新型ロードスター一日試乗記②!ワインディング&高速での走り
関東マツダが実施しているキャンペーン「TRY! 1日無料で試しホーダイ!」を使って、新型ロードスターを無料で一日試乗してきました。
試乗記後半はワインディングと高速道路走行のレビューです。前半の記事はこちら↓
MAZDA ターンパイク箱根
前回は目的地の箱根ターンパイクに到着したところで雨が降ってきたところまででしたね。すき家で腹ごしらえもしましたが、雨は止んでくれないのでそのままターンパイクに入っていきました。
箱根にある「MAZDA ターンパイク箱根」(マツダのネーミングライツによる)は全長約16kmで通行料870円の有料道路です。並行して無料の箱根新道が走っているのでコスパにメリットはありませんが、その分交通量も少なく線形も良いので走りやすいワインディングです。今回はそのうちの箱根小田原本線区間のみ(720円)を走行しました。
料金所は小田原側の1箇所のみです。Uターンは禁止されていますが、トップの写真のように何ヶ所か駐車できるスペースがある(Wikipediaによると4ヶ所)ので物理的にはUターンができます。その辺りは自己責任で。走りやすい道なので見通しの良い区間ではかなりの速度で走行することもできますが、稀に速度取り締まりをやっていることもあるようなので注意してくださいね。
箱根側にはドライブイン大観山というカフェ兼休憩所のような施設があり、駐車スペースもあります。
ワインディングでのコーナリング
ロードスターの走りを堪能するにはワインディングが一番です。ターンパイクではやや高速域に寄っている感じもしますが、新型の走りを十分に楽しめました。
何より感じるのは強い剛性感です。大きめの横Gがかかるようなコーナリングをした際に、先々代となる2代目NBではボディ全体がよじれる感覚が起きましたが、4代目NDではボディ全体がしっかりしていて、まるでクローズドクーペに乗っているかのような安心感がありました。コーナリングでのロールはスポーツカーとしてはやや大きめではありますが、このボディ剛性の下では程よくロールさせた方が爽快感に繋がると判断したんでしょうね。
サスペンションの動きがバネに依存している以上、横Gが増えるとロール量もさらに増えます。ヘアピンカーブのような大きなGが加わる中で限界領域がコントロールしやすいかは別の問題だと思います。残念ながら試乗車でそこまで試す勇気が無いので限界領域の挙動は分かりませんでした。
加速性能
街中の試乗と違って、前後左右(+ネズミ取り)に十分な安全を確保した最大限の加速も試せました。
新型ロードスターの加速性能は「必要十分」という表現がピッタリなのでしょう。ライトウェイトとはいえ、1.5L自然吸気というスポーツカーとしてはやや小さめのエンジンに爆発力はありませんが、軽い車体をぐいっと加速させるには十分な性能でしょう。そもそもロードスターというクルマ自体が「絶対的な速さ」ではなく「操る楽しみ」「オープンエアーの歓び」を味わうものなので、速さを求める必要はないのでしょう。
ただ、加速フィールという感覚的な面では、回転数に伴うトルクの変動が小さいので、5,000rpm辺りから先でやや盛り上がりに欠けるように感じました。これは一方ではスカイアクティブで開発されたエンジンがトルクフラットに近い扱いやすい性能になっていると言えます。
でも初代NA・2代目NBのロードスターでは「実用エンジンを縦置きにして面白くセッティングした」、つまり、絶対性能は上げられないけれども、回転数を上げるとある場所から急激にトルクが増加するという演出をすることでスポーティさを生み出していたという歴史から脱却(あるいは否定)したとも言えるでしょう。
私個人的には、この無用な演出もロードスターが「速くないけど面白いスポーツカー」たる要素の一つだと思っていたので少し残念です。排気量が小さすぎて演出する余裕すら持てないホンダ・S660との差別化の点でも、1.5Lエンジンには「回すとさらにおもしれー!」ってなるような挙動にして欲しかったですね。
操作系
ロードスターの操作系はスポーツカーとして実にベーシックで汎用性の高いものになっています。ステアリングのテレスコピック(前後調整)こそありませんが、チルトの範囲は広いですし、シートは座面の傾斜調整もできます。
アクセルペダルはスカイアクティブな他のマツダ車と同じくオルガン式です。以前試乗したときはコツがつかめず「ヒールアンドトウはほぼ不可能」とレビューしましたが、どうやらやり方が良くなかったようです。
ごく当たり前の所でつまづいていました。
吊り型のアクセルペダルでは支点が上にあるので下の方が動作距離が長く踏みやすく(アクセル開度調整がしやすく)なります。なのでアクセルペダルもブレーキペダルも下ギリギリを狙って踏むようにしていました。
一方オルガン型のアクセルペダルでは支点が下にあるので逆に上の方をかかとで踏んだ方が開度調整がしやすくなります。なので、ブレーキペダルの上部をつま先で踏むようにするとアクセルペダルの高い位置を踏むことになるので簡単にヒールアンドトウができるようになります。吊りアクセルのようにしたの方を狙ってしまうと、支点近くのほとんど動かない、つまり踏む距離ではなく強さでアクセル開度を調整することになってしまいます。
こんな単純なことに気付かなかった自分が情けないですが、短時間の試乗なんてそんなもんなのでしょう。今回の試乗ではコツが掴めたので、愛車だったNBロードスターのように難なくヒールアンドトウを繰り出せるようになりました。
高速道路
せっかくなので高速道路も試乗しました。東名高速も首都高速もそこそこ混雑していましたが、高速走行の安定感を試すことができました。
80km/h以上の高速域での安定感はNBとは雲泥の差でした。特に120km/h辺りではNBはちゃんとハンドルを握っていないとふらふらしますが、NDではかなり安定感があって長距離走行でも疲労するような緊張感を強いられませんでした。
でもロードスターは長距離移動を狙ったクルマではありませんので、高速安定走行での快適さでは欧州Cセグメント以上には到底敵いませんね。それを目的に買う車ではありませんので。
おまけ:新型プリウスのテスト走行
ターンパイクを走っていたら、仮ナンバーを付けた新型プリウスが先代プリウスと並んでテスト走行していました。ターンパイクは利潤目的で作られた私道なので、テストや撮影に度々利用されています。新型プリウスも走行テストをしていたのでしょうか。