ほんとうに賢い中古車の選び方!決め手は「優先順位」

     2016/10/19

中古車ってどうやって選べばいいの? そんな疑問にお答えします。

「新車」に縛られないと世界が広がる

下の記事で挙げた例では、以下の条件だと200万円では本当に満足する新車は購入できなさそうだということが分かりました。

ここではこの例に沿って、賢い中古車選びをご紹介します。

例:Aさんの欲しいクルマ
  • 2ドアのクルマに乗っていたけど、子供ができたことを機に4ドアのクルマに乗り替えたい。
  • 遠くの実家に帰省するので長距離が楽な方がいい。
  • 通勤には使わない。年5,000km程度。
  • 子供が車内を汚すのが心配。
  • 予算は総額200万円以内。

総額200万円で買えるクルマとなると、ほぼ軽自動車かコンパクトカーしかありませんので、デザインや質感だけでなく、広さや走行性能にも何らかの我慢を強いられる新車生活が待っています。

ですが、中古車を視野に入れるとどうでしょうか?

中古車は優先順位次第

中古車を買うときに最も重要なことは自分の優先順位を整理することです。特に新車と中古車を迷っているときには絶対しておくべきです。ほとんどの人はこれをせずに中古車屋に行って、「まぁこんなもんか」と妥協して買う。同じ予算で妥協のないクルマ選びができたかもしれないのに。

優先順位の整理はクルマ探しを始める前にしておくべきです。なぜなら、新車でも中古車でも「なんだか良さそうなクルマ」や「なんだか良さそうな営業さん」に出逢ってしまうと、ちゃんと自分が欲しいものが整理されていないのに、雰囲気に乗せられて自分に合わないクルマを買ってしまう可能性があるからです。注意しましょう。

買ってから後悔するような不満の理由は、価格の問題ではないかもしれません。そもそもどれだけお金を出したところで、すべてが完璧なクルマなんて存在しません!

  • 車内が広ければ快適かもしれませんが、車体が大きくて取り回しが悪く走行性能が低くなる(ミニバン、ワンボックス)
  • 加速・走行性能を追究したら定員や積載量が減る(スポーツカー)
  • 税金が安く取り回しがいいけど、走行安定性や安全性に劣る(軽自動車)

優先順位の付け方

では、クルマを買うときの自分にとっての優先順位を付けていきましょう。項目がたくさんありますが、何のためにクルマを買うのかを考えると「これは外せない」という項目が見えてくると思います。

種類 項目 コメント
車種 車体サイズ 狭い道や駐車場での取り回しに影響
立体駐車場に入るか(155cm以下)など
車内サイズ 座席の広さ、頭上の余裕
定員 日常的に乗る人数と緊急時に乗せたい人数
法定定員と実質定員は別モノ
積載量 トランク部の広さ、シートを倒せるかなど
維持費 税金・保険・燃費を総合
性能 加速性能 高速での追い越し、信号ダッシュ
走行性能 高速走行、操舵の安定感
一般に「足回り」と呼ばれる
安全性能 衝突安全や自動ブレーキ
装備 快適装備 オートライト、クルーズコントロールなど
ナビ ナビが必須か
デザイン 外装デザイン 好み
内装デザイン 質感を含む
状態 外装の綺麗さ デザインではなく状態
キズやヘコミなど
内装の綺麗さ デザインではなく状態
汚れや痛み、臭いなど

内容は人それぞれでしょう。

  • 見た目が新しくてカッコ良ければ、加速・走行性能が低くても構わない。」
  • 「普段は4人だけど、たまに祖父母も乗せるので最大6人乗せたい立体駐車場に入れる。」
  • 「運転がヘタだから外装のキズはもはや気にしないけど、内装の汚れは我慢ならない。」

優先順位さえ決まってしまえば、新車だろうが中古車だろうが自分に合ったクルマが必ず見つかるはずです。

Aさんの優先順位

総額200万円で車を探すAさんを想定して、例を挙げてみましょう。Aさんの優先順位はこんな感じです。

Aさんの欲しい車の優先順位

  1. 車体サイズ:ドア4枚は必須。
  2. 車内サイズ:ベビーカーを載せたり車内でオムツ交換したり。
  3. 安全性能:家族が乗るから特に気になる。
  4. 走行性能:長距離運転で疲れないこと。
  5. 外装デザイン:そこそこカッコイイのにしたい。

優先しないもの

  • 家族しか乗らないので、定員は5人乗りで十分。
  • どうせ汚れる内装の綺麗さはさほど気にならない。
  • 最近の快適装備にはあまり興味がない。

新車で選ぼうとすると、優先順位以前に消去法で車種を決めるしかありませんでした↓

この優先順位の整理こそがクルマ選びで最も大事なことです。

具体的な候補

例えば、アクセラスポーツ。2012年式以前の中古車が手頃な価格になっています。2012年式の中古車相場は150万円以下。新車で選んでたときには新車価格が高くて候補にすら挙がりませんでした。

これは新車の最初の車検(3年)を通さずに売られたものが多いというのもありますが、アクセラは2013年に3代目に切り替わったので、型落ちモデルが安くなっているわけです。

型落ちモデルとは言っても、デザイン的にはなかなか悪くないと思いますよ。

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2012年式以降のアクセラスポーツで余裕をもって150万円以下だと、2015年5月20日現在で全国に50台以上はあるようです。2012年式と一部の2013年式(モデルチェンジ前)のうち、3分の1程度が射程圏内なわけです。

アクセラスポーツだと……

  • 車体サイズ:4ドアで問題なし。
  • 車内サイズ:3ナンバーサイズで幅広。トランク部が広く、コンパクトカー(ヴィッツクラス)に比べれば余裕アリ
  • 安全性能:ここ最近のマツダ車の衝突安全性の評価はかなり高い。
    (3代目モデルですが、【ユーロNCAP】マツダ アクセラ 新型、最高評価の5つ星 だそうです。)
  • 走行性能:アクセラ自体が欧州向けに作られたクルマなので、高速走行の安定感は日本車でも随一。
  • 外装デザイン:型落ちながら野暮ったさのないスタイリッシュなデザイン。
  • さらに、加速性能:150万円以下の50台のうち約20台は2000cc。新東名でも余裕の走りです。

ちゃんと優先順位に照らし合わせてみると、同じ予算なのに新車のときにあった我慢ポイントが無いんです。それどころか追加メリットがあるのに予算は余裕で下回っているわけですね。車体価格を140万円程度に抑えれば、諸経費にザックリ30万円(車検が残っていない場合)、残りの30万円でカッコいいシートカバーとチャイルドシート、スタッドレスタイヤなんかも買えちゃうわけです! 中古車だとナビやバックモニターがすでに付いていることも多いことも結構重要です。

それでもまだ新車にこだわりますか?

それでもなお新車にこだわるならそれでもいいんです。なにも「新車買うより中古車のが絶対良い」と言いたいわけではありません。ちゃんと優先順位を吟味した上で、新車と中古車をちゃんと比較しようということです。

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