていないんでしょうかね。

足回りは意外としっかりしていた

足回りは意外にもちゃんとしていました。曲がるときなど軽にしてはちゃんと踏ん張ってくれました。

試乗でしたし、ドアなどの装甲があまりに貧弱で不安だったので、気分良く走ることができなかったという面があったのは確かですが。それでも軽オープンとしては十分な足回りでしたよ。

でも決してホンダ・S660と比較してはいけません。あっちはスポーツカーなので

屋根,収納

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屋根の構造や収納方式は基本的に先代と同じです。クローズドならトランクがフルに使えて、オープンにするとトランクの大半が屋根に奪われます。オープンでも入るのはハンドバッグ程度でしょう。しかも屋根を閉めるまで荷物は取り出せません。オープン時はトランクは無いと思った方がいいですね。

これは軽オープンである以上仕方ないことですね。トランク自体存在しないS660よりは随分マシだと思います。でも本気のスポーツカーとして買うS660に対して、コペンはあくまでスポーティオープン。本気で走れないのに安楽なドライブにも不便。一体誰が乗るのを想定しているんでしょう?

マツダ・ロードスターのハードトップはトランクを犠牲にしない

マツダ・ロードスターの電動ハードトップはトランクを犠牲にしない

普通車クラスになりますが、マツダ・ロードスターが手動幌でも電動屋根でもトランクを一切犠牲にしないことを考えると、わざわざ不便なコペンにするならいっそ本気スポーツのS660の方がいいじゃないかと思ってしまいます。おしゃれオープンとしては(デザインや走りなど)初代コペンに敵うところがまったくありません。

スペック・価格比較:S660とロードスター

現在販売されている比較的安価な国産オープン2シーターは以下の3車種のみです。安価なスポーツカーに広げても、トヨタ・86 と スバル・BRZ が加わるだけですが。

ダイハツ
コペン(2代目)
ホンダ
S660
マツダ
ロードスター(4代目)
ジャンル スポーティおしゃれ 純スポーツ 純スポーツ
幌/屋根 電動ハード/20秒 手動ソフト/90秒 手動ソフト/10秒
駆動方式 FF MR FR
全長 3,395 mm 3,395 mm 3,915 mm
全幅 1,475 mm 1,475 mm 1,735 mm
全高 1,280 mm 1,180 mm 1,235 mm
車重 850kg~ 830kg~ 990kg~
エンジン 660cc 直3 ターボ 660cc 直3 ターボ 1500cc 直4 NA
最高出力 64 PS 64 PS 131 PS
最大トルク 9.4 kgm 10.6 kgm 15.3 kgm
トランスミッション 5MT / CVT 6MT / CVT 6MT / 6AT
収納 トランク(クローズのみ) 皆無 トランク
価格(MT) 182万円~ 198万円~ 250万円~
価格(AT/CVT) 180万円~ 198万円~ 281万円~
備考 維持費安い 維持費安い 中古車在庫大量

軽自動車と普通車の維持費(主に税金)の差額はせいぜい年間5万円程度です。中途半端に軽スポーツを買うくらいなら、150万円くらいの中古のロードスターを買った方が満足度は高いと思います。150万円も出せば程度の良い先代ロードスターが変えると思います。「ホンダが好きでたまらない」とか「軽じゃないと自宅の駐車場に入れない」とかいう特殊な事情が無い限り、ロードスターに勝てる可能性はあまりありません。電動ハードトップが欲しくても、先代ロードスターに電動ハードトップ(しかもトランクを犠牲にしない収納)がありますし、新型ロードスターでも近いうちに電動ハードトップ版の発表が見込まれています(ほぼ確実)。新型ロードスターの幌についての記事S660の記事も合わせてご覧ください。

仮にどうしても軽がいいなら、S660と(中古の)初代コペンを天秤にかけることになるでしょう。あえて2代目コペンを選ぶメリットがまったく見いだせません。

結論:S660に特別な魅力を感じなければ、マツダ・ロードスター(中古含む)を買うべき。軽じゃなきゃ嫌ならS660か初代コペン。

おまけ:ディーラー内はチラシだらけ

今回ずいぶん久々にダイハツのディーラーに行きました。直前にシトロエンとルノーというフランス車ディーラーに行ったこともありますが、あまりの違いに驚きました。

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ダイハツのディーラーに所狭しと並ぶチラシ

ディーラーの壁やら柱やらにびっしり店のチラシが貼ってあるんですよ。家電量販店みたいに。私はスーパーの安売りにでも来てしまったのかと思いましたよ。

ダイハツ車を購入する場合、奥様の意見が重要になってくるから、世のおばさま方に受ける店内構成にしているのでしょうが、私にはココが100万円クラスのモノを販売するお店には見えませんでしたね。オシャレさとか信頼とかブランドとかそういうのは置いておいて、「結局安けりゃいいんでしょ?」といった売り方なんでしょうか。軽自動車を買う層は総じて「安さ重視」なんでしょうが、これはやり過ぎに思えました。

コペンが仮に良いクルマだとしても、こんなディーラーには似合わないだろうなぁと思いました。

少なくとも私はこのディーラーに再度行こうとは思いませんでしたね。

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