後席もシートベルト警報が義務化。誤作動多すぎで技術の改善が必要では?
後部座席でもシートベルト装着はすでに義務化されていますが、今度はシートベルト着用警報も全席で義務化されるそうです。
安全のためのシステム自体は歓迎なのですが、警報装置の精度が悪すぎてまだまだ問題アリだと思います。
目次
シートベルトの義務化
後席でもシートベルトの着用が義務化されたのは2008年のこと。それまでは運転席・助手席のみが義務でしたが、現在は後席であってもシートベルトの着用が必要になっています。
それから8年が経過し、今度は警報器の義務化によって法制だけでなく(警報を鳴らしながら走るのを除けば)強制的にシートベルトを着用させようということです。
シートベルト非着用の罰則
後部座席のシートベルト非着用に関しては、現状やや罰則が甘くしてあります。
運転席・助手席 | 後部座席 | ||
---|---|---|---|
高速道路 | 一般道 | ||
違反点数 | 1点 | 1点 | なし (口頭注意のみ) |
反則金 | なし | なし | なし |
高速道路での扱いは同等ですが、一般道では口頭注意のみ。反則金もないため、時間のロス以外に実質的な罰則が無いのが現状です。
シートベルト着用が義務ではない状況は?
シートベルト着用の義務から除外されるのは以下のときです。4つ目には一般人には関係ないものをまとめました。
- 妊娠,負傷,障害などで装着が適当でない人
- 身体の大きさによってベルトを装着できない人(著しい座高の高低や肥満)
- 後退時
- 消防用車両,人命に危害を及ぼす行為の警戒・制止,郵便配達,ごみ収集,警察車両に護衛・誘導される車,選挙カー
シートベルト警報の問題点
現在販売されている車では、少なくとも運転席にはシートベルト警報器(シートベルト着用アラーム,シートベルトリマインダー)が装着されています。シートベルト非装着の状態で走行させると、「ピーピーピー」とアラームが鳴るようになっています。
運転席に装着することにはほとんど問題はないでしょう。運転席に人間がいるのは当然ですし、シートベルトの着用も必要です。妊娠や障害、肥満には個別対応すれば良いことです。
チャイルドシート
チャイルドシートの場合、サイズにもよりますが、一般的にはシート自体にベルトが付いています。このベルトの装着が必要なのは当然ですが、車両に付いている大人用ベルトが装着されていないことでアラームがなることもあるでしょう。多くのシートベルトアラームは人間が乗っているかを重量(圧力センサー)で判定しているので、チャイルドシートでも「人間がいる」と判断される可能性が高いです。
昔はチャイルドシートの固定に大人用シートベルトを使っていたので、チャイルドシートでもベルトが装着されていました。しかし、最近では「ISOFIX」と呼ばれる固定装置を使っての装着が増えてきています。
ISOFIXでは、車両にあらかじめ固定用の金属バーが取り付けられていて(座面と背中面の間)、チャイルドシートはそのバーを掴むように固定します。シートベルトで取り付ける方法に比べて、誰でも簡単かつ確実に固定できる方法です。ヨーロッパから始まった規格ですが、現在では日本車でもほとんどの車種が対応しています。
ISOFIX固定具と警報装置が連動していなければ、チャイルドシートのベルトはしているのにアラームが鳴るということが起きるでしょう。チャイルドシートのベルト装着と連動させるのが理想ですが、ISOFIXにはベルトアラームに関する規格がありません。それに、チャイルドシートだけ取り付けて子供が乗っていない場合にも、チャイルドシートの重みでアラームが鳴るでしょう。
荷物
現在でも、助手席に警報器が付いている車では、助手席に荷物を置くだけで警報が鳴ることがあります。後部座席が空いていればそちらに移動することで「ピーピー」から解放されますが、全席義務化されればそれもできなくなります。
まとめ
法律で義務を遂行させること重要かもしれませんが、こんなにも不便ならアラーム自体をキャンセルしようとする人が今以上に増えると思います。
人が乗っているのにシートベルトを着けたくない人はさておき、「乗っているときは鳴っていいけど、荷物やチャイルドシートで鳴るからキャンセルしたい」なんて人が違法にキャンセルしてしまうようでは、せっかくのアラームも意味をなしません。
法 とともに 技術 も必要
センサーと警報アルゴリズムの変更である程度対応可能だと思います。足下に置いていた荷物を助手席に置いただけで鳴るアラームじゃダメ(人間がドアも開けずに急に助手席に乗り込むなんてあり得ない)なんです。圧力センサー以外にも温度センサーや静電容量センサーなどを組み合わせることで、シートに着座している人間だけに反応するようにできるはずです。
「義務化されたから運転席のをそのまま他の席にも使う」ではなく、ちゃんと助手席や後部座席用に必要なときだけ鳴るアラームを開発して欲しいものです。