VWゴルフGTE発売！プリウスPHVより高性能だけど値段も高いぞ

フォルクスワーゲンがプラグインハイブリッド車を日本に投入してきました。その名も「ゴルフGTE」。トヨタの独壇場となっている国内ハイブリッド市場に食い込むことはできるのでしょうか？

プラグインハイブリッド車

ゴルフGTEは「プラグインハイブリッド」というジャンルの車です。プラグインハイブリッドって何でしょうか？

プラグインハイブリッドは通常のハイブリッドを発展させたジャンルです。通常のハイブリッドでは、ガソリンエンジン・モーター・大型バッテリーを搭載して以下のように走行します。

• モーターのみで発進
• 通常走行は［エンジン］または［エンジン＋モーター］
• 減速時にモーターを発電機として使ってバッテリーを充電

※ スズキのマイルドハイブリッドなど発進時もエンジンが必要な車種もあります。

通常のハイブリッドでのモーター単独走行は発進時のみですが、プラグインハイブリッドではモーターのみの通常走行が可能になっています。さらに自宅や充電スタンドに繋いで（プラグイン）充電することも可能になっています。

• モーターのみで発進
• 通常走行は［エンジン］または［エンジン＋モーター］または［モーター］
• 減速時にモーターを発電機として使ってバッテリーを充電
• 自宅や充電スタンドで充電

つまり、プラグインで充電してモーターのみで走行すれば完全なEV（電気自動車）として走行することが可能になるというものです。純粋なEVに比べるとガソリンエンジンやガソリンタンクを積んでいるので非効率ですが、充電スタンドが無くても通常のガソリン給油で走ることができることがメリットになっています。

ゴルフGTEのコンセプトは挑発的

ゴルフGTEのコンセプトはかなり挑発的です。

燃費だけのハイブリッドは、もう古い。

退屈なハイブリッドに、終わりを告げる。

燃費の良さをメインに売っているトヨタやホンダに対してかなり挑戦的な言い方ですね。

元々ハイブリッドカーはガソリンエンジンの非効率部分をモーターで補って燃費を向上させることを目的に開発されました。

でも一方で、低回転から最大トルクを発揮できるモーターの特性が、走りを向上させるのにも役立っています。低回転から太いトルクで走るため大排気量自然吸気エンジンのような発進加速を見せてくれます。さらにモーターのみで走っているときの静粛性は抜群です。

ゴルフGTEは完全にこちらの「価値」に焦点を当てた宣伝をしています。

この時期に発売する意味

ゴルフGTEの発売がこの時期、しかも9月8日であることには重要な意味があります。世界的にハイブリッドカーの象徴になっているトヨタ・プリウスの新型モデル（4代目）の発表が翌9日に控えているからです。

9日以降はプリウスに話題をかっ攫われることは確実なので、「プリウスとは違う価値」をアピールして先手を打ったと言うことですね。

新型プリウスはJC08モード燃費で40km/Lに達すると言われています。低燃費を全面に主張してくるのは目に見えていますね。同じ方向で戦ってもまったく勝てない（23.8km/L）ので、別の価値を示してきました。

スペックはプリウスを凌駕してるけど高い！

プリウスのプラグインハイブリッド仕様車「プリウスPHV」がライバルになるのは必至。車体サイズも同じCセグメントです。

新型プリウスでは通常のハイブリッド車が先に登場するでしょうから、しばらくは現行の3代目プリウスがライバルであり続けるでしょう。

プリウスPHVのスペックは、バッテリー容量（プリウスは1.3kWh）・車重・燃費以外、通常のプリウスと同一です。

スペックは明らかにゴルフGTEが上回っています。

エンジンは1.4Lターボ（ダウンサイジングターボ）なので、およそ2.0L自然吸気エンジン並みの出力・トルクです。プリウスは1.8L自然吸気ですし、最高出力や最大トルクはプリウスの1.5倍以上です。低回転から効くターボなので高トルクが発揮できる回転数が広いことも魅力です。

モーターの出力やトルクもプリウスを大きく上回っています。ゴルフという車自体は1.2Lターボエンジンだけでも十分に走る車なので、車重が重くなっているとはいえエンジンとモーターを合わせれば、かなり強力なパワートレインになっていることと思います。

バッテリー容量はプリウスPHVの約2倍です。EVでの航続距離もちょうど2倍ですね。車重が重い割にはEV走行距離が長いですね。

一方価格は200万円も高くなります。これは大きい。500万円というとレクサス・IS300hとほぼ同額です。プラグインハイブリッドではなくなりますが、車格は1段上ですし、2.5L自然吸気エンジン＋モーターなのでさらに強力なパワートレインになっています。同じサイズ・パワートレインのレクサス・RC300hの方はものすごくスムーズでした。

まとめ

新型プリウス発表目前に刺客を送り込んできた形ですが、さすがに価格が高すぎますね。

プリウスPHVでは82馬力/21.1kgmとやや心許なかったEV走行時の性能が、ゴルフGTEでは109馬力/33.6kgmと十分な能力になるので、プラグインでのEV走行がメインの人には良いかもしれません。EV航続距離53.1kmなら通勤で実用的なレベルですので、自宅で充電して通勤すれば平日一切ガソリンを消費しない走行ができてしまいます。これは大きな魅力。

何度も書いてきているように、金額だけならハイブリッドカーがガソリンエンジン車に勝ることはありません。プリウスPHVもゴルフGTEも静粛性やスムーズさ、モーターを合わせることによる高トルクを楽しむために存在する乗り物ですね。

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