フランス産小型車「ルノー・トゥインゴ」が日本発売!up!には勝てそう。是非MTモデルを!

     2016/07/13

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フランス最大の自動車メーカー「ルノー」は、東京モーターショーに新型小型車「トゥインゴ」だけを展示するという思い切ったことをしてきました。まだ正式発表されていませんが、これは日本でも発売する気まんまんですね!

東京モーターショーで実際に見てきたので、フランス産小型車を早速競合たちと比較してみましょう。「軽でない小さなクルマ」という日本ではマイナーなジャンルに切り込んできますよ!

※ 7/13追記。日本発売が正式発表されました! しかも限定モデルながらMTも用意されました!↓

本国では「トゥインゴGT」も発表されています↓

ルノー・トゥインゴってどんな車?

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トゥインゴはルノーのラインナップで最小のクルマです。立ち位置的には日本の軽自動車に近い感じではありますが、日本の軽自動車に合わせた車ではないので、軽よりは少し大きいサイズになっています。初代トゥインゴが発売されたのは1992年で、今回展示された新型は3代目となります。

このセグメントは「先進国の都市部向け小型車」という側面と、「発展途上国向けの庶民小型車」という側面を併せ持っています。日本では輸入車として結構な高額で販売されますが、安っぽさを感じる造りの可能性も高いので要注意です。

リアエンジン・リアドライブ

新型トゥインゴ最大の特徴はリアエンジン・リアドライブ(RR)を採用していることです。

かつてFFやFRが技術的に難しかった頃はRRが主流でしたが、1960年代頃からフロントエンジン(特にFF)が台頭し始めると急速に衰退していきました。RRには様々な欠陥を抱えているからです。

  • 後部に重量物があることによる操縦性の悪さ
  • トランクスペースが狭い
  • エンジンの効率的な冷却が難しい(水冷・空冷問わず)
  • 遮音・遮熱が難しい
ポルシェ・911

ポルシェ・911

こんな難しいエンジンを現代でも採用しているのは、「RRであること」を重要な特徴としているスポーツカー「ポルシェ・911」と、軽自動車の「三菱・i」くらいしかありません。

三菱・i

三菱・i

そんな中、ルノー・トゥインゴと、トゥインゴとプラットフォームを共有するスマート・フォーフォーはRRレイアウトを採用しました。

Renault-twingo-15-s上の写真はトランク下に見えるエンジンです。トランクを有効活用できるようにするために、トランク下の限られたスペースにエンジンと補機類が詰め込まれています。もちろんこのままでは騒音がダダ漏れなので、上に鉄板で塞ぎ、吸音素材の付いたシートを載せます。

Renault-twingo-13-sルノーが言うにはこれで十分に遮音できるそうですが、こんな薄いスポンジではいささか不安が残ります。実際に乗ってみての評価が必要ですね。

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トゥインゴの機構。左が前輪。

こんな風に、後輪部低くにエンジンが搭載されています。

デザイン

エクステリアデザイン

Renault-twingo-01-cut-sフロントは安っぽさを感じさせず、整った落ち着いたデザインです。軽自動車のような「枠内でギリギリまで大きくしました」というようなカクカクした無理している感がなく、小さいながら余裕を感じさせます。

twingo-rear-sリアは程よく傾斜したハッチバックです。ハッチは全面ガラスなので色はボディカラーに関わらず黒ですが、これも安っぽくはありませんでした。

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リアハッチを開けるレバーを取り付ける場所が無いためか、ナンバープレートのすぐ上にボタンが付いた電磁ロックになっていました。ボタンと開ける操作に分かれるので操作性はやや落ちるかもしれませんね。

Renault-twingo-35-s横から見たフォルムはコンパクトながら余裕のあるいいデザインだと思いますが、細かく見るとどうしても安さを感じる場所もあります。リアドアハンドルはアルファロメオよろしく(というか最近の流行り)、ウインドウ横に目立たなく付いていて2ドア風になっていますが、このレバーがどうも安っぽい。同じ手法を使っている格上のCセグメント車「アルファロメオ・ジュリエッタ」や「シトロエン・DS4」に比べると品質(というか価格)の差をしっかり感じさせてきます。

でも車格を考えれば総じて良いデザインでした。

インテリアデザイン

Renault-twingo-07-s インテリアはざっくり言えば「up!以上、500以下」でした。フォルクスワーゲン・up!の地味な安っぽさには勝てますが、500のインテリアのおしゃれ高級感には敵いませんね。ここはコンセプトの差(up!・トゥインゴは新興国メイン、500は先進国メイン)なんでしょうね。

正直日本の軽自動車の方が内装は頑張ってるなぁと思いました。ま、軽はエンジンやボディの割にやたら高いですからね。

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リアドアウインドウは今どき手動式です。レバーでほんの少しだけ開くアレです。日本ではほぼ淘汰されていて軽でも4ドアではほとんど採用していません。最近でも採用していたのは4ドアスポーツカーのRX-8くらいでした。

リアドアウインドウが手動なのは、競合のVW・up!も同じです。この辺に安さを感じてしまうなぁ……。

カラーリング

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フランス車らしくカラーリングがやたらオシャレです。フツウの色は無いのかよってほどに。

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日本向けにどんな色名になるのか楽しみですね。

競合車と比較

ルノー・トゥインゴと同じく、「軽自動車以上、コンパクトカー以下、4~5人乗り」というジャンルに属する車は日本では現在3車種しかありません。中でも「フォルクスワーゲン・up!」はルノー・トゥインゴとかなり似たコンセプトで作られています。

他に輸入車では、3ドアながらイタリア産でおしゃれな「フィアット・500」(別名:チンクエチェント、チンク)があります。500はトゥインゴと同じくキャンバストップ仕様があります。

日本ではスズキがワゴンRを拡大して作った「ソリオ」という車があります。一応現在はワゴンRから分離した別車種として設計されているようです。最近モデルチェンジして「えせハイブリッド版」が追加されましたね。

一覧で比較してみましょう。

車種
グレード
ルノー・トゥインゴ
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フィアット・500
ツインエア ポップ
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フォルクスワーゲン・up!
ムーブ アップ!(5ドア)
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スズキ・ソリオ
ハイブリッドMX
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ドア数 5ドア 3ドア 5ドア
定員 4名 5名
全長 3,620 mm 3,545 mm 3,710 mm
全幅 1,650~1,660 mm 1,625 mm 1,650 mm 1,625 mm
全高 1,545 mm 1,515 mm 1,495 mm 1,745 mm
ホイールベース 2,490 mm 2,300 mm 2,420 mm 2,480 mm
車重 1,010~1,030 kg 1,010 kg 920 kg 950 kg
駆動方式 RR FF
トランスミッション 6DCT 5AMT CVT
エンジン形式 直列3気筒 直列2気筒 直列3気筒 直列4気筒
排気量 899 cc ターボ 875 cc ターボ 999 cc 1,242 cc+モーター
最高出力 90ps / 5,500rpm 85ps / 5,500rpm 75ps / 6,200rpm 91ps / 6,000rpm
最大トルク 13.8kgm / 2,500rpm 14.8kgm / 1,900rpm 9.7kgm / 3,000-4,300rpm 12.0kgm / 4,400rpm
サスペンション フロント:ストラット
リア:トーションビーム
燃費 (未発表) 24.0 km/L 25.9 km/L 27.8 km/L
価格 (未発表) 227 万円~ 176 万円~ 170 万円~

こうして見ても、500は「先進国向けセカンドカー」という趣。品質も値段も高く、3ドアオンリーです。

一方トゥインゴとup!はかなり近い競合関係なのでしょう。価格にもよりますが、内容的にはターボでパワーに余裕があり、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)でスムーズな変速ができるトゥインゴの方が有利ですね。up!はスペックで見るとそんなに悪く無さそうですが、実際に乗ってみるとAMT(シングルクラッチトランスミッション)のフィーリングが悪すぎてかなーーり乗りにくいです。トルコンATのスムーズさに慣れた日本人には受け入れがたいでしょう。

ソリオはあくまで「ちょっと大きい軽自動車」です。モデルチェンジしてもそれは変わりませんでした。無駄に縦に広い車内は欧州コンパクトカーとはまったく違う方向に向いていますね。走りやデザインよりも広さ、なんでしょうね。

まとめ+MTモデル

直接の競合・up!にはデザインと走りの面で十分に勝てそうです。RRなので静音性にはやや不安が残りますが、up!もFFなのに結構うるさかったのでどっこいどっこいでしょうね。

気になるのは価格ですね。up!との戦いで考えると、180万円を切ってくれると嬉しいところですが、スタート価格185万円あたりと予想しました。

MTモデルは出るのか?

珍しいRRということで、車好きとしては日本でもMTがラインナップされるかが気になるところです。

ルノーブースの担当者は「MTモデルもあると面白いですよねー。でもまだ何も情報もらってないので分からないんですよ。」とのことでした。

今回の展示は6台すべて0.9Lターボ+6DCTという組み合わせでした。出るとしても限定車で入るくらいに留まるのでしょうかね。

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