トヨタとスズキが提携を発表!業務提携の目論み&内容と今後の見込みは?

     2017/02/06

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トヨタとスズキが業務提携に向けた検討を開始すると正式に発表しました。

各社の思惑や提携の内容、今後の見込みはどうなっているのでしょうか?

※追記:覚書の締結が発表されました↓

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やっと正式に発表

トヨタとスズキが業務提携するという話は2016年始め頃から噂レベルでは言われていました。それが今回やっと正式に提携交渉を進めていると発表されたわけですね。

スズキはアメリカのGM、ドイツのフォルクスワーゲンに続く、他社との提携となります。

各社の思惑

スズキ:VWとの提携解消からの模索

スズキは2009年にフォルクスワーゲンと業務資本提携を結びましたが、2015年に提携を解消しました。両社には提携初期から「対等な提携」だとするスズキと、「スズキに対して財務・経営面で重大な影響を及ぼせる」としていたフォルクスワーゲンの間には溝がありましたので、最終的な提携解消は仕方なかったと思います。結局はスズキ側が社としての独立を保つために提携解消に向かったようですね。

スズキが知ってか知らずか、正式な提携解消直後にフォルクスワーゲンの不正が発覚して大問題に発展。間一髪影響を免れました。

そんなスズキも燃費測定で不正をやらかしていたわけですけどね。フォルクスワーゲンに比べれば影響は限定的ですが。

フォルクスワーゲン以前にはアメリカのGMと提携していました。フォルクスワーゲンと物別れに終わったことで、別の提携先を模索していたわけですね。単独での生き残りは困難だと判断してのことでしょう。

トヨタ:新興国市場で飛躍する足がかり

トヨタは2016年1月にダイハツを完全子会社化することを発表しました。そして8月1日に実際に子会社化されました。

トヨタは長らく小型車(特に軽自動車)の分野をダイハツに任せ、トヨタからは軽自動車を出していませんでした。ですがここへ来てスズキをも支配する可能性が出てきました。

トヨタにとってスズキと提携する大きな理由は、新興国戦略でしょう。特に発展著しいインドではスズキが長年にわたってトップの座についています。スズキとの提携を、トヨタやダイハツが新興国市場で大きく飛躍するための足がかりにしたいのでしょう。

ダイハツ子会社化に合点

水面下で提携交渉が進んでいたことを考えると、ダイハツの完全子会社化にも納得がいきます。スズキは国内市場でダイハツとの熾烈な争いを繰り広げています。年度末には軽自動車販売台数1位の座を巡って乱売合戦が行われ、両社ともに収益が悪化するという状況になっています。

トヨタは[ダイハツの子会社化]→[スズキとの提携]とステップを踏むことで、スズキ・ダイハツの無謀な争いに終止符を打とうとしたのでしょう。スズキにとっても良い争いではない(収益アップに繋がらない)ので利害が一致したと思われます。

提携内容と今後の展開

恐らく当初の提携範囲は限定的だと思われます。環境技術,安全技術,IT技術といった技術の共有をスタートすることでしょう。

今回の提携が順調に成果を上げることができれば、今後は自動運転・ハイブリッド・燃料電池のような基幹技術の共有,共同での販売ルート確立,共同開発車,それに大規模な資本提携といった深い提携に進んでいくことになると思います。トヨタの技術を使ったスズキ車の登場や、スズキの販売網を活かしたレクサス車・トヨタ車・ダイハツ車の販売という可能性も出てきます。

 

国内の一般消費者にとって早々に影響が出てくることはないと思いますが、長い目で見るとスズキがトヨタ傘下に入る方向に進んでいくかもしれません。

ただ、スズキと言えば鈴木修会長兼CEOのワンマン経営でも有名です。フォルクスワーゲンすらも蹴ったスズキがトヨタ傘下に入っていくには時間がかかりそうですね。

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