プリウスのタクシーが増えた理由|日産のワゴン型タクシー生産開始
2015/07/03
日産車体がワゴン型のタクシー「NV200タクシー」の生産を開始しました。タクシーと言えば圧倒的にセダン型が主流ですが、ワゴン車の利点を活かして普及させようとしています。
湘南工場で量産を開始
日産車体は、2010年1月に九州の新工場が稼動開始して以来、湘南地区の再編を進めてきました。2012年12月に湘南工場の再編を完了し、この新型NV200タクシーは、再編を完了した湘南工場での初めての新型車となります。
日産車体は6月1日、湘南工場において日産の次世代タクシー『NV200タクシー』の量産を開始した。NV200タクシーは多目的商用車『NV200バネット』を基に開発したワゴンタイプの新世代タクシーで、セダンタイプが主流だったタクシーのイメージを一新。NV200タクシーと同様のモデルは、すでにニューヨークにて、次世代イエローキャブとして活躍している。
式典の中で梶井亮工場長は「NV200のグローバルマザー工場である湘南工場で、日本のタクシーの歴史に新たな1ページを刻むこの次世代タクシー NV200タクシーを生産できることを大変誇りに思っている。先代のセドリックタクシーを長年生産してきたノウハウを活かして、ここ湘南生まれの品質の良い新型タクシーを1台でも多く日本中に届けたい」と述べた。(日産車体、湘南工場で NV200タクシー の量産を開始から抜粋)
タクシーに使われる車種
タクシーと言えば、主流はセダンです。安定性に優れ、乗り心地が良好なのでたしかにタクシーに向いています。ですが、セダンである必然性自体はありません。「比較的乗り心地が良い」「今までセダンだったから」といった理由も多いと思います。
他の車体形状では、別のメリットが出てくるでしょう。今回日産車体が売り込むワゴン型では、乗降性の良さ、大きな荷物が詰めて乗せやすい、車イスでも乗車可能、というメリットが出てきます。
他にも、例えばミニバンであれば乗車人数が増やせます(NV200タクシーは5人乗り)。コンパクトカーであれば車体価格、ハイブリッドカーであれば燃料費を圧縮して、タクシー料金を下げれる可能性がでてきます。実際、最近はプリウスのタクシーを度々見かけるようになりましたね。
タクシーも差別化の時代
タクシーなんてどれに乗っても同じではありません。最近は料金も異なりますし、車種が異なれば乗車人数や乗り心地、詰める荷物なども変わってきます。
今回生産を開始したNV200は車イスでの乗車も可能です。高齢社会ではこれまで以上に車イスの人も増えるでしょう。例えば車イスの人が孫の結婚式に行く。でも家の人は車を所有していない。そんな時にタクシーを呼ぶとなれば、「車イスが乗れるタクシー」を条件に探しますよね。差別化が効いてきます。
みんなと横並びではお客さんが取れないのであれば、「こういう客を乗せたい」とピンポイントで狙い撃ちをした方が業績は上がりそうですね。