新型インプレッサ国内発表!MT廃止?ライバルとスペックを比較
2016/09/04
スバルの新型インプレッサが国内でも発表されました! 発売は今年の秋だそうです。国内向けスペックも発表されています。
MTは用意されるのでしょうか。Cセグメントのライバル達との比較も見てみましょう。
目次
国内向けMTは販売せず
スバルは新型インプレッサで国内向けにMTを用意しないことを明言しています。先代(4代目)では一部モデルで5MTを選択することができたのですが、廃止されることになってしまいました。これでトランスミッションはCVTのみとなります。
世界的にもMT消滅か
確かに国内でMT販売数は低迷していますが、世界的にはMTも需要があるはずです。
ですがその世界販売においてもMTモデルが登場するかは未定です。インプレッサが発表された今年のニューヨークオートショーの場でのスバルの米国販売マネージャー・ドミニク インファンテの発言によると、MTを(米国国内向けに)提供するかは未決定だそうです。
もし国外向けにもMTを出さないとなると、そもそもマニュアルトランスミッションを開発する必要がなくなります。トランスミッションは搭載位置や向きの問題から基本的にはエンジン形式によって別々に開発する必要があります。水平対向エンジンというある意味特殊なエンジンを採用するインプレッサなので、アイシンなどからMTを買って載せるだけというのは難しいでしょう。MTを辞めることで開発や在庫、メンテナンスなどのコストが大きく圧縮されそうに思えます。
WRXの存在
一方でインプレッサの派生モデルとしてスポーツセダンの「スバル・WRX (STI/S4)」という車もあります。こちらは車種の性格上MTはほぼ必須でしょう。こちらにMTを用意するならコストの圧縮は限定的。
現時点では5代目インプレッサベースのWRXは2017年に登場すると見込まれています。ですがもしWRXの販売を辞めるとしたら、世界的にMTを無くす意味も理解できます。もしかしたらそんな可能性もあるのかもしれません。
スペック比較
国内でCセグメントに属する車は意外と少ないです。プリウスのような立ち位置が微妙なものを除くと、国産Cセグメントはインプレッサ・アクセラ・オーリスの3台に絞られます。
この3台はいずれも世界戦略車として開発されていてサイズや価格帯も近いです。グレードは価格的に近いモデルを選びました。
※ インプレッサの括弧内は先代モデル。
車体サイズ
幅はこれでも小さめ
インプレッサの車体サイズは全長を縮めて幅を大きくするという、世界販売で要求される方向へ進めました。幅は先代の時点でも3ナンバーサイズ(1,700mm以上)にはなっていましたが、新型モデルでオーリスを超える1,775mmに拡大しました。
それでもアクセラはさらに大きい1,795mmです。世界的に見ると、Cセグメントの車幅は1,800mmがトレンドです。Cセグメントの代表、フォルクスワーゲン・ゴルフをはじめ、ボルボ・V40、アルファロメオ・ジュリエッタは1,800mmジャスト。プジョー・308は1,805mm、ルノー・メガーヌは1,810mmなどさらに大きい車体もあります。Cセグメントの世界戦略車で1,750mm以下はほとんど見られませんから、インプレッサは平均的サイズに成長したということです。
全長はインプレッサとアクセラだけ長い
全長はむやみに大きくせず4,300mm台に抑えている車がほとんどです。ゴルフ、1シリーズ、Aクラス、A3、メガーヌ、ジュリエッタ、V40、C4と、どれを見てもCセグメントハッチバックは4,300mm台です。プジョー・308に至っては4,260mmです。全長で見るとインプレッサとアクセラだけが異様に長いわけですね。
私の推測ですが、国内販売では幅を大きくすると拒絶されやすいので大きくできない。一方全長は国内でも比較的寛容。居住性や積載能力を上げようとすると全長を伸ばさざるを得ず、4,400mm台で定着してしまった。モデルチェンジで全幅を世界レベルに拡大しても、今さら全長を縮めて小さくなったと感じさせることはできず、今でも全長が長いままになっているのではないのでしょうか。実際、インプレッサは2代目(2000年発売)から、アクセラは初代(2003年発売)からずっと4,400mm台を維持しています。
オーリスは国外向け
一方オーリスはあまり国内販売に力が入れられていません。トヨタの国内販売では、ハッチバックは格下Bセグメント「アクア」「ヴィッツ」が圧倒。その上となると、セダンのプリウスという大物が。ハイブリッドすら今年やっと追加された程の扱いのオーリスの国内販売数は大して多くありません。2015年度通期で見ても、トヨタ車種別販売数の上位15位にすら入っていません。Cセグメントという定番なのにランドクルーザーやクラウンより売れていません。
スバルはトヨタ傘下です。スバルがCセグメント「インプレッサ」を持っているので、国内販売で食い合う必要がないのかもしれません。「Cセグメントハッチバック」ならインプレッサ、「トヨタのCセグメントサイズ」ならプリウスがあるので国内は十分なのでしょうかね。
ということでオーリスだけは全長が世界標準の4,300mm台に収まっています。2代目オーリス(現行)の前期型や初代オーリスは4,200mm台でしたしね。
エンジンと価格
エンジンは相変わらずの2L自然吸気エンジンです。もちろん水平対向。
一方のアクセラとオーリスは1.5L自然吸気エンジンです。アクセラには他に1.5Lディーゼルと2.2Lディーゼルが、オーリスには1.2Lターボと1.8L自然吸気と1.8L+モーター(ハイブリッド)が用意されていますが、いずれも価格が230万円以上と大きく上がります。エンジン性能も排気量に見合っているので、インプレッサは先代モデルの価格で見るとエンジンの割に安いことが分かります。
インプレッサには先代モデルと同様に1.6L自然吸気エンジンを搭載したモデルも用意されるそうです。スペックなど詳細は未発表ですが、先代と同等ならアクセラ・オーリスに比べて一回り安い価格設定になるでしょう。
サスペンションにも差あり
フロントサスペンションはいずれもストラットですが、リアサスペンションはバラバラです。Cセグメントでベーシックなダブルウィッシュボーンやマルチリンクを装備するインプレッサ・アクセラに対して、オーリスは車軸懸架のトーションビーム。
https://newcars.jp/tech/suspension-type/
プジョー・308のようにCセグメントでトーションビームを採用する車もあるので、単純にトーションビームが悪だとは言い切れませんが、サスペンションとして性能差があることは事実。高速道路を走行中のリアシートの乗り心地などで、オーリスはやや劣ってしまうでしょうね。
まとめ
MTが用意されないのはかなり残念です。自分が乗るかどうかというより、国産車からどんどんMTが消えていってしまうことが悲しいですね。
WRXを作らないCVTのみのスバルなんて、もはや何の面白みも無いように思えてしまいますが……どうなのでしょうね。