アメ車の技術は時代遅れ?OHVなコルベットコンバーチブル初披露
2015/07/03
シボレーコルベットZ06のコンバーチブルモデルが日本初披露された。ゼネラルモーターズの説明を見ていくとアメ車の技術の方向性が垣間見えます。
コルベットってどんな車?
コルベットは、ゼネラルモーターズ (GM) のシボレーブランドによって販売されている、アメリカンスポーツカーです。1954年から発売され続けているコルベットは、シボレーブランドのフラッグシップであり、アメリカ車らしい大型スポーツカーに仕上がっています。
今回披露された車
今回初披露されたのは、ハイパフォーマンスモデルのコンバーチブルバージョン (オープンカー) です。
ゼネラルモータース・ジャパンは5月30日、シボレー「コルベット」史上最強モデルとなるハイパフォーマンスモデル「コルベット Z06 コンバーチブル」を「浅間ヒルクライム2015」の会場で日本で初披露した。コルベット Z06には、コンバーチブルとクーペを用意、価格はクーペの7速MTモデルで1265万円~。クーペの8速ATモデル、コンバーチブルの8速ATモデルの価格に関しては後日発表予定。
コルベット Z06に搭載されるのはV型8気筒OHV 6.2リッタースーパーチャージャーエンジンで、最大出力485kW(659PS)/6400rpm、最大トルク881Nm(89.8kgm)/3600rpmを発生、トランスミッションは7速MT(クーペのみ設定)と8速ATが用意される。 (GM、659PSを発生する史上最強のシボレー「コルベット Z06」)
いまさらOHVかよ。しかもMTはクーペのみとか、さすがAT王国アメリカ。もっと言えば車種限らずコンバーチブルモデル自体がアメリカでよく売れることから、コンバーチブルの設定自体が主にアメリカで売ることを考え作っているんでしょうね。
コルベットの採用する技術
今でもOHVを採用する理由
ゼネラルモーターズ・ジャパンのジョージ・ハンセン氏は、OHVの採用についてこう話している。
最新世代のV型8気筒エンジンは直噴システムや気筒休止システムを取り入れているが、引き続き伝統のOHVを採用している。ハンセン氏は「OHVを採用しているのは低いフードラインを保つのに最適」と話し、エンジン上部の構造を低くできるOHV方式とエンジン下部にあるオイルパンを不要とするドライサンプを組み合わせることで、低いボンネットフードを可能にしていることを明かした。
どこまで本気なんでしょうね? 伝統を守ってOHVを採用した方が、多少燃費やパフォーマンスが悪くてもコルベットのファンは買ってくれるのかもしれません。フラッグシップであり値段も近いポルシェ・911が、伝統を守ってスポーツカーにとって不利も言えるRRレイアウトを採用し続けているのと似ていますね。
ハンセン氏はこうも言っています。
「GMとしてV8 6.2リットルエンジンの搭載を考えたときに、DOHCでは、現在のコルベットのフードラインは無理だった」
こっちは本音な気がしますね。
コルベットの売り文句
「0-100km/hは3秒以下と、現代のスーパースポーツカーとして通用するハイパフォーマンスモデルで、レーストラックだけでなく低速においても快適で、荷物を沢山積めます。パフォーマンスと使いやすさを両立した魅力を持っています」と、その特徴を示した。
スーパースポーツとしての売りが加速性能というあたりがアメリカンですね。空気抵抗の低さ、ニュルブルクリンクのタイム、前後重量バランス、ロールセンターの低さなどを売りにするメーカーがいる中、直球です。
加えて、ハンセン氏は「レースカーの“C7.R”と同時に開発する中で、軽量なアルミのフレームを使いながら剛性も高めていますので、正確なステアリングフィールを持っています。昔の”直線番長”のイメージと違って、コーナリングにおいてもハイスピードでクリアすることができます」と、そのパフォーマンスを説明した。
ゼネラルモーターズ・ジャパンの人だけあって、直線番長のイメージがあることは認識していますね。ただ、スポーツカーとしてはノーマルモデルより何%軽量化したとか、ヨー慣性モーメントを何kgm2低減したとか、そういうところまで踏み込んでほしいところ。
でもアメリカンスーパースポーツを購入する人はそんなこと気にしないんでしょうね。
「6.2リッター、659馬力、カッコイイ。それで十分だ。」